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エスティマにオデッセイ、MPV! 今のパパママ世代が子ども時代に慣れ親しんだ懐かしのミニバン3選

MōTA / 2022年3月29日 18時0分

トヨタ 初代エスティマ

ホンダ 新型ステップワゴンのターゲットとして子どもの頃すでにミニバンが登場、現在子育て期を迎える30〜40代の「ミニバンネイティブ世代」が挙げられた。 今回はそんなミニバンネイティブ世代が子どものころに親しんだ懐かしのミニバンを紹介したい。

トヨタ 初代エスティマ

革新的な「天才タマゴ」! トヨタ 初代エスティマ(1990年〜2000年)

1989年の第28回東京モーターショーでタマゴ型の未来的なコンセプトカーとして登場し、翌1990年にデビューしたトヨタ 初代エスティマ。ミッドシップに搭載されたエンジン、広い室内空間、ワンモーションで描かれるシルエットなど何もかもが斬新だった初代エスティマは、まさにキャッチコピーの「天才タマゴ」を体現していた。

トヨタ 初代エスティマ

重量物であるエンジンは、車体中央の床下のミッドシップに搭載されているが、右に75度も傾けて縦置きとした。ミッドシップならではの優れた操縦性を実現しながら、キャブオーバー型の弱点であった室内の狭さや実用性の低さを克服したパッケージングが「天才タマゴ」と呼ばれる由縁だ。

現在では一般化してきているが、全幅が1800mmあったことから当時日本で使うには大きすぎるという声があがり、5ナンバー規格に収めたエスティマ ルシーダ/エスティマ エミーナを1992年に追加設定。2.2リッターのディーゼルターボエンジンが搭載されヒット作となった。

トヨタ 初代エスティマ ルシーダ

1994年には、フルサイズ版エスティマのエンジンをスーパーチャージャー付きに変更しパワー不足を解消。その後、2000年まで製造販売されたが、ミッドシップレイアウトのエスティマは初代限りで終了した。

苦肉の策が大当たり! ホンダ 初代オデッセイ(1994年〜1999年)

バブル崩壊後の1990年ごろから起こった日本でのミニバンブーム。そんな中、1994年10月にデビューしたのがホンダ 初代オデッセイだ。

それまでホンダは、セダンとクーペが主力でミニバン開発の面では他社から遅れを取り、業績も悪化していた。後にそんなホンダの救世主となったのが初代オデッセイだ。

ホンダ 初代オデッセイ

当時のホンダには新規でミニバンを作る資金がなく、苦肉の策として既にあるセダンの「アコード」のプラットフォームを流用した。

ライバル車種に比べ背が低いオデッセイは、今でこそスポーティなイメージで好印象に捉えられがちだが、それも当時のホンダがミニバン用に生産ラインを設けることができず、アコードと共通の生産ラインで車高に制限があったという。

他のミニバンに比べて背の低さが際立つが、これが成功の秘訣だった

当時の経営陣の中にはスライドドアもなく、中途半端なサイズのミニバンは売れないのではないかと、最後まで市販化に懸念を示していたそうだが、蓋を開けてみれば爆発的ヒットを記録。

ネガティブ要素だったはずの背の低さは低重心で高い走行性能に、スライドドアをもたないデザインは斬新さが支持され、経営状態が苦しかったホンダの体制を立て直した1台となった。

ウォークスルーの先駆け的存在! マツダ 初代MPV(1988年〜1999年)

5代目「ルーチェ」のプラットフォームをベースに開発され、1988年に先行導入した北米市場では予想を超える大ヒットを記録。日本では1990年の1月、マツダの創立70周年を記念して販売開始されたのが初代MPVだ。

車名のMPVは“Multi Purpose Vehicle”(=多目的車)という意味がある。

マツダ 初代MPV

多人数乗車が可能なクルマでありながら、車高を低めに設定して乗り降りのしやすさを重視し、室内は1列目のシートから3列目のシートまで自由に行き来ができるスペースを確保した、まったく新しいタイプのミニバンだった。

最近ではこのウォークスルーできるタイプのモデルも増えていることから、初代MPVが果たした役割は大きいと言える。

当時のマツダ最大のエンジンである3000ccのV6エンジンがもたらす余裕のある走りと静粛性も支持され、日本国内では「新しいカテゴリーの多目的サルーン」のキャッチフレーズで好評を博した。

使い勝手もよく人気の高いモデルだった

子育て=ミニバンのイメージはいまだに残っている

ここから徐々にミニバンブームが始まり、現在では「子育て世代で選ぶクルマといえばミニバン」というほど一般にも浸透していった。しかし、このころのミニバンは斬新なものが多かったように思う。

今回紹介したモデルはいずれもすでに生産終了し、デザインのイカツさが際立つ最近のミニバン市場だが、また新しいブームが巻き起こっていくのかもしれない。

【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】

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