ホンダ 新型フィットRS徹底解説┃復活したRSは内外装や各種のメカニズムを充実させつつ、価格を抑えたフィットの新しい買い得グレード【2022年】
MōTA / 2022年10月29日 10時0分
2022年10月にマイナーチェンジをしたホンダ フィット。新型フィットでは、一部デザインの修正が行われたほか、ハイブリッドモデルの走行性能が向上しています。そして何と言っても走りの質にこだわった「RS(アールエス)」が新設定されたのが注目です。そんな注目の新型フィットRSについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
ホンダ 新型フィットRSの復活で国内販売の状況打破を目指す
そのためにN-BOXの販売は、いろいろな影響を与えています。まずホンダのブランドイメージが小さな車種に偏り、ミドルサイズ以上が売りにくくなりました。オデッセイ、CR-V、レジェンドなどは国内販売を既に終えています。新型ステップワゴンの売れ行きも、N-BOXの登場前に比べると減っています。
2つ目の大きな影響はフィットに生じています。フィットはコンパクトカーの主力車種で、かつては国内販売の年間1位になったこともありますが、今は伸び悩んでいます。フィットの売れ筋価格帯はN-BOXと重複しており、顧客を奪われているからです。
このような事情を踏まえて、フィットは2022年10月にマイナーチェンジを実施しました。1番の注目点はフィットRSの復活です。以前のフィットは、ネスというスポーティグレードを用意していましたが、人気が得られずRSに戻しました。
ホンダ 新型フィットRSのボディサイズ、外観・デザイン
新型フィットRSのボディカラーは、新色のスレートグレー・パールを含む全6色展開となっています。
新型フィットRSの設定は、今のところe:HEVのみですが、2022年11月10日にはガソリンエンジンを搭載したモデルも発表されます。ただし以前のRSと違って、新型フィットRSでは6速MT(マニュアルトランスミッション)は用意されません。CVT(無段変速AT)のみとなります。
ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの価格
新型フィットの改良点┃e:HEVのモーター最高出力をアップ
今回のフィットの改良では、すべてのe:HEVについて、モーターの最高出力を従来の98馬力から123馬力に向上させました(最大トルクは25.8kg-mで以前と同じです)。ノーマルエンジンも、従来の排気量は1.3Lでしたが、マイナーチェンジ後の新型フィットは1.5Lです。開発者は「以前の1.3Lエンジンは、e:HEVに比べて動力性能が低く、お客様からも不満の声が聞かれました。そこで新型フィットでは1.5Lに拡大しました」と説明しています。
1.5Lノーマルエンジンの最高出力は118馬力(6600回転)、最大トルクは14.5kg-m(4300回転)です。以前の1.3Lは98馬力(6000回転)・12kg-m(5000回転)だったので、動力性能が約1.2倍に増強されました。その代わりWLTCモード燃費は、1.3Lのホームは20.2km/Lでしたが、1.5Lは18.5km/Lに悪化しています。
ホンダ 新型フィットe:HEV・RSの走行性能
e:HEVはモーター駆動が基本ですから、加速感は電気自動車のように滑らかです。アクセル操作に対する反応も機敏で、マイナーチェンジでは、走りの上質感をさらに高めました。数値が向上したのは最高出力ですが、実際に運転すると、実用回転域の駆動力も強くなっています。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時などの加速にも、余裕が生じました。
峠道などのカーブを曲がる時は、ほかのグレードに比べると、旋回軌跡を拡大させにくいです。車両の進行方向が、ステアリングホイールの操舵角に応じて内側を向き、運転が楽しく感じられます。その一方で下り坂のカーブを曲がる時も後輪の接地性が高く、車線を変更する時も、唐突にボディが傾く挙動が発生しないために不安を感じにくいです。
ホンダ 新型フィットe:HEV・リュクスの走行性能
タイヤサイズは新型フィットRSと同じ16インチ(185/55R16)ですが、銘柄は異なります。新型フィットRSはヨコハマ・ブルーアースGTで、リュクスはブルーアースAでした。足まわりの設定も異なるため、新型フィットRSに比べて路面をグリップする性能は少し低いですが、不満はありません。新型フィットRSは峠道などのスポーティな走りに適しており、快適な新型フィットリュクスは高速道路を使った長距離ドライブに向いています。
その代わりにWLTCモード燃費は、新型フィット e:HEV・RSが27.2km/L、新型フィットe:HEV・リュクスは27.6km/Lです。リュクスが若干ですがRSよりも優れています。新型フィットe:HEV・リュクスの価格は249万9200円で、新型フィットe:HEV・RSよりも15万2900円高いです。
新型フィットe:HEV・ホームの乗り心地
新型フィットe:HEV・RSはフィットの買い得グレードだ!
またハイブリッドとノーマルエンジンの価格差は、リュクスやホームで見ると、34万9800円に抑えています。e:HEVのハイブリッドシステムは、前述のようにエンジンが発電、モーターが駆動を担当しながら、高速巡航時にはエンジンがホイールを直接駆動して効率を向上させる制御も行います。つまりe:HEVは、高機能で割安なパワーユニットです。特に新型フィットe:HEV・RSは、同車の新しい買い得グレードといえるでしょう。
[筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫]
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