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「トヨタ C-HR」は本当にフルモデルチェンジする? キャラ被り「カローラクロス」とのすみ分けはどうなる!?

MōTA / 2022年2月9日 18時0分

トヨタ BEV コンセプトカー「bZ Compact SUV」 [Photo:TOYOTA]

2016年に登場したコンパクトSUV「トヨタ C-HR」にフルモデルチェンジの噂が流れているが果たして本当だろうか。2021年に追加された「カローラクロス」とのすみ分けはどうなる!?

トヨタ C-HR[2016年12月発表時] [Photo:茂呂 幸正]

新世代アーキテクチャー「TNGA」をいち早く起用した世界戦略車の初代C-HR

2016年12月に国内デビューした初代「トヨタ C-HR」

トヨタ C-HRは、トヨタの新世代アーキテクチャー「TNGA(Toyota New Global Architecture)」を用いて2016年に登場したコンパクトSUVの世界戦略モデルだ。

TNGAは「もっといいクルマづくり」のテーマを掲げ、クルマを骨格から変えることで基本性能と商品力を向上させる取り組みである。

のちにトヨタの基幹モデル「カローラ」シリーズも使用することになるTNGA GA-Cプラットフォームを4代目プリウスに次いでいち早く採用。背の高いSUVながら、走行性能の熟成にこだわって開発された。そのこだわりは、まだ試作段階のC-HRをドイツ・ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦させたほど。

またスタイリングも従来の背高なSUVとは異なる路線とし、クーペ車風の流麗かつ先鋭的なデザインでスポーティな走りとの一貫性を持たせた。

デビュー直後の2017年にはSUV人気No.1を獲得するほどの大ヒット作に

トヨタ C-HRはデビュー早々にユーザーからの支持を集め、2016年12月の発売からおよそ1ヶ月で約4万8000台を受注。2017年1月から12月には国内で11万7299台(月平均 約9775台)の販売台数を記録し、SUV新車販売台数1位を記録するなど、大ヒットモデルとなった。

そんな華々しいデビューからおよそ4年が経過した2021年。トヨタ C-HRの1年間の販売台数は1万8096台(月平均1508台)と、最盛期に比べると随分寂しい売れ行きで落ち着いている。

C-HRと共通のTNGA GA-Cプラットフォームを用いて2021年に誕生した「トヨタ カローラクロス」

トヨタではその間、2019年には「RAV4」「ライズ」、2020年には「ハリアー」「ヤリスクロス」、そしてほぼ同等のボディサイズを持つ「カローラクロス」が2021年と、相次いでSUVモデルがデビューしており、こうした社内のライバルに押された格好である。

このままC-HRは1世代限りで消えていってしまうのだろうか。

その後車内のライバル車が急増! しかしBEVモデルの追加などアップデートは続く

2020年にはC-HRをベースとしたBEV(電気自動車)も登場し、中国では既に販売を開始している

とはいえC-HRも、2019年秋にはマイナーチェンジを実施。TOYOTA GAZOO Racingが手掛けたスポーツモデル「GR SPORT」も追加されるなど、積極的なアップデートも行われている。このまま1世代で消えていくとは考えにくい。

さらに2020年には、このC-HRをベースとしたトヨタ初の中国向け電気自動車も発売されている点にも注目したい(日本未導入)。

世間をアッと言わせたトヨタの電気自動車戦略

2021年12月14日、トヨタはバッテリーEV(BEV:電気自動車)戦略に関する発表を行った。ハイブリッド車のいち早い普及など、世界に先駆け電動車両に取り組んできたトヨタだが、BEVに対してあまり積極的ではないというイメージを持たれていた。

ところがこの発表でトヨタは、バッテリーEV専用車「bZシリーズ」をはじめとするBEVのラインナップを一挙に公開。2030年にはグローバルでBEVを350万台販売出来る体勢を目指すと宣言し世間をアッと言わせた。

会見会場には未来のコンパクトモデルから、レクサス向けの大型SUVやスポーツカーまで、1/1サイズのモックアップ(デザインイメージを伝えるモデル)を10数台も展示するほど気合いが入っていたのだった。

数年後に現れる予定のBEVモデルの中に、新型C-HRらしきデザインのコンパクトSUVの姿が!

先行して2022年に市販化される「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」と並ぶ「bZ Compact SUV」

前置きが長くなった。そんな10数台の中に、次期C-HRを想わせるコンパクトクロスオーバーSUVモデル「bZ Compact SUV(ビーズィー コンパクト エスユーブイ)」が並んでいた。

これがまさに、中国向けC-HR BEVの後継モデルと目されているのだ。SUVとしてはルーフが低く、スポーティなルックスは、背が高く室内空間も広いカローラクロスとは異なる方向性。明確なすみ分けがされている。

写真は中国向けC-HRの電気自動車モデル

しかし『2代目の次期C-HRはBEVになる!』と一足飛びに話を進めるのは、さすがにちょっと性急に過ぎる。

おそらくデザインテーマや方向性が近いクロスオーバーSUVとして、あるいは一部のアーキテクチャーを共有しながら、同時期に開発が進められていると考えるほうが自然だろう。

新型C-HRはEVの兄弟車と共に2023年登場か!? 段階を経てその姿を明らかにしていく可能性大

写真はコンセプトモデル「bZ Compact SUV」

現行型C-HRのマイナーチェンジが2019年に行なわれたことを考えると、2022年中にも新型C-HRの姿を見ることが出来るかもしれない。現行型C-HRも最初はコンセプトモデルが登場し、徐々にその姿を現してきた経緯がある。

新型C-HRの正式な発表もいくつかの段階を踏みながら、2023年頃には明らかにされることだろう。

そんな新型C-HRのフルモデルチェンジに関する詳細な情報は、まだまだ不明確なことが多いのも事実。続報が入り次第、引き続き紹介していく予定だから、楽しみに待っていて欲しい。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・小林 岳夫・島村 栄二・三橋 仁明/N-RAK PHOTO AGENCY・TOYOTA]

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