メルセデス・ベンツ EQSのスケールダウン版「新型EQE」は最大660kmの航続距離が魅力! しかし後席やラゲッジの狭さなど気になる点も
MōTA / 2022年5月1日 17時0分
BEV専用プラットフォームを共用した新型EQEが欧州で発表された。メディア向けの試乗会に参加したジャーナリストの竹花寿実さんが新型モデルのデザインなどの外装や内装、スペックなどについて解説していく。
日本で発売される予定なのは後輪駆動モデルの新型EQE 350+だ
2021年に登場したメルセデス・ベンツのEQSは、従来のラインアップに照らし合わせれば、メルセデスEQモデルにおけるSクラスに相当するラグジュアリーサルーンである。
幸いにも7月にスイス・チューリッヒで行われた国際試乗会に参加することができ、実際にEQSの走りを体験したのだが、メルセデス・ベンツがBEVにおいても「最善か無か」の哲学に沿ったクルマ作りをしていると感心させられた。
そのEQSとBEV専用プラットフォームを共用した新型EQEも、EQSの出来映えを鑑みれば相当に良いはず。そんな期待を胸に、国際試乗会が行われたドイツ・フランクフルトへ飛んだ。
フランクフルト市内を起点に行われた試乗会に用意されたテストカーは、新型EQE 350+と新型EQE 500 4MATICの2モデル。今回は日本市場への導入が予定されている後輪駆動モデルの新型EQE 350+を中心に試乗した。
新型EQEは、そのルックスからも想像できるとおり、昨年登場したEQSをスケールダウンしたようなモデルである。プラットフォームもメルセデスEQの大型電気自動車用プラットフォームである「EVA2」を共用している。全長4946mm、全幅1961mm、全高1512mmのボディは、EQSより270mm短く、ホイールベースも90mm短い3120mmとなっているが、「ワンボウ(ひと張りの弓)」と呼ばれるワンモーションフォルムや、ブラックパネルのフロントフェイスはEQSと同様のイメージでまとめられている。
EQSと比べるとリアシートは狭く、リクライニング機能もない
EQSと異なるのは、リアシートにリクライニング機能がない点と、ラゲッジがハッチバックではなく独立トランクとなっている点だ。これは全長4935mmの現行Eクラス(W213)と全長を同等にしたうえで、後席ヘッドルームの確保やエアロダイナミクスなどの要件とすり合わせた結果である。
とはいえリアシートは、それほど広いわけではない。3mを軽く超えるホイールベースもあって、前後の余裕は申し分ないが、座面は深く掘り下げられていながら、身長180cm以上の人には頭上の余裕はない。
アッパーミドルサイズセダンとしては小さいラゲッジ
またラゲッジも容量430Lと、アッパーミドルクラスのセダンとしては小さめである。この点については、メルセデスEQの開発を統括するDr.シャラム・ハミ=ノバリも、妥協があったことを認めていた。
だがその結果、新型EQEはCd値0.22という優れたエアロダイナミクスを獲得した。新型EQEはフロア下のホイールベース間に90kWhの容量を持つ大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、350+はWLTPモードで最大660kmの航続距離を実現している。 新型EQEの優れた空力性能は、このロングレンジに大きく貢献しているのである。今回はEQEの外観や内装、スペックについて触れた。次回はいよいよ気になる走りをレポートしよう。
【筆者:竹花 寿実】
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