ホンダ 新型ステップワゴンは車両感覚が掴みやすいデザインが特徴! 後席の乗り心地や静粛性も歴代トップクラスだ
MōTA / 2022年5月26日 11時30分
2022年1月、ホンダ ステップワゴンが7年ぶりにフルモデルチェンジし、発表された。 今回、新型ステップワゴンをテストコースにて試乗する機会を得た。改めて新型ステップワゴンのデザインをはじめ走りの質感、そして乗り心地についてジャーナリストの岡本幸一郎さんがレポートする。
シンプルなデザインが特徴の新型ステップワゴン
外観、グレード、インテリア
2015年に登場したひとつ前の5代目ステップワゴンは、個性的なスタイリングや独創的な「わくわくゲート」など、なかなか特徴的なミニバンだったが、むしろそのあたりを敬遠する人も少なくなく、販売的にはふるわなかったのは否めない。
それもあって、6代目となる新型ステップワゴンは原点回帰を図り、よりシンプルな装いに一新した。グランドコンセプトである「#素敵な暮らし」を体現するかのような、安心と自由を表現したというスタイリングは、ひとあし先にモデルチェンジした競合車が、押し出しをさらに強めてきたのとは対照的だ。
新型ステップワゴンでは、シンプル&クリーンさを訴求するベーシック版も、ひとつの個性としてキャラを立てるべく新たに「エア」と名づけられ、これまでもイメージリーダーとなっていた「スパーダ」には、さらに「プレミアムライン」が設定されるなど、車種体系にも変化があった。 インパネパッドやシート素材も、「エア」がファブテクトにリラックスファブリック、ダークトーンの「スパーダ」はプライムスムースにファブテクト、同「プレミアムライン」はスエードにライムスムースとスエードのコンビと、それぞれ差別化されている。 肯定派には便利だと好評だった「わくわくゲート」が廃止されたのを惜しむ声も小さくないようだが、ステップワゴンならではの特徴である床下格納が可能な3列目シートは受け継いでいる。これは跳ね上げ式を採用する競合車や弟分のホンダ フリードとの大きな違いでもある。新型はテールゲートが電動開閉できるようになったのは歓迎だ。新型ステップワゴンを市街地風のテストコースで試乗! 車両感覚が掴みやすい形状で運転しやすい
試乗
そんな新型ステップワゴンは、ホンダのテストコース内に用意された上限60km/h程度の市街地を模したコースを軽く走っただけでも、その進化のほどが小さくないことがうかがえた。
ウレタンの厚さを23mm、密度を27%増としたボディースタビライジングシートを配した着座感のよい運転席に座ると、広々としていて死角が小さい上に、ワイパーなど目障りになりそうなものが見えなくされていてスッキリとしている。 水平・直線基調の視界や絶妙なボンネット形状により車両感覚も掴みやすい。目の前には大画面ディスプレイが並ぶのもイマドキの最新モデルらしい。デジタルグラフィックメーターの視認性もよく、ステアリングスイッチと連動した操作もできる。 まず本命のe:HEVからドライブ。新たにクランクの剛性向上やギア歯幅の拡大、冷却技術の向上によるEGR(排気ガス再循環装置)導入量の増大などを図ったというエンジンは、よりスムースで静かな走りを実現している。加減速時のリニアリティも格段に向上し、操作したとおりに反応してくれるので、とても乗りやすい。ブレーキフィールの違和感もほぼない。一方のガソリンも走りの滑らかさが向上していることがうかがえた。 乗り心地の印象も明らかに違って、従来型で見受けられた微振動や突き上げが新型ステップワゴンではだいぶ払拭されたように感じられた。聞けばそれにも理由がある。プラットフォームは従来のものを大幅に改良しており、サイドシル断面の大型化やスライドドア開口部に構造用接着剤を用いるなどして高い剛性を確保し、振動の抑制を図ったほか、リアサスペンションの取り付け部に補強を施すことでスムースな動きを実現。さらに、トレッドの拡大により基本素性としてロールしにくくなったことに合わせて、サスペンションを硬くせずにすむようになったのだという。
電動パワステの制御についても戻る側をやや重くするなど、より自然な操舵フィールを実現すべく見直したことや独自のアジャイルハンドリングアシストが効いて、より動きに一体感があり、修正舵を要しなくなっているように感じられた。最小回転半径もクラストップの5.4m(17インチ車は5.7m)と小さく、実際にUターンを試しても本当に小回りが利くことにも驚いた。新型ステップワゴンの静粛性の高さは歴代でも最高レベル! 3列目は乗り心地をより向上させた
後席の乗り心地
運転を交代して後席にも乗ってみた。パワースライドドアは静電タッチ式の採用により、触れるだけで開閉できるようになり、車内にも上下シーソー式スイッチが採用されたおかげで、より乗降しやすくなったのもありがたい。
全幅の拡大は車内空間の広さにも効いていて、2列目、3列目とも余裕が増したように感じられた。ヒップポイントの高さも従来よりも高められ、1列目に対して2列目が40mm、3列目が90mm高くされているおかげで見晴らしもよい。ベルトラインを水平にするなど、乗り物酔いしにくいように後席の視界についても工夫したというが、今回の限られた試乗でも狙ったところはうかがえた。いずれ長距離をドライブしてぜひその真価を試してみたいと思う。 2列目のキャプテンシートが前後だけでなく左右にも自在にスライドできるようになったのも重宝しそうだ。座り心地も申し分なく、オットマン付きも選べるなど、このクラスでここまできたかと思わずにいられないほどだ。フロアがバッテリーの搭載により1列目の下あたりが盛り上がっているのも、2列目の乗員にとっては足を置くのにちょうどよい。 3列目はシート自体のサイズの拡大とクッションの厚みが増したことや、足まわりの改良などが効いて、乗り心地がよくなっているのは明らか。静粛性が高いおかげで、1列目と3列目でも無理なく会話ができる。マイクで声を拾う機能もオプションで付けられるのだが、なくても問題ないほどだ。 一方、福祉車両についても、かねてより聞かれた要望の声に応じて、車いす仕様車とサイドリフトアップシート車が、直噴ターボのスパーダをベースに設定されたのも新型のポイントだ。これによりステップワゴンならでは優れた使い勝手を、ベース車と変わらないスタイリッシュな外観とともに享受することができる。 安全運転支援システムについても、従来型に対して新たな機能をいくつも追加したり、既存の多くの機能についても性能向上を図るなど、大幅に向上している。「#素敵な暮らし」のグランドコンセプトに則して全方位にわたり進化をとげた新型ステップワゴンは、日常生活の場においても、その恩恵を使うほどに実感できることに違いない。
【筆者:岡本 幸一郎】外部リンク
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