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トヨタ 新型プリウスPHEVの価格は460万円! なんと早くも受注停止!? ハイブリッドとの装備や走りの違いを比較、おすすめグレードなど最新購入情報をお届け【2023年】

MōTA / 2023年2月4日 12時0分

トヨタ 新型プリウスPHEV(駆動方式:FF/ボディカラー:シルバーメタリック/内装色:ブラック)

2022年11月に5代目となる新型モデルが登場したトヨタ プリウス。新型プリウスは新たなHYBRID(ハイブリッド)の象徴として、「一目惚れするデザイン」「虜にさせる走り」をキーワードに、スタイリッシュでスポーティなプロポーションに進化しています。 そんな新型プリウスの中でも2023年の春頃発売とアナウンスされていた注目のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの情報が新たに解禁されたので、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが価格やハイブリッドモデルとの比較、おすすめグレードなど詳しく解説します。

トヨタ 新型プリウス(グレード:Z/駆動方式:FF/ボディカラー:アッシュ/内装色:マチュアレッド)

トヨタ 新型プリウス/プリウスPHEVのおすすめポイント

・5ドアクーペ風でかっこいいボディ + 上質な走り

・優れた走行性能に運転が楽しく感じる

トヨタ 新型プリウスのレビュー・評価

総合評価 4.0 ★★★★☆

外観 3.9 ★★★★☆
内装 3.4 ★★★☆☆
走行性能 4.0 ★★★★☆
運転しやすさ 3.8 ★★★★☆
乗り心地 3.9 ★★★★☆
燃費・維持費 4.9 ★★★★★

トヨタ 新型プリウスPHEVの良かった点

・2Lエンジン + モーターによる優れた加速力

・ノイズが小さくて静か

トヨタ 新型プリウスPHEVの気になった点

・予約受注の台数が限られるため、受注が早々に停止されている

・先代モデルでは急速充電に対応していたが、新型プリウスPHEVでは非対応に

2023年の春頃発売予定の新型プリウスPHEVの情報をいち早くお届け!

最近の話題の新型車といえばトヨタ プリウスでしょう。今は以前と違って、トヨタ車の大半にハイブリッドが用意されています。特にコンパクトなトヨタ ヤリスハイブリッドXは、WLTCモード燃費が4輪車では最高峰の36km/Lに達しました。ミドルサイズのプリウスでは、この数値は超えられません。

新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV

新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV

そこで新型プリウスは、全高を先代型に比べて40mm低い1430mmに抑えました。前後のピラー(柱)も寝かされ、外観は5ドアクーペ風でかっこいいです。ハイブリッドシステムも、先代型の1.8Lに加えて2Lも採用され、新たな「カッコ良くて速い」プリウスに発展しました。

新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV

新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV

新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV, 新型プリウスPHEV

そして新型プリウスにはPHEV(充電可能なプラグインハイブリッド)もあります。PHEVの発売は「2023年の春頃」と案内され、先ごろクローズドコースを使ったプロトタイプの報道試乗会が行われました。その印象をお伝えします。

トヨタ 新型プリウスPHEVの発売日・受注状況

なお新型プリウスPHEVには注意点もあり、販売店では以下のように説明しました。「新型プリウスPHEVのグレードは最上級のZのみで、価格は460万円です。納車を伴う発売は2023年3月1日ですが、予約受注は1月から開始され、受注枠が早々に埋まりました。従って今は予約受注を停止しており、いつ再開するか分かりません」。

プリウスPHEVは先代型にも用意されましたが(先代型の表記はPHV)、充電機能を搭載しないハイブリッドのプリウスに比べて、売れ行きが伸び悩みました。2022年にプリウスは国内で3万2675台が登録されましたが、PHEVの比率は13%です。販売店では「PHEVの販売規模は以前から小さく、新型も予約受注の台数が限られるため、受注を早々に停止することになりました」と述べています。

トヨタ 新型プリウスのボディサイズ

全長 4600mm
全幅 1780mm
全高 1430mm
ホイールベース 2750mm

トヨタ 新型プリウス/新型プリウスPHEVの価格・グレード

新型プリウスの価格・グレード

グレード エンジン 駆動方式 最高出力(馬力)/

最大トルク(Nm)

価格(税込)
Z 2.0L+ハイブリッドシステム 4WD 152馬力/188Nm 392万円
2WD 370万円
G 4WD 342万円
2WD 320万円
U(当面はKINTO専用車) 1.8L+ハイブリッドシステム 4WD 113馬力/206Nm 321万円
2WD 299万円
X(法人向けグレード) 4WD 297万円
2WD 275万円

新型プリウスPHEVの価格・グレード

グレード パワートレイン

(動力源)

駆動方式 最高出力(馬力) 価格(税込)
Z 2.0L+プラグインハイブリッドシステム 2WD 223馬力 460万円

新型プリウスPHEVのグレードはZのみで、駆動方式も前輪駆動の2WDに限られます。新型プリウスPHEV・Zの価格は前述の460万円で、充電機能を備えない新型プリウス ハイブリッド・Z(370万円/2WD)に比べて90万円高いです。先代プリウスPHV・Aの価格は375万8000円で、プリウスAとの価格差は約75万8000円でした。

つまり新型プリウスは、ノーマルタイプのハイブリッドも含めて、機能の向上により価格帯が高まりました。さらにハイブリッドとPHEVを比べた時の価格差も増えたので、新型プリウスPHEV・Zは二重に値上げされ、価格が460万円に達しています。

値上げの一因として、PHEVに採用される駆動用リチウムイオン電池の容量拡大もあります。先代プリウスPHVのリチウムイオン電池容量は8.8kWhで、1回の充電で走行できる距離はWLTCモードで60kmでした。そこを新型プリウスPHEVの開発者は「1回の充電で走行可能な距離を先代型の1.5倍に増やす」と述べています。詳細なデータは公表されていませんが、単純にいえば、リチウムイオン電池の容量は1.5倍の約13kWhで、走行可能な距離は約90kmでしょう。

ちなみにほかのプラグインハイブリッドが1回の充電で走行できる距離は、トヨタ ハリアーが93km、三菱 アウトランダーPHEVのPグレードやGグレードは85km、マツダ CX-60 PHEVは74kmです。先代プリウスPHVの60kmは、今では短い部類に入るため、電池容量を1.5倍に増やして90kmとするのは納得できます。

トヨタ 新型プリウスPHEVは急速充電器に非対応

注意したいのは急速充電器の対応です。販売店によると「先代型では急速充電器を使用できましたが、新型プリウスPHEVは対応していません」とのことです。先代型から新型に乗り換えると、不便になる面もあるわけです。

トヨタ 新型プリウスPHEVの動力性能

新型プリウスPHEV

新型プリウスは、前述の通り「カッコ良くて速い」ハイブリッドに生まれ変わったので、幅広いグレードにわたり動力性能が向上しています。外部からの充電機能を備えないハイブリッドの場合、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は、1.8Lが140馬力、2Lは193馬力です。プラグインハイブリッドは2Lエンジンをベースにしながら、駆動用電池(モーター)の違いもあるため、システム最高出力を223馬力まで高めました。

そこで新型プリウスPHEVに試乗すると、加速力が優れています。最初はエンジンを始動させないEVモードで走りましたが、時速100km程度までならパワー不足を感じません。モーターは瞬発力が高く、アクセルペダルを踏み増した時の反応も機敏です。エンジンパワーを有効に活用して、滑らかな走りを行えます。またエンジンを始動させない状態では、ノイズも小さく運転感覚は上質です。

(左)先代型プリウスPHV  (右)新型プリウスPHEV

先代型と乗り比べると、新型プリウスPHEVの特徴がさらに良く分かりました。新型では動力性能が高まったので、加速力が向上して、なおかつアクセルペダルの踏み方も穏やかです。ハイブリッドシステムの負担が抑えられ、新型プリウスPHEVは先代型と比べても、ノイズが小さくて静かです。

トヨタ 新型プリウスPHEVの走行安定性

新型プリウスPHEV

走行安定性も向上しました。先代型も危険を避ける時などは、後輪の接地性が高く安定性に不満はありません。ただしカーブを曲がる時の速度が高まると、旋回軌跡が少し拡大しやすいです。

その点で新型プリウスPHEVは、ボディ骨格の補強、サスペンションやタイヤの変更などにより、先代型よりも良く曲がります。例えばカーブの曲がり方を見誤り、進入速度が高すぎた時でも、コースアウトしにくいです。

その分だけカーブを曲がる時の速度も上昇するため、アクセルペダルを戻すと、先代型とは違って後輪の横滑りが生じることがあります。この時の挙動変化は穏やかで、不安は生じません。むしろドライバーのコントロール領域が広がり、運転が楽しく感じます。新型プリウスPHEVは新型プリウスの「カッコ良くて速い」特徴をさらに際立たせました。

新型プリウスPHEV

走行モードを切り替えてエンジン駆動も併用すると、最高出力が前述の223馬力に達します。加速性能を感覚的にいえば、3Lから3.5Lのエンジン排気量に相当します。エンジンとモーター駆動を併用するハイブリッド走行では、エンジンは始動と停止を繰り返しますが、ノイズの変化は小さいです。エンジン始動の度にノイズが増大して、煩わしく感じることはありません。

試乗車のタイヤは19インチ(195/50R19)で、銘柄はヨコハマ・ブルーアースGTです。指定空気圧は前輪が240kPa、後輪は230kPaですからノーマルタイプのプリウスZと同じですが、グリップ不足は感じません。乗り心地は少し硬めですが、重厚感が伴って粗さは抑えました。

トヨタ 新型プリウスのボディカラーは全8色展開

マスタードイエロー(新色)
アッシュ(新色)
シルバーメタリック
プラチナホワイトパール
アティチュードブラック
エモーショナルレッドII
ダークブルー
スーパーホワイト

トヨタ 新型プリウスの1番のおすすめ・買い得グレードは?|ハイブリッドとPHEVで装備・価格を比較

以上のように新型プリウスPHEVは、スペシャリティ感覚を強めた新しいプリウスの特徴を一層際立たせています。

そこでハイブリッドの新型プリウス・Zとの損得勘定も考えましょう。まず価格は新型プリウスPHEV・Zが90万円高いですが、プラグインハイブリッドでは、電気自動車(EV)と同じように補助金の交付を受けられます。経済産業省による補助金の交付額は55万円なので、実質的な価格差は、90万円から55万円を差し引いた35万円です。

そして仮に新型プリウスPHEVのリチウムイオン電池容量が13kWh、走行可能な距離が90kmとすれば、1kWh当たり6.9kmを走行できます。東京電力の従量電灯B(主に一般家庭向けの電気使用プラン)で単純計算すると、1kWhの電気料金は約20円ですから、充電された電気で走った時の1km当たりの走行単価は2.9円です。

一方、ノーマルタイプのハイブリッドを搭載する新型プリウス・ZのWLTCモード燃費は28.6km/Lです。レギュラーガソリン価格が1L当たり160円であれば、新型プリウス・Zの1km当たりの走行単価は5.6円です。

このように新型プリウスは、ハイブリッドモデルでも燃費性能が優れているため、PHEVの電気代と比べても走行コストは約2倍に収まります。

そうなると35万円の実質価格差を走行コストの節約で取り戻すには、新型プリウスPHEVがガソリンを一切使わずに充電された電気だけで走っても、約13万kmの走行を要します。実際はガソリンを燃焼させるハイブリッド状態でも走るため、取り戻せる距離はさらに長くなります。

従って損得勘定だけで選ぶなら、ハイブリッドモデルの新型プリウスが買い得です。グレードは、2LエンジンのGが一番割安になります。

トヨタ 新型プリウスPHEVはプリウスの新しい価値を表現するモデル

逆に損得勘定だけでなく趣味性も加えると、新型プリウスPHEVを選ぶ余地が生じます。新型プリウスPHEVは動力性能が高く、エンジンを止めた状態でも、余裕のある静かで滑らかな走りを楽しめるからです。ノーマルタイプのハイブリッドの新型プリウスでも、お金を節約できる燃費だけでなく、モーター駆動の上質な走りを追求しています。その上で、先述のような特徴によりさらにプリウスの新しい価値を表現する代表格が、新型プリウスPHEVといえるでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫】

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