1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

新型ノア/ヴォクシー、高い燃費性能はもちろん“乗って楽しい”を実現したハイブリッドは圧倒的な価格の安さが魅力的!

MōTA / 2022年3月6日 15時0分

自動車ジャーナリストの今井優杏さん

新型ノア/ヴォクシーのハイブリッドは長い納期を待ってでも手に入れるべきモデル!? 高い燃費性能や“乗って楽しい”を実現し、さらに価格の安さが魅力的な新型ノア/ヴォクシーのハイブリッドを自動車ジャーナリストの今井優杏さんが解説する!

自動車ジャーナリストの今井優杏さん

ライバルが新型を出しても並大抵の改良じゃ太刀打ち出来ないほどの細部に渡るこだわり

今年の早々、1月13日に発表されて以来…いや、実はその前から、トヨタ 新型ノア/ヴォクシーの市場の反応は凄まじかったらしい。現在、まだデリバリーはスタートしていないものの、この記事を執筆している3月初頭の時点で発注した場合、新型ノアは8月、新型ヴォクシーは9~10月頃の納車だという。ちなみに人気のフルオート駐車アシスト機能「アドバンストパーク」が搭載された新型ヴォクシーとなると、なんと“納期未定”だとか。昨今話題である部品不足から巻き起こった配車遅れのあれこれの事情を差し引いても、そのウェイティングリストの膨大さが伺い知れる(※納期の情報は筆者が販売店などへの独自取材で得た情報です。納期に関する情報は刻々と変わるので、詳しくは近くの販売店にお問い合わせください)。

それほどまでに人気のモデルなのだから、試乗にも気合が入るというものだ。そして試乗の結果、正直このクラスのミニバンは、新型ノア/ヴォクシー一択と言い切ってもいいんじゃないかとの好印象を感じた。とはいっても、今はまさにホンダ 新型ステップワゴンがまもなく、そして日産 新型セレナがおそらく今年の夏くらいに発売されるであろうという時期。ライバル勢がモデル末期なのだから、今現在のトヨタの一人勝ちは当然なのだけど、いやはやどうして、正直、ライバルが新型を出したとて新型ノア/ヴォクシーの商品力に勝るには、並大抵の改良じゃ太刀打ち出来ないのではないかと想像してしまったくらい、細部に渡るこだわりは非の打ち所がないほどなのだ。

新型ノア/ヴォクシーにかけるトヨタの思いの大きさ

たとえば、ミニバンならではのギラツキのあるデザインが最新のライト類やトリミングによって、押し出し感を強めたこと。異様なほどに質感の上がったインテリア。先代よりも伸びたシートレールのスライド量は745mmと、もっと広くなった2列目シートの足元。

2列目シートにクラス初のオットマンやサイドテーブルにタイプAのUSBポートが付いて、アルファード/ヴェルファイア並にVIP仕様になったこと(7人乗り)。さらに女性でも片手で持ち上げアレンジ出来るほぼワンアクションの3列目シートが採用されたこと。

加えて予防安全系技術のトヨタ セーフティセンスはすべてのグレードを超えて最新式のものが早くも装着され、運転支援システムのトヨタ チームメイトはなんと、高速道路でのハンズオフ、つまり手放し運転を実現している。こちらは同一車線内でのハンズオフだから、車線変更までをサポートするものではないとはいえ、あの水素燃料電池車ミライに続いて、トヨタ2台目のモデルとなる搭載となったのは大ニュースだ。長くプロパイロットを備えた日産 セレナに安全・支援系で遅れを取ってきた鬱憤を、一気に新型で晴らす機能の充実っぷり。フルモデルチェンジ直前まで年間コンスタントに20万台売れていたという、この機種にかけるトヨタの思いの大きさが透けて見えるようだ。

新型ノア/ヴォクシーでは「ハイブリッドは高い」というネガを解消

さて、そんな中でもさらに、今後のトヨタの想いの強さ、戦略が透けて見えたポイントがある。

それはズバリ、ハイブリッド車の価格設定=安さだ。

現在、新型ノア/ヴォクシーともにオーダーの大多数がハイブリッドに集中しているという。対して先代のモデル比率はほとんどがガソリンエンジン車であった。何故か。先代ハイブリッドは車体に対してハイブリッドシステムがやや非力であり、運転にちょっとしたストレスがあったなど原因は一つではないだろう。しかし、間違いなく大きな理由のひとつが「ハイブリッドは高い」だったことのように感じる。

これまでの価格差はグレードによっても異なるものの最大50万円程度。新型発売までのガソリン価格がレギュラーでおおよそ140円前後だった頃であれば余計に、40~50万円を燃費でペイ出来る可能性よりも、車体価格の安さを優先したほうが、トータルコストは安くつくという試算をしたユーザーが多かったに違いない。

しかし、新型はなんと、約35万円程度の差額で発売されたのだ。さらにエコカー減税などの免税を使用すれば10万円の免税も使えて実質25万円に。加えてここのところの燃料の高騰だ。戦争も始まって、もはやガソリン価格は先の見えない状況にあることも、ハイブリッド人気に拍車をかける。

燃費性能の高さはもちろん、ハイブリッドでも“乗って楽しい”を実現

価格もさることながら、実際の試乗でも、ハイブリッドモデルの進化には目を見張った。いや、ガソリンモデルもむろん素晴らしかったというのは言うまでもない。正直、走りだけで評価するならば、ハイブリッドよりもガソリンモデルのほうが楽しい。操舵も挙動もヒラヒラと軽いうえ、TNGAプラットフォームを得た走りは、まるでトレッドが広がったかのような直進安定性とコーナーでの粘りを手に入れていて、とても機敏でスポーティ。これならドライバーだってただの“運転係”ではなく、“ドライブが楽しい”という福利(?)を得ることが出来るんじゃないか。運転が楽しいミニバンという、これまでなら考えられないようなドライブフィールを手に入れているのだ。

しかし、である。進化幅、そして実燃費を考えて「じゃ、あなたどっち買いますか?」と言われたら、もう間違いなく「は、ハイブリッドでお願いします…」と言うであろう自分をたやすく想像出来る。なぜか。やっぱり圧倒的燃費の差。そして、ガソリンほどではないものの、ハイブリッドもやっぱり“乗って楽しい”をかなりイイ線まで叶えていたからだ。

まずは燃費である。実はガソリンエンジン車のWLTCモード燃費は最上級グレードのS-Zで15km/L、ボディサイズを考えると決して悪くはない。しかし、ハイブリッドは23km/Lなのだ。1リッター23キロですよ。ひと世代前のプリウスと同じくらいの燃費を誇るんだからもう、ギャフンとでも言いたくなる。今回の試乗は東京タワーのほとり、つまりストップ&ゴーの極地とでも言う場所。ここでも燃費の差は圧倒的で、日頃のお財布を考えるとどうしてもハイブリッドに食指が動く。

“ただ燃費がいいだけじゃない”ハイブリッド

新開発の1.8リッターハイブリッドシステム

新型ノア/ヴォクシーでは新開発のシリーズパラレルハイブリッドシステムを採用している。これまでのトヨタならばプリウスにこそ導入するような、コストのかかった開発だ。このモーターで燃費の向上を大幅に(なんと先代比23%も!)図った。これは2020年に施行された2030年度の燃費基準推定値は25.4km/Lをすでに100%達成した数字(「乗用自動車のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等(平成25年経済産業省・国土交通省告示第2号)」)。

そう、もうすでに、昨年末に豊田章男社長が発表した電動化戦略や、またトヨタの掲げるCO2削減目標は、市販車に落とし込まれてスタートしているのだ。その企業姿勢を価格に反映させたということだから、正直、このハイブリッドにはバーゲンプライスが付いていると考えても良いと思う。

さらにこの新型モーターはアクセルの踏み初めから全くのタイムラグのない加速を叶え、シームレスなエンジンとの切り替わりを叶えている。

出足のモタツキがなくスッキリ加速することに加え、新プラットフォームや打点増しなどにより約10%の剛性の向上をし、さらにステアリングが電子制御になったことによって叶えられたスッキリとしたハンドルと、チョイ乗りしただけでもハッとするほど基礎体力が上がったイメージ。“ただ燃費がいいだけじゃない”ハイブリッドになっていることが何よりものメリットかとも感じた。費用対効果は高すぎると思うから、購入検討の方は長い納期にもぜひ耐えていただきたい。

[筆者:今井 優杏/撮影:茂呂 幸正]

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください