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新車の価格高騰だけじゃない! 若者のクルマ離れはなぜ進んでしまったのか

MōTA / 2022年2月6日 17時0分

教習中のイメージ

「若者のクルマ離れ」と言われ始めたのは2005年くらいからだっただろうか。若者の興味関心がゲームやパソコン、携帯電話などへと移り、若者向けとされていた低価格なスポーツカーが姿を消し始めたころだろう。 実際、都内に長く住んでいる28歳の筆者の身の回りにも運転免許を所有していない、クルマを持っていない友人は少なからずいる。今回は若者を代表して、なぜクルマへの興味がなくなっていったのか考えてみたい。

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軽自動車でも200万円! 新車の価格が上がった

これは軽自動車も含めたすべてのクルマに言えることだが、安全性への関心が高まったことで自動ブレーキなどの先進安全装備が備わっている。材料でも軽量で高剛性なハイテン材などが使用されるようになり、衝突安全性が高まった。こうした原材料費の高騰によって、どうしても新車の価格は高額になりがちだ。

安全性の高まりから新車の価格は上がっている

20代の平均年収は、国税庁が行っている「民間給与実態統計調査(令和元年分)」によると20歳から24歳までで264万円、25歳から29歳までで369万円と開きはあるものの、軽自動車でも200万円を超える車両価格を見て、わざわざ多額のローンを抱えてまで手を出そうとしないというのが現状だろう。

金銭面で購入を断念する若者は多い

ゲームやYouTuneなどの娯楽が増えた

かつては今のような便利な電化製品は少なかった。もちろんテレビやラジオなどはあったが、選択肢は今に比べて少なかったと言えるだろう。

しかし、現在の若者はゲームや音楽、YouTubeなどの動画コンテンツなど多くの娯楽に囲まれて生活している。今はコロナ禍ということもあり「巣ごもり需要」が伸びているが、若者にとっては以前から外出せずとも娯楽が豊富にあった。

スマートフォン一つでさまざまな娯楽が楽しめる

わざわざお金をかけて外に出ようと思う人が少なくなっているということも要因の一つとなっていそうだ。

クルマが目的ではなく手段になっている

昔はクルマを持っているというだけで女性にモテた、と聞く。バブル期にはクルマを持つことがステータスとなり「デートカー」と呼ばれるクルマが人気を集めていた。そのために当時の若者はお金をかき集め、クルマに乗ることを目的としていた。

かつてはステータスとなっていたクルマだが……

しかし、現在では自動車メーカーのテレビCMを見ていてもわかることだが、クルマが手段に変わってきている。「クルマを持って何しよう」ではなく、例えば「キャンプに出かけるためのクルマを持つ」なのだ。

はじめから目的が決まっている分、クルマ選びに難儀することは少ないのかもしれないが、クルマが必要な趣味を持っていない人にはクルマは関心の対象から外れてしまう。

キャンプに行くという内容のテレビCMも増えてきた

若者をはじめ多くの人にクルマの価値を知ってもらうことが大切

改めて考えてみると、これは若者の関心の移り変わり、環境の変化によるもので、致し方ない部分があるのかもしれない。

しかし、クルマへの興味がなくなってしまっても「クルマがあることで行動範囲が広がり、趣味をさらに広がりのあるものにしてくれる」という価値観を提供すれば、クルマの必要性は理解されるはずだ。

クルマ本来の魅力ももちろん大切だが、ビジネスとして成り立っている以上、売れないものは廃れていく。より多くの人にクルマの価値を知ってもらいたい。

【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】

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