2代目CR-Xには1リッターあたり100馬力を発生させるスポーティなグレードも! ライトウェイトスポーツの名車を振り返る
MōTA / 2022年3月20日 17時0分
ホンダ CR-Xは1983年〜1999年まで、3世代にわたって販売されたスポーツカーだ。 今回はFFライトウェイトスポーツを極め、1リッターあたり100馬力を発生させるVTECエンジンを搭載した2代目CR-Xを振り返る。
CR-Xは3代にわたって販売されていたFFライトウェイトスポーツ
どの世代にも「CR-X」の名は入っているが、初代が「バラードスポーツ CR-X」、2代目が「CR-X」、3代目が「CR-X デルソル」と車種名が異なるのが特徴だ。初代の車名にあるバラードはホンダ シビックの兄弟車にあたるモデルで、バラードの派生車種としてCR-Xが登場したという経緯がある。しかしバラードが生産終了してしまったため、2代目以降はバラードの名が消え、CR-Xが車名となった。
その後、1987年に2代目へモデルチェンジを果たしたホンダ CR-Xは、初代のバラードスポーツ CR-Xで確立したFFライトウェイトスポーツを進化させ、よりスポーティなスタイルと走行性能を手に入れている。ボディサイズは全長3800mm×全幅1675mm×全高1270mmと、コンパクトで全高がかなり抑えられているのがわかる。グレードは3種類! SiRグレードは1リッターあたり100馬力の動力性能を発揮した
3ドアのファストバックスタイルに2+2シーターのパッケージングは初代から継承しつつも、リアスポイラー下にガラスエリアを配した「エクストラウィンドウ」を採用。サイドサポートが与えられたシートを装着していることでよりスポーティなデザインに進化した。
デビュー当初は、直列4気筒1.5リッターSOHCエンジン搭載の「1.5X」と直列4気筒1.6リッターDOHCエンジン搭載の「Si」の2グレード構成だった。トランスミッションは、5速MTまたは4速ロックアップ機構付ATが組み合わされている。
1989年には、直列4気筒1.6リッターDOHC VTEC B16A型エンジンを搭載した「SiR」を追加。最高出力160馬力を発生する自然吸気エンジンは、1リッターあたり100馬力という、当時の市販車としては驚異的な動力性能を発揮する。
なお「SiR」は、5速MTのみの組み合わせで、フロントブレーキが大型化されているのも特徴のひとつで、よりスポーツを強く意識したモデルであったことがうかがえる。後継モデルがなくなってしまったこともあり、中古車価格は高騰中!
2代目CR-Xは中古車として出回っている出品台数自体それほど多くはないが、現在の中古車価格ではおおよそ128万円~358万円程度。当時の販売価格が111万6000円~165万1000円と、比較的若者にも手が届きやすい価格帯であったことを考えると、やはり希少性から価格が上がっているようだ。
初代や2代目のCR-Xのスタイルを受け継いだモデルとして2010年に登場したのが、CR-Zだ。
ハイブリッド車となったものの、6速MTをラインナップし、170馬力(MT車)を発生するVTECエンジンを搭載するなど、スポーティさを合わせ持つモデルだった。しかし、車重が100kg近く増加してしまったこともあり、ライトウェイトスポーツのコンセプトとは外れてしまったこともあり、2017年には販売を終了してしまった。その後は後継モデルが出ていないことからも、CR-Xは貴重なモデルと言えるだろう。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】
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