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90年代に登場したトヨタ懐かしのセダン3選┃初代セルシオにマジェスタ、アリストを紹介

MōTA / 2022年4月23日 10時0分

トヨタ セルシオ 初代 XF10型(1989年-1994年)

現行型となる15代目が2018年に登場して4年、次期型はSUV化の噂もあるトヨタの代名詞的セダンのクラウン。今や貴重なセダンモデルは今後どうなるのか? ここでは新型登場を前にこれまで登場したトヨタの懐かしのセダンを3台振り返る。

トヨタ セルシオ 初代 XF10型(1989年-1994年)

トヨタ 初代セルシオ(1989年-1994年)

最初に紹介するのは、1989年10月に登場した初代セルシオ。元々は、北米で立ち上げたプレミアム・チャンネル「レクサス」のフラッグシップモデル「LS」で、それを日本で発売する際に与えられたネーミングがセルシオ。ラテン語で「至上、最高」の意味がある。

初代セルシオは、当時現行型だった130系クラウン(8代目)を超える高級セダンとしてデビューし、エンジン、足まわりなどに最新技術を惜しみなく投入。

エンジンには、水が大量に注がれたワイングラスをボンネットにおいてもこぼれないほど振動が少ない、4.0L V8 1UZ-FE型エンジンが搭載されていた。

インテリアでも「ノイズ/バイブレーション/ハーシュネス」を極限まで抑え、究極の快適性が追求されているほか、ウォールナット材を使ったシフトパネル、上質な座り心地を提供するシートなど、贅を尽くした装備が与えられ、日本車として初めて自発光式メーターを採用した。

それらを支える超高品質な生産精度は海外の高級車メーカーの度肝を抜き、こぞって研究用に購入したという逸話が残されている。初代セルシオは、高級車の新たな世界基準を作り上げた1台と言える存在だ。

トヨタ 初代クラウンマジェスタ(1991年-1995年)

続いて紹介するのは、1991年にクラウンとセルシオの中間ポジションとして誕生した初代クラウンマジェスタ。

角が丸く、落ち着きと威厳のあるスタイリングと4ドアのハードトップが特徴の初代クラウンマジェスタは「威厳のある、荘厳な、堂々とした」を意味する「MAJESTIC」がその名の由来。

ボディは、9代目クラウン(全長4800×全幅 1750×全高1440mm、ホイールベース2730mm)よりも全長を100mm、全幅を50mm、そしてホイールベースを50mm延長。それまでクラウンの伝統であったフレーム構造から、新開発のフルモノコックボディを採用し、後述するスポーツセダン「アリスト」とシャーシを共有する。

エンジンは、初代セルシオと共通の4.0L V8エンジンとクラウンにも採用された新開発の3.0L 直列6気筒エンジンを設定。サスペンションに四輪ダブルウィッシュボーン式電子制御エアサスペンションとし、新開発の防振サブフレームと組み合わせ、上質な乗り心地を実現した。

初代LS(初代セルシオ)が、当時北米向け高級ブランドのフラッグシップセダンとして登場したのに対し、クラウンは日本の風土や環境、さらに日本人のための高級車に位置付けられており、その中でも初代クラウンマジェスタは「トップ・オブ・クラウン」として、日本ユーザーを一番に考えたクラウンブランドの最高峰モデルとして君臨した。

トヨタ 初代アリスト(1991年-1997年)

最後に紹介するのは、1991年に登場した初代アリスト。

初代クラウンマジェスタの兄弟車に当たるモデルで、シャーシ、パワートレーンなどの多くを共用している。

初代クラウンマジェスタが「日本らしい高級車を突き詰めた」のに対して、初代アリストは欧州の高級車もターゲットにした高性能4ドアセダンというキャラクターが与えられていた。それは、ゴージャスなイメージで4ドアピラーレスハードトップとした初代クラウンマジェスタに対し、初代アリストは極めてシンプルなデザインを採用していたことからも分かる。

高級車としては珍しいほどのメッキ類の少なさだったが、余計な線を持たない美しい面構成のボディが採用されており、これをデザインしたのはイタリアのイタルデザイン。

初代フォルクスワーゲン ゴルフ、アルファロメオ アルフェッタGT、いすゞ 117クーペなど数多くの名車をデザインした、カーデザイナーの巨匠ジウジアーロ氏が興したデザイン会社だ。

当時のイタルのデザイン傾向を見事に取り入れたデザインながら、ハイパワー版では3リッターのツインターボで280psを発生する名機「2JZ−GTE」エンジンを搭載。パワフルでエレガントなクルマとして、コアな人気を博した。

ここまで3台のトヨタの懐かしのセダンを紹介してきた。昨年2021年には新型クラウンはSUV化するという話も飛び交ったが、また一つ歴史あるセダンが消滅してしまうのか? 今後の展開に注目だ。

[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]

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