【2022年】トヨタ 新型シエンタは車中泊にもぴったりなシートアレンジの豊富さが魅力! 買い得グレードは中間のGだが早く欲しいなら最上級のZを選ぶべきだ
MōTA / 2022年9月24日 11時0分
トヨタは2022年8月23日(火)、3代目となる新型シエンタを発売しました。新型シエンタは淘汰されつつあるミニバン市場の中でも扱いやすい5ナンバーサイズを維持しながら、2列目シートの居住性をさらに向上。外観は様々なシーンで気兼ねなく使えるツール感溢れたデザインとなっています。 新型シエンタの価格やスペック、内外装のデザイン、おすすめグレードについてカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
新型シエンタは今や貴重な5ナンバーサイズミニバン
最近はSUVの売れ行きが急増して、3列シートのミニバンは以前に比べて下降気味です。Lサイズのホンダ オデッセイやトヨタ エスティマ、ミドルサイズのトヨタ アイシス、マツダ プレマシー、マツダ ビアンテなどは廃止されました。そしてミニバンの新規投入はほとんど行われていません。
それでもミニバンの人気は根強く、小型/普通乗用車の内、約20%を占めています。車種を減らし、少数精鋭で頑張っています。
特に注目されるミニバンがトヨタ シエンタです。
新型シエンタのエンジン
新型シエンタの一番の特徴は、パワーユニット(動力を生じさせる装置)とプラットフォームの刷新です。パワーユニットはトヨタ ヤリスなどと共通で、直列3気筒1.5Lと、1.5Lハイブリッドを用意します。プラットフォームは、前側はヤリスなどと同じ「GA-B」で、後ろ側はスライドドアと薄型燃料タンクを備える先代型と同様の形状にしました。
新型シエンタの外観デザイン・ボディサイズ
新型シエンタの外観は開発者によると「初代モデルへの回帰を意識した」とのことです。初代シエンタはサイドウインドウの下端を低く抑え、視界の優れた運転しやすいミニバンでした。それが2代目の先代型では、ワゴン風の個性的なデザインを重視して、視界が少し悪化しました。
新型シエンタのボディサイズは全長が4260mm、全幅は1695mmですから、先代型と同じです。最小回転半径は、先代型が5.2m、新型は5.0mですから、小回りの利きが向上しました。先代型以上に運転がしやすくなっています。
新型シエンタの内装、シート
新型シエンタの内装の造りもコンパクトミニバンでは満足できます。最上級グレードのZを選ぶと、インパネの上面にファブリックの生地が巻かれて質感を高めました。
新型シエンタには2列シートの5人乗りと3列の7人乗りがあります。居住性は売れ筋の7人乗りでチェックしましょう。
3列目は背もたれと座面が短く、座り心地は良くありませんが、片道1時間程度なら大人の多人数乗車も可能です。
新型シエンタの荷室(ラゲッジ)空間、乗降性
新型シエンタは薄型燃料タンクを採用したことで、床から荷室床面までの高さは低いです。7人乗りは505mm、5人乗りでも565mmですから、重い荷物を積む時に、高い位置まで持ち上げる必要はありません。自転車も積みやすいです。
新型シエンタの走行性能
次は新型シエンタの運転感覚を確認します。まずはノーマルエンジンです。新型シエンタの車両重量はノーマルエンジンでも1300kg前後に達するため、少々パワー不足ですが、実用回転域の駆動力に重点を置いたから運転しやすいです。
ノーマルエンジンは4500回転付近から速度の上昇が活発になりますが、この時には3気筒特有の少し粗いノイズも聞こえます。6500回転付近に達すると、無段変速ATのCVTなのに、有段式のようにエンジン回転が上下しながら速度を高めます。CVTらしさを抑える演出ですが、実用的な意味は乏しいです。
新型シエンタの乗り心地は、時速50km以下では硬めに感じます。特にノーマルエンジン車は硬さを意識させ、ハイブリッドは少し柔軟です。
新型シエンタの価格、グレード選び、装備、現在の納期状況
新型シエンタの装備は充実しており、衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動的に維持できる運転支援機能は、すべてのグレードに標準装着しました。その上で、ノーマルエンジン、ハイブリッドともにX、G、Zの3グレードを用意しています。
新型シエンタのグレードを選ぶ時は、まずノーマルエンジンとハイブリッドを選択します。4WDはハイブリッドだけですが、2WDでは両方を選べます。
新型シエンタのグレードは、機能と価格のバランスを考えると、中級のGが割安です。つまりハイブリッドで7人乗りのG(269万円/2WD)を選び、必要な装備をオプションで加えるのが、最もトクする選び方です。
ただし今は納期が長く、GやXに特定のオプションを加えると、生産開始が2023年の4月以降になります。販売店によると「2022年9月に注文した場合、納車されるのは2023年7月頃」という話で、納期が長すぎます。
そうなると現時点で実質的に選べるグレードは、オプションを加えても生産開始が遅れないZです。販売店では「Zの納期はノーマルエンジンが3か月、ハイブリッドでも5か月」ですから現実的です。ハイブリッドで7人乗りのZ(291万円/2WD)を検討しましょう。予算が超過する時は、ノーマルエンジンのZ(256万円)です。
新型シエンタのライバル
なお過去の売れ行きを振り返ると、シエンタはライバル車のフリードに負けていました。2017年の登録台数はフリードが多く、2018年と2019年はシエンタが上まわりましたが、2020年以降はフリードに抜き返されました。
新型シエンタはフリードよりも多く売られる可能性が高いですが、シエンタの2列目シートはベンチタイプだけです。その点でフリードならセパレートシート(キャプテンシート)も選べます。またフリードは4気筒なので、ノイズの質も異なります。フリードのメリットもありますから、両車を比べて選ぶと良いでしょう。
外部リンク
- トヨタ 新型シエンタが発売! 5ナンバーサイズを維持しながら室内の快適性が向上、外観はツール感溢れるデザインに┃発売価格は195万円から【2022年】
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