ジムニー5ドア「ジムニーノマド」が登場! 価格は265.1万円~! サイズや後席、荷室、燃費などを解説
MōTA / 2025年1月30日 10時35分
スズキは2025年1月30日(木)、本格的な四輪駆動車(4WD)の機能と走破性を持つジムニーシリーズで初となる5ドアモデルの「ジムニーノマド」を2025年4月3日(木)に発売すると発表しました。 この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが、ジムニーシエラとの違いをまじえながら、価格やサイズ、内装、後席、荷室、燃費、装備など、購入予定者が気になる情報を解説します。
スズキ ジムニーシリーズとは? シリーズ初の5ドア仕様が登場
SUV(スポーツユーティリティビークル)といえば、都会的で洗練されたデザインや、優れた走行性能が魅力ですが、スズキ ジムニーは、そんなSUV市場において特に個性が際立ち、高い人気を誇るモデルです。ジムニーシリーズには軽自動車の「ジムニー」と、小型車である「ジムニーシエラ」の2タイプがあります。
従来は、ジムニーとジムニーシエラのどちらも3ドア仕様。基本的なボディを共有しながら、ジムニーシエラには直列4気筒1.5Lエンジンが搭載されています。
ジムニーシリーズは、悪路走行を重視したSUVで、頑丈なラダーフレーム(はしご型フレーム)にボディやエンジン、サスペンションを組み合わせて作られています。そのため、乗用車ベースのSUVとは設計思想やオフロード性能が大きく異なります。
日本国内で販売されているラダーフレーム構造を採用した国産SUVは、ジムニーシリーズのほかに、トヨタ ランドクルーザーシリーズ、トヨタ ハイラックス、三菱 トライトンなど限られています。5ドアで4人乗りの「ジムニーノマド」が追加
今回ジムニーシリーズに、5ドアボディの新型「ジムニーノマド」が加わりました。ジムニーノマドは、3ドアのジムニーシエラをベースに開発されました。ジムニーシリーズ最大の魅力である悪路走破性はそのままに、リヤドアの採用やホイールベースの延長によって後席の居住性と快適性を向上させています。
ただし、ジムニーノマドは5人乗りではなく、ジムニーシエラと同様に4人乗りのモデルです。ジムニーノマドは、インドの工場で生産される輸入車であり、グレードは「FC」のみとなります。装備内容は、ジムニーシエラの上級グレード「JC」に準じています。
スズキ ジムニーノマドのボディサイズ
スズキ ジムニーノマドのボディサイズは、全長3890mm、全幅1645mm、全高1725mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)2590mmです。 ベースのジムニーシエラに比べると、全長とホイールベースは340mm長くなり、全幅は同じで、全高は5mm低いです。 また、最小回転半径が5.7mとジムニーシエラの4.9mに比べると大きくなっています。これはホイールベースの延長の影響によるものです。運転感覚がジムニーシエラとは異なるため、試乗の際には特に確認すべきところでしょう。
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
ノマド |
3890mm |
1645mm |
1725mm |
2590mm |
シエラ |
3550mm |
1645mm |
1730mm |
2250mm |
スズキ ジムニーノマドの外観(エクステリア)
スズキ ジムニーノマドのボディは、基本的にジムニーシエラのロング版ですが、フロントグリルの形状が異なります。 3ドアボディのジムニーシエラは、フロントマスクが無塗装ですが、ジムニーノマドはガンメタリック塗装です。部分的にメッキが施され、存在感を際立たせています。
スズキ ジムニーノマドの内装(インテリア)
スズキ ジムニーノマドの内装について、インパネは3ドアボディのジムニーシエラのJCグレードとほぼ同じです。フロントコンソールボックスにドライバーが操作するための後席パワーウインドウスイッチが追加されています。
スズキ ジムニーノマドの乗員数・シート
スズキ ジムニーノマドは後席(後部座席)の足元もジムニーシエラに比べて広くなり、大人4人がゆったりと座れるようになりました。
家族や友人との旅行や荷物の多いキャンプなどでも、快適に過ごせます。
ジムニーノマドの前席
ジムニーノマドの前席の広さや形状は、ジムニーシエラやジムニーと同等です。ジムニーノマドの後席
ジムニーノマドとジムニーシエラが大きく異なるのは後席の広さや座り心地、乗降性です。ジムニーノマドの後席は全長とホイールベースを340mm拡大したことで足元空間が広がりました。
身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先に、握りコブシが1つ半収まります。
3ドアボディのジムニーとジムニーシエラは、握りコブシ半分程度なので、ジムニーノマドの足元空間は2倍以上です。 ジムニーノマドの座面も厚みが増して、座り心地もジムニーシエラに比べて快適になりました。1段階ではありますが、後席のリクライニング機能が採用されています。ジムニーノマドの後席で注意したいのは、座面の長さ(奥行寸法)が少し短いことです。長身の方が座る際には、大腿部に違和感が生じるかもしれません。
座面長を30mmほど長くすると、大腿部のサポート性が向上するでしょう。
ジムニーノマドの後席の乗降性は、ジムニーシエラに比べて格段に向上しましたが、フレーム構造で最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)も210mmを確保したので床は高いです。 ただし、スズキ フロンクスのような前輪駆動(FF)ベースのシティ派SUVに比べると、後席のドアの開口幅もやや狭く、乗り降りが少し不便かもしれません。居住性に重点を置いたシティ派SUVからジムニーノマドに乗り換える時は乗降性に注意しましょう。
スズキ ジムニーノマドの荷室
スズキ ジムニーノマドは、ジムニーシエラに比べて全長が拡大されたことにより、荷室も広がりました。
後席を使う時の荷室長は、ジムニーシエラは240mmですが、ジムニーノマドは590mmに拡大されます。 後席を格納した時の荷室長は、ジムニーシエラは980mm、ジムニーノマドなら1240mmに達します。 荷室の注意点は、後席を格納した時に広げた荷室の床に段差と傾斜ができることです。 また、ジムニーノマドは悪路向けのSUVなので、シートアレンジの使い勝手は、スズキ ソリオのような車内の広いコンパクトカーなどに比べるとやや不便に感じるかもしれません。荷室の広さや使い勝手を重視するユーザーは、シートアレンジなどを確認しましょう。
スズキ ジムニーノマドのエンジン
スズキ ジムニーノマドのエンジンは、直列4気筒1.5Lです。最高出力は102馬力(6000回転)、最大トルクは13.3kg-m(4000回転)で、いずれもジムニーシエラと共通です。
トランスミッションは、4速AT(オートマチックトランスミッション)と5速MT(マニュアルトランスミッション)が用意されます。ギヤ比もジムニーシエラと同じです。スズキ ジムニーノマドの燃費
スズキ ジムニーノマドのWLTCモード燃費は、4速ATが13.6km/Lで、5速MTは14.9km/Lです。ジムニーシエラと比べると燃費はMTで0.5km/L、4ATで0.8km/L下がっています。
車種 | トランスミッション | WLTCモード燃費 |
---|---|---|
ノマド |
5MT |
14.9km/L |
4AT |
13.6km/L |
|
シエラ |
5MT |
15.4km/L |
4AT |
14.3km/L |
ジムニーノマドの燃費が悪い? その理由とは
ジムニーノマドより大きいサイズのトヨタ ハリアーに、直列4気筒2Lノーマルガソリンエンジンと4WDを搭載したグレードでも14.7km/Lなので、ジムニーノマドはボディが軽くコンパクトな割に燃料消費量は多いです。悪路の走破に重点を置いているためですが、今はガソリン価格も高いため、もう少し燃費を向上させてほしいところです。
スズキ ジムニーノマドのボディ構造
スズキ ジムニーノマドのラダーフレームの構造は、基本的にはジムニーシエラと同じですが、全長とホイールベースの拡大に伴って延長されました。ラダーフレームに、左右方向の骨格となるセンタークロスメンバーも配置され、補強が施されています。
前輪のブレーキは、ジムニーシエラはシンプルなソリッドディスクですが、ジムニーノマドは車両重量の増加に対応して、放熱効果の優れたベンチレーテッドディスクに変更されています。
スズキ ジムニーノマドの安全装備
スズキ ジムニーノマドの安全装備は、ジムニーシエラに比べて上級化されました。 衝突被害軽減ブレーキは、ジムニーシエラでは2種類のセンサーで歩行者や車を検知する「デュアルセンサーブレーキサポート」ですが、ジムニーノマドは2つのカメラが昼夜の歩行者や車を検知する「デュアルカメラブレーキサポート」になります。デュアルセンサーブレーキサポートとデュアルカメラブレーキサポートの大きな違いは作動速度です。
デュアルセンサーブレーキサポートでは、車で時速約5〜100km、歩行者で時速約5〜60kmですが、デュアルカメラブレーキサポートは車、歩行者ともに時速約5〜100kmとなります。高速域でも歩行者を検知するようになりました。
スズキ ジムニーノマドの装備の違い
スズキ ジムニーノマドの装備で特徴的なのは、トランスミッションの違いによって、安全装備と運転支援機能の内容が変わるということです。ジムニーシエラとも異なります。ジムニーノマドの4速ATには、専用装備として後退時ブレーキサポートと後方誤発進抑制機能が追加され、クルーズコントロールも車間距離を自動調節できるアダプティブクルーズコントロール(ACC)になります。
スズキ ジムニーノマドの価格
ジムニーノマドのグレードは1グレードの「FC」のみの設定です。ジムニーノマドの税込価格は、5速MTが265万1000円、4速ATは275万円です(価格は2025年1月時点のもの)。
ジムニーノマド、ジムニーシエラの価格は以下の通りです。
ジムニーノマドの価格
グレード | トランスミッション | 価格 |
---|---|---|
FC |
5速MT |
265万1000円 |
4速AT |
275万円 |
ジムニーシエラの価格(参考)
グレード | トランスミッション | 価格 |
---|---|---|
JL |
5速MT |
196万2400円 |
4速AT |
206万1400円 |
|
JC |
5速MT |
208万4500円 |
4速AT |
218万3500円 |
スズキ ジムニーノマドの買い得グレード
スズキ ジムニーノマドの買い得グレードはFC(4速AT)です。
買い得グレード
FC・4速AT(275万円)
4速ATはコスパが良い
ジムニーノマド同士で比較すると、4速ATの価格は5速MTに比べて9万9000円高いですが、この価格差はジムニーシエラJCと同じです。
つまり、ジムニーノマドの4速AT仕様を選ぶと、後退時に作動する安全装備とACCが実質無料で装着されます。ジムニーシエラには後退時に作動する安全装備やACCといった機能がないためです。
これらの装備を価格換算すると、ジムニーノマドの4速ATと5速MTの価格差10万円前後は割安です。
ジムニーシエラJCとの比較
また、3ドアボディのジムニーシエラJCとも比較してみましょう。
ジムニーシエラは短いボディとホイールベースによる優れた悪路走破力と相まって、5速MTを選ぶ方法もあるでしょう。
ジムニーノマドの価格は、ジムニーシエラJCに比べて56万6500円高いです。
装備内容が似ている5速MT同士で比べると、ジムニーノマドでは衝突被害軽減ブレーキがデュアルカメラブレーキサポートに上級化され、リヤフォグランプやフロントベンチレーテッドディスクブレーキなども加わります。
その半面、LEDヘッドランプの上下調節機能は、ジムニーシエラJCではオートですが、ジムニーノマドではマニュアルタイプに下がります。
それでも装備の違いを補正した実質価格差は50万円前後で、実用性の違いを踏まえれば納得できるでしょう。
並行輸入車と比べて価格はお手頃
さらに、インドで生産されるジムニー5ドアの並行輸入車の際には、価格が400万円を超えていました。そこも考えると、ジムニーノマドの価格はかなりお手頃です。
ジムニーノマドは4速ATを筆頭に買い得と言えるでしょう。
スズキ ジムニーノマドの納期
ジムニーノマドで一番心配なことは納期です。
購入希望のユーザーが急増して輸入が追い付かず、納期の遅延や中古車価格が高騰する心配もあります。購入を予定している方はできるだけ早めに注文をしたほうが良いでしょう。
適切な納期でユーザーに届けて、市場の混乱を招かないことも商品力の大切な要素なので、スズキには生産体制を整えてほしいところです。
スズキ ジムニーノマドのボディカラー
スズキ ジムニーノマドのボディカラーは、モノトーン4色、2トーンルーフ2色の全部で6色が展開されます。ボディカラーの種類は以下の通りです。
種類 | ボディカラー | オプション価格 |
---|---|---|
モノトーン |
セルスティアルブルーパールメタリック |
0円 |
ジャングルグリーン2 |
0円 |
|
アークティックホワイトパール |
3万3000円 |
|
ブルーイッシュブラックパール4 |
0円 |
|
2トーン |
シズリングレッドメタリック×ブラック |
5万5000円 |
シフォンアイボリーパールメタリック2×ブラック |
5万5000円 |
スズキ ジムニーノマドのレビュー・評価
外観 |
4.0 |
★★★★☆ |
内装・居住性 |
3.0 |
★★★☆☆ |
走行性能 |
4.0 |
★★★★☆ |
運転のしやすさ |
4.0 |
★★★★☆ |
乗り心地 |
3.0 |
★★★☆☆ |
燃費 |
2.0 |
★★☆☆☆ |
価格の割安度 |
4.0 |
★★★★☆ |
〇スズキ ジムニーノマドの良い点
・ジムニーの優れた悪路走破力にファミリーカーの実用性も合わせ持つ
・直線基調の外観はSUVらしさがありつつもシンプルで視界も優れている
・ボディサイズはSUVとしてはコンパクトで混雑した街中でも運転しやすい
×スズキ ジムニーノマドの気になる点
・4WDはパートタイム式なので、路面状況によってはグリップ力が低下する場合がある
・5速MTは4速ATに比べると、安全装備や運転支援機能が物足りない
・コンパクトSUVでは燃費が悪く、LサイズSUVのハリアーと同程度
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:和田 清志/スズキ/マルチ・スズキ・インディア/トヨタ自動車/三菱自動車/MOTA編集部】
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