雪道でも高い走破性能を誇る新型ヴェゼル! ドライバーが意図した通りの走りを支える「e:HEV×リアルタイム4WD」
MōTA / 2022年2月27日 13時0分
発売開始から高い人気を誇るホンダ 新型ヴェゼル。スタイリッシュなデザイン、優れた居住性や積載性に加え、e:HEVにリアルタイム4WDを備えたモデルは高い悪路走破力を備える。今回は、雪上での走行機会を得たので、その内容をお届けする。
人気SUVの新型ヴェゼルのリアルタイム4WD性能を雪上コースでテスト!
今はSUVの人気が高く、その中でも特に好調な売れ行きな車種がホンダ 新型ヴェゼルだ。全長が4330mmのコンパクトなSUVだが、車内は広く、後席の頭上と足元には1クラス上のサイズのCR-Vと同等の空間がある。大人4名が乗車して、長距離を快適に移動できる。 また、センタータンクレイアウトにより燃料タンクを前席の下に搭載したから、荷室容量も大きい。後席を床面へ落とし込むように小さく畳むと、大容量の空間に変更できる。 そして新型ヴェゼルは、優れた居住性や積載性に加えて、悪路走破性でも注目される。そこで新型ヴェゼルのリアルタイム4WD搭載車を雪上の特設コースで試乗した。パワーユニットは、ハイブリッドのe:HEVを搭載する。ドライバーが意図したとおりの走りをサポートする「アジャイルハンドリングアシスト」
新型ヴェゼルのリアルタイム4WDは、電子制御される多板クラッチを使って、駆動力を前後輪に配分する。e:HEVから後輪には、プロペラシャフトによって駆動力を伝える。さらに新型ヴェゼルは、アジャイルハンドリングアシストと呼ばれる機能も採用した。カーブを曲がる時など、電子制御によって4輪のブレーキを独立作動させ、車両の挙動を安定させる機能だ。アクセルペダルを踏みながらカーブを曲がる時でも、必要に応じて前後左右のブレーキを自動的に作動させ、車両の進行方向や駆動力の伝達などを整える。その結果、ドライバーが意図した通りの走りを行える。
このアジャイルハンドリングアシストは、e:HEVと親和性が高い。e:HEVは基本的にエンジンでは発電を行い、駆動はモーターが受け持つ。モーターは駆動力の増減をエンジンに比べて素早く綿密に行えるため、ブレーキ制御を伴うアジャイルハンドリングアシストとの相乗効果もさらに向上する。
滑りやすい雪道の坂でも前後輪に最適な駆動力を配分するリアルタイム4WD
e:HEVとリアルタイム4WDの効果が最も分かりやすいのは、雪上の登り坂でカーブを曲がる時だ。登り坂では高い駆動力を伝える必要が生じるが、雪道は滑りやすく、空転も起きやすい。特に登り坂では車両の荷重が後輪に移るので、前輪のグリップ性能はさらに下がる。この状態でステアリングホイールを回して進行方向を変える操作まで加えると、安定性が一層損なわれやすい。この場面でリアルタイム4WDは、多板クラッチを電子制御することで、前後輪に最適な駆動力を配分する。登り坂では、前述の通り車両の荷重が後ろ側へ移るから、後輪の駆動力配分を増やして車両を前側へ押し出す。
カーブを曲がる時は、登り坂で荷重の軽くなった前輪は、特に内側のホイールを空転させやすい。この時には内側の前輪にブレーキを独立作動させ、空転を抑えることで、外側のホイールに駆動力を積極的に伝える。そしてモーター駆動のe:HEVでは、駆動力の増減を素早く行えるから、リアルタイム4WDやアジャイルハンドリングアシストとの相乗効果もさらに高められる。
メカニズムの効果に加え、新型ヴェゼル自体の運動性能の高さが優れている
試乗チェックでは、平坦路のカーブでも、リアルタイム4WDとe:HEVは優れた相乗効果を発揮した。前輪駆動車で雪道のカーブを走ると、旋回軌跡を拡大させて、曲がりにくくなることも多い。その点で新型ヴェゼルのリアルタイム4WDは、旋回軌跡を拡大させにくい。ステアリングホイールを少し内側へ多めに切り込む感覚で操作して、アクセルペダルを若干踏み増すと、車両を積極的に回り込ませることも可能だ。 車両が不安定になりやすい下り坂のカーブでも、新型ヴェゼルには安心感が伴う。下り坂では登り坂と逆に荷重が前輪に加わり、ブレーキペダルを踏んだりすると、前輪の荷重がさらに増えてしまう。そのために接地性の下がった後輪が横滑りを発生させるなど、登り坂よりも運転の難しい状態に陥ることも多い。この時に感じたのは、先に挙げたメカニズムの効果に加えて、新型ヴェゼル自体の走りが優れていることだ。新型ヴェゼルのボディやサスペンションにより、後輪の接地性が高く、悪条件でも本質的に走行安定性を乱しにくい。特に下り坂のカーブでは、車両の制御よりも新型ヴェゼルが備える運動性能の良さを強く感じた。
「運動性能の良さ+高いメカニズム」を備えた新型ヴェゼル
ここにクルマの走りの真実がある。今回の試乗のテーマは、e:HEVとリアルタイム4WDの相乗効果で、それは確かに大切な機能だが主役ではない。あくまでも走りを補佐する技術で、本質は車両自体の運動性能にある。今回の試乗では、常に安心して雪道を走れたが、これも新型ヴェゼルの素性(運転性能)の良さによるところが大きい。そこにe:HEV、リアルタイム4WD、アジャイルハンドリングアシストなどの制御を加えたから、走行安定性をさらに高められた。いい換えればe:HEVやリアルタイム4WDの効果も、それぞれの装着される車両に応じて印象が異なる。
なお販売店によると、新型ヴェゼルの納期は依然として長い。売れ筋のe:HEV・Zは約9か月だ。最上級のe:HEV・PLaYは、納期が1年以上に達して、今でも受注を中止している。新型ヴェゼルは走りから実用性まで機能の優れた商品だから、部品の調達が困難な状況ではあるが、納期の短縮を望みたい。[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:本田技研工業株式会社・MOTA編集部]
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