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【4WD走行モード解説】アウトランダーとデリカD:5、雪道ではどの走行モードを選ぶべき?

MōTA / 2022年2月13日 11時30分

三菱 新型アウトランダー(アウトランダー PHEV)[2021年12月16日発売] [Photo:茂呂 幸正]

4WDシステムには走行モードを設定したタイプも多い。前回はスバル フォレスターと日産 ノートの4WDの使い方について紹介した。今回は三菱 アウトランダーとデリカD:5を例にとって、設定されているモードの使い方を紹介しよう。

三菱 新型アウトランダー(アウトランダー PHEV)[2021年12月16日発売] [Photo:茂呂 幸正]

アウトランダーは路面状況に応じた5つのモードを用意!

三菱 アウトランダーは、ノーマルモードのほかに経済的な運転を行えるエコモード、動力性能を十分に引き出すパワーモードがあり、さらに路面状況に応じて選べる4つのモードも設定した。ターマック、グラベル、スノー、マッドがそれだ。

アウトランダーの5つのモード切り替えスイッチ

これらの内、ターマックは、舗装された峠道などを走るためのモードだ。舗装路用だから、車両の横滑りにも敏感に反応して、前後に搭載されたモーターの駆動力や4輪のブレーキを制御する。そのためにターマックモードで舗装されていない悪路を走ると、制御が過剰になって頻繁に行われ、運転しにくく感じることもある。

ターマックモード

マッドモードは万が一の安心感を高めてくれる

そこで未舗装路では、グラベルモードを使う。ある程度の空転を許容しながら、駆動力と4輪のブレーキを的確に制御して、車両はステアリング操作に対して忠実に向きを変える。悪路では、思い通りに曲がって運転しやすい。

スノーモードは文字通り雪道向けだ。グラベルモードに比べると駆動力の伝え方が穏やかで、安定性を重視している。雪道には路面が凍っていて、きわめて滑りやすい場所もあるから、タイヤの接地性を重視する。

そしてマッドモードは、泥道や深雪で使う。アウトランダーは前後にモーターを搭載する4WDだから、前後の駆動系は繋がっていないが、マッドモードでは前後輪をロックしているような動きを見せる。

昨今の4WD車は電子制御化され、スリップした状態に応じて前後の駆動配分を瞬時に変える機能が備わるが、旧来の四輪駆動車(パートタイム式4WD)は前後の駆動力が直結され、ほぼ同じ力がかかる(センターデフロックという機能で前後を直結させる車種もある)。

電子制御式は緻密な制御が行え効率的だが、強い駆動力が欲しい場合にはむしろ直結式の4WDに分がある。

しかも滑った時に駆動力を弱める安全装備は、あまり介入しない。泥や雪を跳ね飛ばしながら、車両を強引に前進させる走り方も可能だ。マッドモードを使う場面は、ほとんどないが、ユーザーとしては万が一の時の安心感を高められる。

泥や雪を跳ね飛ばしながら走行することも可能

また駆動力の伝達効率を高めるマッドモードを設定するには、悪路走行に耐えられるシャシーやサスペンションも必要だ。総合的な悪路走破力が優れていることも意味する。

デリカD:5は4WDオートと4WDロック機能を備える

アウトランダーやフォレスターのような多彩な走行モードを備えていなくても、例えばデリカD:5のように、2WD、4WDオート、4WDロックといった切り替えを可能にした4WDシステムは少なくない。

4WDの切り替えスイッチが用意される

デリカD:5の2WDは、2輪駆動になるモードだ。デリカD:5では多板クラッチの制御によって前輪駆動になり、駆動力の伝達ロスを抑えて燃費を向上させる。

デリカD:5の雪道走行

それでもせっかく4輪駆動の機能を備えるのだから、なるべく4WDオートで走りたい。運転状態が穏やかな時は、前輪駆動に近い状態に制御されて燃費が節約され、カーブに差し掛かったり濡れた路面で前輪が滑りそうになった時は、自動的に後輪にも駆動力を伝えて安定性を高める。

4WDロックは、前後の駆動系を直結状態に近づけるモードだ。ある程度の空転は許容され、滑りながらも車両を前進させる。

走行モードの切り替え機能を備えた4WDを購入したなら、取り扱い説明書を読んで、作動の仕方を知っておきたい。万が一の時に役立つ。また自分のクルマの優れた4WD性能を知って、嬉しい気分になると思う。

【筆者:渡辺 陽一郎】

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