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【2022年】トヨタ 新型クラウン徹底解説┃新型ではSUVなど4種類のボディタイプを展開! パワートレインには2種類のHVを設定し駆動方式には4WD採用へ

MōTA / 2022年7月22日 11時0分

トヨタ 新型クラウン(クロスオーバー)

トヨタは2022年7月15日(金)、16代目となる新型クラウンを発表しました。新型クラウンではこれまでのセダンだけでなく、流行りのSUVタイプなどを含めた4種類のボディタイプを展開。 今回は、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが新型クラウンの価格やスペック、内外装のデザインについて詳しく解説します。

トヨタ 新型クラウン

フルモデルチェンジの新型クラウンは4種類のボディタイプを用意! 流行りのSUVタイプなどが登場

国内で売られるクルマの種類は多く、日本車だけでも150車種前後に達します。この中でも、特に歴史の長い車種がトヨタ クラウンです。初代モデルは1955年に発売され、既に67年が経過しました。

このクラウンが2022年7月15日にフルモデルチェンジを受けて、16代目になりました。その内容は先代型の15代目とは大幅に異なります。近年のクラウンは、先代型を含めてセダンのみを用意しましたが、新型クラウンには4種類のボディがあります。

新型クラウンのボディタイプは4種類。左から「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」

ボディタイプは、クロスオーバー、スポーツ、エステート、セダンというもので、セダン以外は大径タイヤを装着して天井を高めたSUV風の車種です。ヤリスやカローラのように、複数のタイプを用意してシリーズ化されています。

もともと先代クラウンは、マイナーチェンジを予定していました。それが豊田章男社長の発案でフルモデルチェンジに変更され、2年半という短い期間で新型クラウンの開発を進めました。

従って2022年7月に発表された新型クラウンは2022年秋頃よりクロスオーバーから発売がスタートします。ほかの3タイプは、現在開発を進めており、これから約1年半を費やして順次投入されます。

新型クラウンの外装┃クロスオーバーになっても快適性を継承

新型クラウンクロスオーバー

新発売された新型クラウンクロスオーバーは、大径の18〜21インチタイヤを装着して、外観をSUV風に仕上げています。ただしボディの後部に大きなリヤゲートを備えたハリアーやRAV4のようなデザインではありません。ボディの後部に独立したトランクスペースを設けたセダンスタイルです。

新型クラウンクロスオーバーのトランク

新型クラウンクロスオーバーのトランク容量は450Lを確保しましたが、後席を倒して、トランクスペースの面積を広げる機能はありません。後席のセンターアームレストを倒すと、一部だけトランクスペースと繋がり、細長い荷物を積めるだけです。自転車のような大きな荷物の積載には適しません。

新型クラウンクロスオーバー

クロスオーバーなのに、このようなボディスタイルにした理由を開発者に尋ねると「ボディ剛性を向上させてノイズを抑えるため」とコメントしています。セダンスタイルなら後席とトランクスペースの間に骨格や隔壁があり、ボディ剛性を高めやすいのです。そうすれば走行安定性や乗り心地を向上できます。また後席の後ろ側の隔壁は、後輪が路上を転がる時に発するノイズを遮断してくれます。このクルマ造りは、クロスオーバーになっても、クラウンの快適性を継承するものです。

新型クラウンクロスオーバーのボディサイズ┃サイズアップも取りまわし性は向上

新型クラウンクロスオーバーのボディサイズは、全長が4930mm、全幅は1840mm、全高は1540mmです。先代型は全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mmだったので、全幅が40mm拡大されました。

このサイズアップは、街中の取りまわし性を悪化させるので、新型クラウンクロスオーバーは後輪操舵のDRS(ダイナミックリアステアリング)を全車に標準装着しました。そのDRSのおかげで低速域では後輪が前輪とは逆方向に操舵され、小回りの利きを向上させます。最小回転半径は5.4mなので、先代クラウンの5.3〜5.7mに比べて同等かさらに優れています。開発者は「DRSが装着されないと最小回転半径は5.8m前後に達します」と述べました。

高速域になるとDRSは後輪を前輪と同じ方向に操舵して走行安定性を向上させます。全高も1540mmに達しますが、立体駐車場の利用性に配慮して1550mmは超えていません。

新型クラウンクロスオーバーの内装┃雰囲気は先代に比べ渋め! 後席足元空間は同程度

新型クラウンクロスオーバーのインパネ

新型クラウンクロスオーバーの内装は、インパネは水平基調のデザインで、エアコンのスイッチは比較的高い位置に装着されており使いやすいです。内装の質感に不満はないですが、特に上質な印象も受けません。先代クラウンに比べると、メッキパーツの使用を控えて、少し渋い雰囲気に仕上げました。

天井を後ろに向けて下降させたので、後席に座ると腰が少し落ち込みます。それでも足元空間は広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕があります。この広さは先代型と同等です。

乗降性は、前席はスムーズですが、後席はドアの開口部が下側へ下がっているため、乗降時にも頭を下げます。着座位置が低めで、腰の上下移動量も大きいです。先代クラウンから乗り替える時は、乗降性に注意しましょう。

新型クラウンクロスオーバーでは駆動方式を伝統的なFRから全車4WDシステム採用へ

新型クラウンクロスオーバーの注目点に、駆動方式の変更があります。前輪駆動のプラットフォームを使った上で、4WDシステムを全車に搭載しています。

過去を振り返ると、初代から先代型までのクラウンは、60年以上にわたって後輪駆動(FR)でした。前後輪の重量配分が優れ、操舵は前輪、駆動は後輪と役割を分担することで、駆動力の増減が操舵感に与える影響を小さく抑えられるためです。

走行安定性などの実用性は、前輪駆動でも問題ありませんが、運転感覚にこだわると、今でも駆動方式による違いは残ります。そのためにメルセデス・ベンツやBMWは、中級から上級車種に後輪駆動の採用を続けています。

GA-Kプラットフォーム

新型クラウンクロスオーバーが長年の伝統を破って前輪駆動のプラットフォームに変更した理由は、主に開発と生産の合理化です。新型クラウンクロスオーバーのプラットフォームは、GA-Kと呼ばれるタイプで、カムリ、RAV4、ハリアーなどに幅広く使われています。

これらの内で、新型クラウンクロスオーバーに最も近い車種はレクサス RXです。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2850mmで等しいです。開発者は「GA-Kプラットフォームは多くの車種が採用するため、いろいろな機能やメカニズムを共通化して、幅広く活用することが可能です」と述べました。

しかし前輪駆動にすることで、後輪駆動をベースにしていた先代クラウンと比べて、走行安定性を下げることはできません。そこで新型クラウンクロスオーバーは、前述の通り4WDを全車に搭載しました。後輪操舵のDRSも併用することで、優れた走行安定性を達成したわけです。

新型クラウンクロスオーバーのパワートレインには2種類のハイブリッドを設定

2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム, 2.5Lハイブリッドシステム

2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム, 2.5Lハイブリッドシステム

新型クラウンクロスオーバーのパワーユニットはハイブリッド(HV)のみです。組み合わせるエンジンは、直列4気筒2.5Lと、2.4Lターボです。エンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は、2.5Lが234馬力、RSが搭載する2.4Lターボは349馬力と強力です。WLTCモード燃費は、2.5Lが22.4km/L、2.4Lターボは動力性能を高めた影響もあり15.7km/Lまで下がります。

新型クラウンクロスオーバーの先進安全装備・運転支援技術

新型クラウンの安全装備の要となるカメラ

新型クラウンクロスオーバーでは、先進の安全装備や運転支援機能も充実させました。ただし高速道路上の渋滞時に、ステアリングホイールから手を離しても運転支援が続くアドバンストドライブ、スマートフォンを使って車庫入れが可能なリモート機能付きのアドバンストパークは、上級のRSのみにオプション設定されます。ノア&ヴォクシーでは、同様の装備が最廉価のXを除いた全車にオプション設定されているので、上級車種の新型クラウンクロスオーバーとしては、設定グレードを拡大する必要があると考えます。

新型クラウンクロスオーバーのグレード・価格構成┃買い得グレードは「Gアドバンス」

新型クラウンクロスオーバーのグレード構成は、2.5Lが5種類、2.4Lターボは2種類です。装備の違いを補正すると、2.4Lターボの価格は2.5Lに比べて57万円程高いです。機能と価格のバランスを考えると2.5Lが買い得です。

そこでベストグレードになるのはGアドバンス(510万円)です。ハンズフリーパワートランクリッドなど人気の装備を標準装着して、価格は妥当です。

なおアドバンス以外のグレードは、2023年1月以降の生産開始となっており、納期が大幅に遅れます。販売店によると「アドバンスの場合、納車は既に契約された一番早いお客様が2022年9月頃になります。試乗車も9月頃には入ります」とのこと。今は納期が長いので、クロスオーバーに限らず、新型クラウンの商談は早めに開始しましょう。

[筆者:渡辺 陽一郎 撮影:望月 達也(MOTA編集部)/トヨタ自動車]

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