国産Cセグメントハッチバックは人気薄? レクサス CT生産終了で今後はどうなるのか
MōTA / 2022年4月9日 12時0分
レクサスのコンパクトハッチバック「CT」が2022年10月に生産終了となることが発表された。 生産終了となることを受けて特別仕様車「Cherished Touring(チェリッシュドツーリング)」が販売されている。
レクサス CTはデビューから11年が経過したレクサスのエントリーモデル
2011年、プレミアムコンパクトクラス初となるハイブリッド専用車として登場したレクサス CTは、レクサスブランドの中で最もサイズが小さく、低価格。レクサスブランドのエントリーモデルとしての役割を担っていた。
登場当初のボディサイズは全長4320mm×全幅1765mm×全高1450mm。その後、改良を経て2014年のマイナーチェンジでは全長4350mm、2017年のマイナーチェンジで全長4355mmとなっている。
パワートレインは1.8リッターエンジンにモーターとリアダクションギアを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。これはトヨタ 3代目プリウスと共通で、燃費はWLTCモードで21.3km/L〜23.9km/L。ハイブリッド専用モデルとしては、燃費は物足りなく感じるだろう。3代目プリウスと共通であることからも分かるように、外観はレクサス共通のフロントグリルなどを採用して新しく見せているが、中身が古いということは否めない。
グレードは標準グレードと装備を充実させたversion C、スポーティなF SPORT、ラグジュアリー仕様のversion Lの4種類で、それぞれ386万9000円、409万3000円、451万円、488万1000円となる。最後のCT特別仕様車チェリッシュドツーリングは随所にクリムゾンカラーを取り入れたオシャレな一台!
そして今回、中級グレードにあたるversion Cをベースとした特別仕様車「チェリッシュドツーリング」が登場した。チェリッシュドツーリングは頭文字が「CT」となり、車名に合わせていることもファンにとっては嬉しいポイントだろう。
エクステリアはフロントのグリルとフォグランプベゼル、リアバンパーベゼルにシルバーのカラーリングが施される。ボディカラーはAピラーからルーフにかけてソニックチタニウム塗装となる専用2トーンが2色、単色が4色の全6色を用意する。 インテリアは、ファブリックと合成皮革を組み合わせたシートとドアトリムに濃赤のクリムゾンとブラックの2トーンカラーを採用し、クリムゾンのステッチが入る。また、クリムゾンのステッチは本革巻きのメーターフードやステアリングホイール、フロントのセンターコンソールボックス、ニーパッドなど随所に配置し、上質さを演出した。 さらに、通常はメーカーオプションとなる自動電動格納式ドアミラーや雨滴感知式のオートフロントワイパー、ステアリングヒーターが装着される。価格は422万3000円で、2トーン塗装はプラス7万7000円のオプションとなる。レクサスブランドのラインアップも人気のSUVにシフトしつつある
さて、レクサスブランド唯一となるCセグメントのハッチバックモデルが年内にもなくなるわけだが、国産車のハッチバックはそれほど種類が豊富なわけではない。
一例を挙げると、同じCセグメントのハッチバックでは、登録車の販売ランキング上位に入るトヨタ カローラのハッチバック「カローラスポーツ」がある。先日「GR」の追加も発表されたばかりで注目度は高いが、スポーティな外観や性能から高価なモデルになりそうだ。
一方、輸入車に目を向ければ、フォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツ Aクラス、アウディ A3、プジョー 308、ルノー メガーヌなど豊富だ。海外ではCセグメントのハッチバックは一定の支持を集めていることがわかる。
ではなぜ日本では種類が少ないのか。この理由として、国産車のBセグメントハッチバック、いわゆるコンパクトカーや軽自動車の人気が挙げられる。コンパクトカーや軽自動車は広く認知され、燃費、価格競争も熾烈を極める。それゆえに注目度も高い。一方、Cセグメントは日本の道路状況に対して大きくなりすぎているというのもあるだろう。かといって大きいクルマを求める人は、SUVやミニバンなどの多人数での乗車や積載性を重視するため「走りと使い勝手」を両立するハッチバックは一部の走りを楽しみ、積載性、居住性も求めるユーザーに限られてしまう。
こうしたことから、Cセグメントハッチバックは、国内では今後セダン同様に衰退していってしまう予感もする。レクサスブランドでもUXやNX、LXなどSUVモデルが増え、人気を集めている。流行を追いかけるのはメーカーとして仕方のないことだが、ユーザーとしては選択肢を増やしてほしいところであり、できることなら電気自動車やPHEVなど電動車でのCTの復活を期待したい。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】外部リンク
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