【2022年】マツダ CX-8に個性を表現する新グレードやボディカラーを追加! 買い得グレードはディーゼルのXDスマートエディション(370万5900円)だ!
MōTA / 2022年11月2日 11時30分
マツダのSUVをけん引してきたCX-8が2022年11月2日(水)に一部改良を果たしました。グレード構成を見直し、個性が際立つ「グレードジャーニー」と「スポーツアピアランス」を追加。ファミリー指向でライフスタイルを表現できる幅広いラインナップとしています。 そんなCX-8の改良点と買い得グレードをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説します。
マツダはSUVを6車種そろえている
今はSUVが人気のカテゴリーで、各メーカーとも品ぞろえを充実させています。その中でも特に注目されるメーカーがマツダです。
マツダのホームページにアクセスしてカーラインナップ/乗用車を見ると、マツダ車が10車種ほど並んでいますが(重複して掲載されている車種もあります)、その内の6車種はSUVです。
SUVが6車種もあると、ボディサイズ、エンジン排気量、価格などが互いに重複します。直近では新型のCX-60が加わり、この価格帯は299万2000円〜626万4500円と幅広いです。そうなるとCX-60は、CX-30、CX-5、CX-8という具合に、マツダのさまざまなSUVと重なります。
このような事情もあって、今回CX-8が2022年11月2日(水)にマイナーチェンジを実施し、予約を開始しました。発売は2022年12月下旬とアナウンスされています。開発者は「CX-60が新しいマツダのフラッグシップになったため、従来の最上級車種だったCX-8は、今回の改良でファミリー指向を強めました」と語っています。CX-8のボディサイズ、ボディカラー、エンジン、燃費、シート
CX-8は2017年に登場しました。外観はCX-5のロング版に見えますが、実際には北米などで販売されるCX-9の車幅を狭めて開発されています。
CX-8のボディサイズは全長4900mm×全幅1840mm×全高1730mmです。全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)が長く、全車が3列のシートを備えています。乗車定員は6名と7名で、6人乗りの2列目シートはセパレートタイプです。7人乗りはベンチシートになります。
このようにCX-8の乗車定員とシートの選択肢は、ミニバンに似ています。そして3列目のシートは、国産SUVでは最も広くて快適ですから、開発者がコメントしたようにファミリー指向を強めました。CX-8のボディカラーは、CX-60から採用されている熟練職人が手塗りしたような精緻で高品質な塗装を量産ラインで実現するマツダの塗装技術「匠塗」の第3弾「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を追加しました。一方、スノーフレークホワイトパールマイカが廃止されました。
エンジンは、従来と同じで直列4気筒2.5L、2.5Lターボ、2.2Lクリーンディーゼルターボの3種類です。WLTCモード燃費は2.5Lエンジンが12.4km/L、2.5Lターボエンジンが12.0km/L、2.2Lクリーンディーゼルターボが15.8km/Lとなります。CX-8のグレード構成
エンジングレード構成はマイナーチェンジで変わりました。以前のプロアクティブやLパッケージは廃止され、最も安価な25SとXD、比較的ベーシックなスマートエディション、レジャー&ファミリー向けのグランドジャーニー(AWDのみ)、スポーティなスポーツアピアランスとブラックトーンエディション、最上級のエクスクルーシブモードと分かれています。
新たに追加されたグランドジャーニーでは、ガンメタリック塗装のフロントグリルや前後に装着されるシルバーのバンパーガーニッシュ、グロスブラックのドアミラー、ルーフレール、ブラックメタリック塗装の切削加工19インチホイール、ブライトのサイドガーニッシュが設定されます。同じく新規追加となるスポーツアピリアンスでは、フロントグリルやドアミラーなどをブラック塗装で引き締め、ブラックメタリック塗装の19インチアルミホイールを採用しました。
マイナーチェンジでは、さまざまな部分を改善しました。外観ではフロントグリルにブロックメッシュパターンを採用しています。前後のランプやバンパーも新しいデザインに変わりました。後ろ姿はテールランプの変更で、ワイド感が強調されています。 内装では前席を改良しました。腰と大腿部を従来以上にしっかりと支えて、長距離を移動する時でも疲れにくいです。着座姿勢も安定します。さらに本革シートでは、座り心地をさらに向上させました。ファブリックのシート生地と本革を座り比べると、後者は腰から大腿部が一層確実に支えられます。そのために本革シートは座り心地が硬めに感じますが、長距離を移動する時は疲れにくいでしょう。 走りに関係したメカニズムでは、サスペンションの特性を変えました。スプリング、ショックアブソーバー、車両の挙動を安定させるGベクタリングコントロールの制御も見直して、乗員の頭部が前後に揺れにくくしています。これは主に同乗者の快適性を高め、CX-60も同じ考え方に基づいた制御を採用しています。スイッチ操作で運転感覚を変化させるドライブモードも進化させました。4WD専用車のグランドジャーニーには、新たに「オフロードモード」を加えています。Gベクタリングコントロールを含めて、接地性を高める制御を行います。
開発者は「CX-8のお客様は、選択理由として、安全性の高さを挙げることが多いです」と述べていました。追突された時の日本の安全基準は、燃料漏れを生じないことですが、マツダは独自の基準により3列目の安全性も確保しています。追突された時にボディの後部を効果的に潰し、衝撃をピラー(柱)に伝えることで、ボディ全体で吸収する構造です。それにより3列目の生存空間を確保できるように開発されています。CX-8の選び方、価格、駆動方式
次はCX-8の選び方を考えてみましょう。まずはエンジンを決めます。推奨度が最も高いのは2.2Lクリーンディーゼルターボです。価格は2.5Lノーマルガソリンエンジンよりも38万2800円高いですが、ディーゼルは購入時に納める税額が安く、差額は実質24万円に縮まります。
そこでレギュラーガソリンの価格を1L当たり160円、ディーゼルの軽油を140円として計算すると、約6万kmを走れば24万円の実質価格差を燃料代の節約で取り戻せます。しかもディーゼルは実用回転域の駆動力も高く、走りの違いまで考慮すると、買い得度が強いです。
2.5Lエンジンをベースにしたガソリンターボは、動力性能が高い割に燃費の悪化は少ないですが、高回転域の吹き上がりが鈍くガソリンエンジンらしさは希薄です。そこを考えてもディーゼルが推奨されます。
駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを選べます。グランドジャーニーは4WDのみです。4WDの価格は2WDに比べて23万6500円高いですが、この価格差は妥当です。用途に応じて選べば良いでしょう。
グレードを決める時は、ベーシックなXD(337万7000円/2WD)は避けた方が良いです。ステアリングアシストなどによって渋滞時の疲労を軽減させるクルージング&トラフィックサポートなどをオプションでも装着できないからです。CX-8の買い得グレードはディーゼルのXDスマートエディション
最も買い得なグレードは、ディーゼルのXDスマートエディション(370万5900円/2WD)です。このグレードに、10.25インチセンターディスプレイなどのセットオプション(6万500円)、クルージングトラフィックサポートなどのセットオプション(2万5300円)を加えましょう。
内装の質感をさらに高めたり、ルーフレールが欲しい時は、XDブラックトーンエディション(403万2600円/2WD)も検討します。さらに上級のXDスポーツアピアランス(441万5400円/2WD)には、運転席と助手席のシートベンチレーションなどが加わり、車内の装飾類も充実して、シート生地はスムースレザーです。その代わり価格も高いです。
そして最上級のXDエクスクルーシブモードは、2列目がベンチシートの7人乗りとセパレートタイプの6人乗りで価格が異なり、後者は16万5000円高いです。XDエクスクルーシブモード/6人乗り(482万2400円)の2列目には、アームレスト付きのコンソールが装着され、トヨタ アルファードのように高級な雰囲気を感じさせるからです。2列目シートなのに電動調節機能やシートベンチレーションも備わり、これらの機能を加えて価格アップが16万5000円なら、むしろ割安ともいえます。
この2列目のアームレスト付きコンソールは、CX-8の世界観を反映させた装備で、販売店からは「購入時にアルファードと迷うお客様もおられます」という話が聞かれます。CX-8はSUV、アルファードはミニバンでカテゴリーは違いますが、2列目シートが豪華で頭上と足元の空間が広いことは、共通しているからです。その意味で2列目のアームレスト付きコンソールは、幅広いグレードにオプション設定すべきでしょう。開発者は「CX-8にはファミリーユーザーも多いです」と述べていましたが、大人の4名乗車にも適しており、2列目のアームレスト付きコンソールはニーズが高いです。
なお販売店によると「CX-8の納期は約5か月」とのことで、昨今では短い部類に入ります。それでも商談は早めに開始しましょう。
※スポーツアピアランスとグランドジャーニーの画像は開発段階試作車のため、スポーツアピアランスにはメーカーセットオプションのルーフレール/サイドガーニッシュ(ブライト)、グランドジャーニーにはメーカーセットオプションのボーズサウンドシステム+10スピーカーが装着されていません。【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:堤 晋一】
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