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三菱 新型アウトランダーPHEVの内装を細部まで突っ込んで本音でレビューしてみた!

MōTA / 2022年3月11日 11時30分

三菱 新型アウトランダーPHEV(内装) 新型アウトランダーPHEVの内装をチェック

実は、三菱 新型アウトランダーPHEVはインテリアも相当に力を入れて開発されている。なんと欧州プレミアムブランドが開発目標だったそう。そこでインテリアに的を絞り、がっつりインプレション。内装の居住性と操作性、使い勝手を細かくレポートする。

三菱 新型アウトランダーPHEV(内装) 新型アウトランダーPHEVの内装をチェック

それぞれのシートで居住性をチェック

三菱 新型アウトランダーPHEVはSUVであるだけに、居住性が最も気になるポイント。新型は国内仕様ではPHEVのみの展開となり(ガソリンモデルは未導入)3列シート・7人乗りも設定された。1列目、2列目、3列目それぞれの座席における空間の余裕や座り心地、シート地の質感をチェックしてみる。

前席はゆったり感のある座り心地

水平基調のインパネによって、視覚的な広がり感がデザインされた前席。シートに腰掛けてみると、このクラス(欧州車でいうCセグメント)以上の空間的な余裕が感じられる。

特に、頭上空間は広い。170cmと身長が高くはない筆者とはいえ、「軽く肘を曲げて手を上げても天井にぶつからない」くらい余裕たっぷりだ。

オプションの電動パノラマサンルーフは開口部が大きく、開放感たっぷり。より広く感じさせてくれる

シートの座り心地も、国産SUVとしてはトップクラス。シートバック、座面ともサイズにゆとりがある上、サイドのサポートが肩付近まで立ち上がっているので、コーナリング中も体が全くブレない。フロントシートは内部に二重構造のウレタンが入ったフンワリとした掛け心地。これも悪くなかった。

取材車両のシート地はオプションのレザー仕様。ホワイトカラー&クロスステッチがゴージャスな印象だ

後席も2名乗車で十分快適

先代に比べて座面長で2cm、シートバック高で3cmも大きくなっている後席。ひざ前にも余裕がある。足を組んでラクラク座ることが可能だ。3人掛けだが中央部分はエマージェンシー用と割り切られており、左右両席のサポート性が重視されているのもユニークだ。

2列目の座面幅はさほど大きくないが、良好な居住性が確保されている

後席にも独立エアコンが備わる。後席用USBポートも気が利いた装備だ

頭上高については前席ほど余裕タップリではないが、その分、視界が高めで見晴らしがいい。新型アウトランダーPHEVはとにかく、こうした配置が秀逸。サイズ感も丁度良い。これは、パッケージの妙によるものだろう。

後席のウィンドウは、ここまでしか下がらない。タイヤハウスがリアドアの形状を制限しているためだ

後席ウィンドウ下には、ロールサンシェードが内蔵。少し前まで高級車にしかなかった装備だ

サードシートは大人が乗車すると狭め

サードシートは完全に“キッズ専用”と割り切るべきだ。筆者でも、座ると頭を天井にこすりそうになる。ひざも抱えるようなポジションになり、長時間座ると疲労を感じるだろう。

ただし、床下にモーターやコントローラーを設備するPHEVで3列シートを実現。さらに、格納すると荷室の邪魔にならない作りとしたことは賞賛に値する。

サードシートの居住空間はミニマム。ヘッドレストは上に高く引き出して使用する

運転席まわりの操作性をチェック

スイッチやダイアルの操作性は、運転時の快適さとも関連する。プレミアムカテゴリーに足を踏み入れた新型アウトランダーPHEVなら操作しやすさだけでなく、感触や質感にもこだわっていて欲しいところだが、果たして?

インパネ周辺の操作性は良好

ステアリングはなんと全グレードで本革巻き&ヒーターつき! これは新型アウトランダーPHEVの462万1100円〜532万700円(税込)といった価格帯を考えても贅沢な装備と言えるだろう。運転中に使用するスイッチ類の操作性はよく考えられていて、ストレスフリーだ。

オーディオリモコンなどが集約されたステアリング。本革部分はディンプル加工されていてグリップ性も良好だ

特に印象的だったのがシフトセレクターの感触。コトッという上品なストロークで高級感が感じられた。運転席からの位置はやや遠い印象。しかし、変速操作(正確には回生ブレーキの効き具合調整)はステアリングのパドルで行うため、全く問題ない。

ワイドディスプレイはタブレット感覚で使える

新型アウトランダーPHEVの内装で注目される装備のひとつが、カーナビやEV設定などの機能が集約された9インチWVGAディスプレイ。スマートフォンと連携できるのが特徴だ。

大きな画面で選択窓が大きく配置されており、操作は分かりやすい。カーナビの画面スクロールなどもスムーズ。ひと昔前のタッチ感応型ディスプレイとは、隔世の感がある。

タッチ感度は最新のスマホ並みに良好。ただし光が反射して若干見にくい場面もあった

ただ、先代ではディスプレイが運転席側に向いていたのに対し、新型では正面に向くよう配置されているのが気になるところ。

運転席からはやや遠く感じられるが、助手席からも手が届きやすい。安全のため、走行中にドライバーが操作することは前提とされていないのだ。操作としては好みが分かれるだろうが、その思想には個人的に賛同したい。

スイッチやレバー類は一部質感が気になる

ドライブモード選択やエアコンの温度調整はダイアル式が採用されている。側面にダイヤモンドカットが施された大型のダイアルは視認性が良く、見た目にも高級感があって悪くない。

ただ回したときの感触は、やや重厚感に欠ける気がする。このあたりは個人の感覚にもよるだろう。ただ、プレミアムカテゴリーを目指すなら、よりシットリ感、重みのあるタッチとしても良かったように思う。もちろん、軽い操作感が好みの人にとっては問題ない。

カタカタと節度感のあるダイアルの操作性自体は悪くない。むしろ、楽しさを感じさせる

ウィンドウ開閉スイッチまわりなどには、カーボン調パネルが採用。こちらの質感はかなりプラスチッキー。欲をいえば、もう少し高級感を持たせて欲しかった

ユーティリティなど使い勝手をチェック

ドリンクホルダーや小物入れの使い勝手も、最近のSUVでは重視されているポイント。新型アウトランダーPHEVはもともと車内の利便性にも優れた車として定評があった。新型でも期待大だ。

前席まわりの使い勝手は標準的

前席周辺には必要十分な数、容量の小物入れやドリンクホルダーがある。USBポートやスマホのワイヤレス充電器まであって、至れり尽くせりだ。

ただグローブボックスやコンソールボックスを開けたときの質感は、樹脂剥き出しで簡素。外部から見える部分には高級感があるだけに残念な部分だが、コストを考えると許容範囲内だろう。

ドリンクホルダーは内部のツメでしっかりホールド。ただ、Lサイスのコンビニコーヒーだと、若干出し入れしにくいのが惜しい

グローブボックスの容量は少なめ。取扱説明書がブ厚すぎるのもあるが、コレだけでだいぶスペースを使われてしまっていた

センターコンソールボックスは容量たっぷり! フタを閉め、アームレストとしたときの感触も悪くない

フロントコンソールトレイは、スマートフォンを置くだけで充電できるQi対応ワイヤレス充電機能つき。最近はオプションではあるが、装備できる車種が増えている

セカンド&サードシートの使い勝手は抜群

ドリンクホルダーやスマホを置くためのスペースが、後席だけでなくサードシートにも用意されている。これが優秀! イマドキのSUVらしい配慮だろう。

後席シートバックは中央がアームレスト兼ドリンクホルダーになっている。大型なのでテーブルとしても活用できるかも

セカンドシートにはドア内側にも500mlペットボトルを入れられるポケットがある

サードシート用のドリンクホルダー。配置までよく考えられている

サードシート用のスマホ置き場。シートを格納した際には荷室の小物入れとして使える

SUVの王道として内装も進化していた

アウトランダーとしては4代目にあたる新型。日本向け仕様はPHEV専用モデルとなったことで先代よりも価格帯が上がり、インテリアのデザインや質感もそれに相応しい品質となっていることは十分に実感できた。

ダッシュボードにもクッション材が入り、柔らかな触感となっている

ドア内張にもステッチが入った合成皮革があしらわれており、高級感がある

小物入れ等の使い勝手も見事。歴代モデルで積み上げられてきた工夫が発揮されていた。限られたスペースを最大限に活用する手法は、いかにも三菱車らしいところだ。

質感も努力の跡が十分に窺える。最近の高級クロスオーバーSUVと比べると気になる点もあったが、それも決して妥協したからではない。SUVとしての使い勝手やコストを優先させた結果だろう。アウトランダーはあくまでアウトドアユース。悪路走破性まで考慮されたSUVだからだ。

[筆者:たけだ たけし/撮影:たけだ たけし]

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