懐かしのコンパクトハッチ3選┃5代目ファミリアや初代マーチ、2代目シャレードなど走りが魅力なモデルを紹介
MōTA / 2022年4月16日 10時0分
トヨタ ヤリスにホンダ フィット、日産 ノートといった新型コンパクトハッチが賑わう昨今だが、同カテゴリーが今以上に輝いていた時代があった。ここでは、そんな懐かしのコンパクトハッチバック3選をお届けする。
マツダ 5代目ファミリア(1980年-1985年)
最初に紹介するのは、1980年にフルモデルチェンジをして5代目となったマツダ ファミリア。新開発の前輪駆動プラットフォームを採用した5代目ファミリアのデザインは、直線と面で構成されたプレーンなスタイル。ボディバリエーションは、3ドア・5ドアハッチバックと4ドアセダンが用意された。
搭載されるエンジンは、直列4気筒1.3L SOHCエンジンと直列4気筒1.5L SOHCで、トランスミッションに4速MT・5速MT、1.5Lモデルにトルコン式3速ATも用意された。1983年のマイナーチェンジでは、直列4気筒1.5L EGI(電子制御燃料噴射)が追加され、さらに直列4気筒1.5L EGIターボエンジンも追加。115馬力を発生させるターボエンジンと軽量なボディが生み出す「XGターボ」や「XG-R」の走りは、和製ゴルフGTiといえるほどの実力を持つ。
また、5代目ファミリアは、赤のボディカラーが圧倒的な人気を得ていたことも特徴的なポイント。男女問わず赤のファミリアを求め、ルーフキャリアを取り付け、カーコンポで音楽を聴きながら、サーフィンやスキーに出かける若者が続出。「陸(おか)サーファー」という流行語も誕生した。
日産 初代マーチ(1982年-1992年)
続いて紹介するのは、1982年にマッチの愛称で知られる近藤真彦さんがイメージキャラクターに起用され「マッチのマーチ」のキャッチコピーでデビューした日産 初代マーチ(K10型)。扱いやすいコンパクトサイズ、大人4人が快適に乗車できる居住性、合理的なパッケージングが特徴で、カーデザインの巨匠ジウジアーロ氏が基本デザインを手掛けている。登場後は、当時のライバルであるトヨタ スターレットとコンパクトカーの覇権争いを繰り広げ、日本のコンパクトカーを牽引した。
初代マーチはその後、多くの派生車を誕生させ、後のパイクカーブームの火付け役にもなった。Be-1、パオ、フィガロといった人気パイクカーはいずれも初代マーチから派生した車種。 また、軽量でコンパクトな車体を活かし、レースのベース車両(主にラリー)として、さらに、ターボとスーパーチャージャーという2種類の過給機を搭載した「スーパーターボ」など、まさに変幻自在に姿を変え、およそ10年間に渡り販売が行われた。ダイハツ 2代目シャレード(1983年-1987年)
最後に紹介するのは、1983年1月に登場したダイハツ 2代目シャレード。「5平米カー」のキャッチフレーズで大ヒット作となった初代モデルからパッケージングの改善により居住性が一段と向上した他、ディーゼル車やガソリンターボ車が追加されるなど、バリエーションの拡大が図られたモデルだ。
スタイリングはストレート基調の端正な2ボックスで、標準ルーフのほか、背を35mm高くしたドルフィントップも設定。初代同様の5ドアハッチバックの他、3ドアハッチバック、同ボディを流用した3ドアバンが用意された。
2代目シャレード最大の特徴はそのパワーユニット。直列3気筒SOHCで排気量993ccのガソリンエンジンのほか、ガソリンターボ、世界最小のディーゼルエンジンなどが用意された。ガソリンターボモデルでは、イタリアのデ・トマソが監修したモデルのシャレード・デ・トマソ・ターボも設定された。ディーゼルエンジンでは最高出力38ps/最大トルク6.3kgmを発生し、「ロックン・ディーゼル」のキャッチフレーズで人気を博した。ここまで3台の懐かしいコンパクトハッチバックを紹介してきた。現在では、一部でスポーティなモデルは存在するものの、大半がハイブリッドモデルなど特にエコカーとしての側面が強いコンパクトハッチバックだが、今回紹介してきたような楽しいクルマの登場にも期待したいところだ。
[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]
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