【2024年】マツダ CX-60の悩ましいグレード選び! 価格や内装、燃費まで最新情報をお届け
MōTA / 2023年3月8日 10時0分
マツダ CX-60は、2022年に発表されたまったく新しいSUVモデルです。CX-60は2022年からディーゼルのマイルドハイブリッドが販売されていますが、ノーマルタイプの3.3Lディーゼル、PHEV(充電の可能なハイブリッド)、2.5Lのノーマルエンジンは、すべて2023年に入って開始しました。 今では4タイプのパワーユニットがすべて生産されています。 そんなCX-60のグレード選びをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんに解説してもらいました。
CX-60のおすすめポイント
・パワーユニットやグレードが豊富
・走行安定性が全般的に優れている
CX-60ののレビュー・評価
総合評価 3.5 ★★★★☆
外観 |
4.0 |
★★★★☆ |
内装 |
5.0 |
★★★★★ |
走行性 |
4.0 |
★★★★★ |
運転しやすさ |
2.0 |
★★☆☆☆ |
乗り心地 |
3.0 |
★★★☆☆ |
燃費・維持費 |
3.0 |
★★★☆☆ |
CX-60の良かった点
・直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボは力強く吹き上がりも活発
・走行安定性が全般的に優れ、高速道路や峠道での危険回避性能も高い
CX-60の気になった点
・パワーユニットやグレードにより、乗り心地や内装の質が大きく異なる
・ボディは長いが、居住空間の広さはCX-5と同程度に留まる
CX-60の基本スペック・価格表
パワートレイン |
グレード |
エンジン |
トランスミッション |
最高出力 |
最大トルク |
駆動方式 |
価格(税込) |
25S |
S package |
SKYACTIV G 2.5(2.5L 直列4気筒ガソリン) |
8EC-AT |
188馬力/6000rpm |
250Nm/3000rpm |
2WD(FR) |
299万2000円 |
AWD(4WD) |
321万7500円 |
||||||
L Package |
2WD(FR) |
341万5500円 |
|||||
AWD(4WD) |
364万1000円 |
||||||
Exclusive Mode |
2WD(FR) |
384万4500円 |
|||||
AWD(4WD) |
407万円 |
||||||
XD |
XD |
SKYACTIV D 3.3(3.3L直列6気筒ディーゼル) |
231馬力/4000-4200rpm |
500Nm/1500-3000rpm |
2WD(FR) |
323万9500円 |
|
AWD(4WD) |
346万5000円 |
||||||
S Package |
2WD(FR) |
358万500円 |
|||||
AWD(4WD) |
380万6000円 |
||||||
L Package |
2WD(FR) |
400万4000円 |
|||||
AWD(4WD) |
422万9500円 |
||||||
Exclusive Mode |
2WD(FR) |
443万3000円 |
|||||
AWD(4WD) |
465万8500円 |
||||||
XD-HYBRID |
Exclusive Sports |
e-SKYACTIV D 3.3(3.3L直列6気筒ディーゼル+モーター) |
254馬力/3750rpm+12馬力/900rpm |
550Nm/1500-2400rpm+153Nm/200rpm |
AWD(4WD) |
505万4500円 |
|
Exclusive Modern |
505万4500円 |
||||||
Premium Sports |
547万2500円 |
||||||
Premium Modern |
547万2500円 |
||||||
PHEV |
S Package |
e-SKYACTIV PHEV(2.5L 直列4気筒ガソリン+モーター) |
188馬力/6000rpm+175馬力/5500rpm |
250Nm/4000rpm+270Nm/400rpm |
AWD(4WD) |
539万円 |
|
Exclusive Sports |
584万6500円 |
||||||
Exclusive Modern |
584万6500円 |
||||||
Premium Sports |
626万4500円 |
||||||
Premium Modern |
626万4500円 |
駆動方式は、後輪駆動の2WDと4WDで、従来の前輪駆動によるマツダ CX-5やマツダ CX-8とはプラットフォームが異なります。
CX-60はいろいろなメカニズムが新しく、後輪駆動のプラットフォームは、前後輪が負担する重量バランスも優れています。操舵は前輪、駆動は後輪と役割を分けるため、ステアリングの操舵感も上質です。走りにこだわるマツダらしさを感じます。
CX-60のボディサイズ
全長 |
全幅 |
全高 |
ホイールベース |
|
CX-60 |
4740mm |
1890mm |
1685mm |
2870mm |
CX-60の燃費
パワートレイン |
駆動方式/サンルーフ有無 |
WLTCモード |
市街地モード |
郊外モード |
高速道路モード |
XD-HYBRID e-SKYACTIV D 3.3 |
AWD サンルーフなし |
21.1km/L |
18.1km/L |
21.4km/L |
22.5km/L |
AWD サンルーフあり |
21.0km/L |
18.0km/L |
21.2km/L |
22.4km/L |
|
XD SKYACTIV D 3.3 |
2WD サンルーフなし |
19.8km/L |
16.4〜16.5km/L |
19.5〜19.6km/L |
21.8〜21.9km/L |
2WD サンルーフあり |
19.6km/L |
16.2km/L |
19.3km/L |
21.8km/L |
|
AWD サンルーフなし |
18.5km/L |
15.4〜15.5km/L |
18.2km/L |
20.5〜20.6km/L |
|
AWD サンルーフあり |
18.3km/L |
15.3km/L |
18.0km/L |
20.4km/L |
|
PHEV e-SKYACTIV PHEV |
AWD サンルーフ有無共通 |
14.6km/L |
11.1km/L |
15.7km/L |
16.0km/L |
25S SKYACTIV G 2.5 |
2WD サンルーフなし |
14.1〜14.2km/L |
10.9km/L |
14.6〜14.8km/L |
15.8〜15.9km/L |
2WD サンルーフあり |
14.0km/L |
10.9km/L |
14.4km/L |
15.8km/L |
|
AWD サンルーフなし |
13.0〜13.1km/L |
10.4km/L |
13.0〜13.1km/L |
14.7〜14.8km/L |
|
AWD サンルーフあり |
13.0km/L |
10.3km/L |
13.0km/L |
14.7km/L |
CX-60の発売日と納期の目安
CX-60は2022年9月15日に、e-SKYACTIV Dモデルから販売をスタートしました。その他のモデルもすでに出揃っています。CX-60は、新型車では納期が短いです。販売店によると「どのグレードでも、3か月半から4か月で納車できます」といいます。
今のSUVの納期を販売店に尋ねると、トヨタでは「ハリアーハイブリッドが約10か月で、受注を停止したグレードもあります」、ホンダでは「ZR-Vやヴェゼルのe:HEV(ハイブリッド)は約1年かかります」という具合ですから、CX-60は納期で有利です。
CX-60のおすすめグレード
CX-60で一番買い得なグレードは、マイルドハイブリッドを備えない直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボを搭載するXD・Lパッケージ・2WDです。このグレードは、各種のメカニズムや装備に対して、価格を割安に抑えました。マイルドハイブリッドを備えたディーゼルの価格は、同等の装備を採用したノーマルタイプのディーゼルに比べて、価格が実質的に約40万円高いです。
今のトヨタのフルハイブリッドは、ノーマルエンジンに比べて35万円の上乗せに設定することが多く、マイルドハイブリッドが40万円では割高です。
そこでノーマルタイプのディーゼルを選びますが、XDとXD・Sパッケージは避けた方が無難です。価格は安いですが、インパネが硬質の樹脂製になり、上級SUVのCX-60に相応しい内装ではありません。その点でXD・Lパッケージなら、インパネに合成皮革が使われ、XDエクスクルーシブモードには劣るものの、不満のない上質感を味わえます。CX-60では、どのパワーユニットでも、グレードはLパッケージが最低ラインです。
そしてXD・Lパッケージ・2WDの価格は400万4000円で、XD・Sパッケージよりも42万3500円高いですが、オプションのセーフティクルーズパッケージ(5万5000円)、シースルビューパッケージ(9万3500円)など合計31万5000円のオプションを標準装着しています。
さらにアルミホイールのサイズが20インチに拡大されたり、前述のように内装の質も高まるため、XD・Sパッケージに比べた時の価格アップが42万3500円でも、実質的に55万円相当の価値を加えています。つまりXD・Lパッケージは、パワーユニット、装備ともに割安です。
CX-60のライバル比較
XD・Lパッケージ・2WDが、直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボを搭載して内外装の質も高め、価格を割安に抑えた背景には、ライバル車の存在もあります。
一番の強敵はトヨタ ハリアーハイブリッドG・2WDで、価格は411万9000円です。
ほかのカテゴリーも含めて、好調に販売される日本車の上限価格帯は400〜450万円になるため、CX-60はこの価格帯に属するXD・Lパッケージ・2WDを割安にしました。
CX-60の走行性能
XD・Lパッケージ・2WDは走りの満足度も高いです。ディーゼルエンジンは最高出力が231馬力、最大トルクは4.5Lのノーマルガソリンに匹敵する51kg-mです。発進直後の1400回転付近から余裕のある駆動力が発揮され、高回転域の吹き上がりもガソリンエンジン並みに活発です。フル加速を試すと、シフトアップは約4800回転で行われました。 ノーマルタイプのディーゼルは車両重量が比較的軽く、リヤサスペンションの設定が、マイルドハイブリッドを備えたディーゼルやPHEVとは異なります。後輪側のスタビライザー(ボディの傾き方を制御する足まわりのパーツ)は、あえて装着していません。この変更により、マイルドハイブリッドやPHEVに比べると、足まわりが柔軟に伸縮します。街中を時速40km以下で走ったり、段差を乗り越えた時も、足まわりがゆったりと柔軟に動いて上級のパワーユニットよりも快適です。
足まわりの変更で、運転感覚と走行安定性にも違いが生じました。マイルドハイブリッドのディーゼルやPHEVは、後輪の安定性を重視しますが、ノーマルのディーゼルは車両の動きに軽快感が伴います。曲がりくねった峠道を走ると、ほかのパワーユニットよりも楽しいです。
コントロール性も優れ、カーブを曲がる時にアクセルペダルを意図的に戻すと、車両を積極的に内側へ向けることも可能です。スポーツカーのマツダ ロードスターにも似た操る楽しさがあります。
CX-60のグレードごとの特徴
これまで触れてきたようにノーマルタイプのディーゼルは、乗り心地が問われる街中の低速走行と、軽快な走りを楽しむ峠道に適します。
一方、マイルドハイブリッドのディーゼルやPHEVは、直進安定性が重視される高速道路が得意です。高めの速度域では、街中に比べて乗り心地も快適に感じます。 このようにCX-60の走りは、パワーユニットによって性格が異なり、国内市場に適するのはノーマルタイプのディーゼルです。その中でもXD・Lパッケージ・2WDは、前述のように買い得度が際立っています。一方、充電可能なハイブリッドのPHEVは、1回の充電によりWLTCモードで74kmを走行できます。エンジンを停止させたモーターのみの走行も相応にパワフルで、動力性能は2.5Lのガソリンエンジンに相当します。
アクセルペダルを深く踏むとエンジンが始動しますが、ノイズが急に増える印象はありません。そしてPHEVに使われるエンジンは、直列4気筒2.5Lのガソリンで、最高出力は185馬力、最大トルクは25.5kg-mです。それがエンジンとモーター駆動を組み合わせた総合的なシステム最高出力になると324馬力で、システム最大トルクは51kg-mに増強されます。
PHEVではモーターがパワフルで瞬発力も高いため、アクセルペダルを踏み込んだ時は、エンジン性能を効果的にサポートします。吸気音もチューニングされ、4.5L前後のガソリンエンジンを積んでいる感覚で運転できます。
その代わり価格は500万円を大幅に上まわり、PHEVエクスクルーシブモダン/スポーツは584万6500円、最上級のPHEVプレミアムモダン/スポーツは626万4500円です。充電可能なハイブリッドは、経済産業省による補助金の交付を受けられる場合もあり、2022年度の交付額は54万8000円でした。
この金額を差し引いても、PHEVエクスクルーシブモダン/スポーツの実質価格は約530万円ですから、買い得グレードのXD・Lパッケージ・2WDは約130万円安いです。以上のようにCX-60には、パワーユニットや装備を予算や好みに応じて選ぶ楽しさがあります。特にノーマルタイプのディーゼルとPHEVは、別の車種と思えるほどに運転感覚が異なります。複数のパワーユニットを乗り比べて購入すると楽しいと思います。CX-60のボディカラーは全7色
ボディカラー |
備考 |
ソウルレッドクリスタルメタリック |
オプション価格7万7000円 |
マシーングレープレミアムメタリック |
オプション価格5万5000円 |
ロジウムホワイトプレミアムメタリック |
オプション価格5万5000円 |
プラチナクォーツメタリック |
|
ジェットブラックマイカ |
|
ディープクリスタルブルーマイカ |
|
ディープクリスタルブルーマイカ |
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】
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