ついに今夏生産終了の日産シーマ! バブル期に人気絶頂だった初代シーマを振り返る
MōTA / 2022年4月4日 17時0分
日産自動車は、バブル期の高級車ブームをけん引したセダン「シーマ」の生産を今夏にも終了すると明かした。 世界的に電動車の開発が進む中、日産に限らずメーカー各社は車種統合や廃止を進めている状況だ。
シーマは長年日産の高級セダンとして君臨し続けていたが、セダンの低迷や騒音規制の問題から生産終了に
そんな中で、シーマに白羽の矢が立ってしまった。現在、販売されているシーマは最も安いグレードでも823万1300円、高いグレードで933万1300円にもなる高級セダンの代表格と言える。
SUVやコンパクトカー、軽自動車が台頭している中でセダンの販売割合はバブル期に比べて年々縮小傾向にある。さらに、シーマに搭載するエンジンは今秋から強化される騒音規制をクリアできないため、生産終了という決断に至ったようだ。初代シーマの登場当時はセダンが人気で、バブル景気から高級車もよく売れた
そんなシーマの歴史を振り返るにあたり、今回は初代シーマに焦点を当てたい。初代シーマは日本がバブル景気真っ只中の1988年、それまで人気を集めていた日産 セドリック/グロリアをベースにした3ナンバー仕様の高級車として登場した。
ボディサイズは全長4890mm×全幅1770mm×全高1380mmというピラーレスハードトップのボディに、最高出力255馬力を発生させる3.0リッターV6ターボエンジンと、最高200馬力を発生させる3.0リッターV6エンジンを用意。電子制御のエアサスペンションを搭載するなど、当時の国産車離れした乗り味にもこだわった一台だった。高級車が続々と売れる「シーマ現象」は当時のバブル景気を象徴するものだった
当時は納車までに半年以上かかることもあるなど高い人気を誇っていたが、バブル崩壊とともに徐々に販売台数は伸び悩んでしまうことになる。
しかし、数が多く出ていたからか、今でも1988年モデルは51台が中古車市場に出回っており、価格は78万円~560万円(MOTA調べ)。
当時の高級車ブームをけん引し、高級車が続々と売れる状況は「シーマ現象」と呼ばれ、1988年の流行語大賞に選ばれるなど、時代を象徴するクルマとなった。このシーマ現象は同じく日産車のローレル、セフィーロだけでなく、トヨタ ソアラ、クラウン、マークII、ホンダ レジェンドといった他社モデルなどへも波及していった。クルマの高級志向やバブル経済の勢いもあって一気に活性化され、業界全体への影響も大きかったと言える。 最近では女優の伊藤かずえさんの愛車としても知られ、昨年には日産有志が手がけるレストアプロジェクトでも注目を集めた。 そんな名車の名を引き継いだモデルがまた一つ、生産を終了してしまうことは寂しくもあるが、現在の日産はEV(電気自動車)に力を入れている。今後の新型モデルに期待したい。【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】
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