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【2024年】レクサスの新型EV「RZ」の予想価格は950万円から!?|レクサス初の電気自動車専用モデルのボディサイズ、発売日、走行性能を徹底解説

MōTA / 2023年3月16日 10時0分

レクサス RZ レクサス RZ

レクサス 新型RZは2022年4月に世界初公開されました。同社初の電気自動車(EV)モデルの新型RZはSUVタイプで、一充電による航続距離はWLTCモードで494kmを誇ります。さらに、さらに、ステアリングホイールとタイヤの間を電気信号で繋ぐ運転方式「ステアバイワイヤ」も設定されています。 そんな新型RZの価格や内装、スペックやおすすめグレードなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

レクサス RZ レクサス RZ

新型RZのおすすめポイント

・モーターの動力性能が高く、走行安定性や操舵感も優れているため、走りの満足度が大きい

・先進装備が盛りだくさんで日本の電気自動車としては上級

新型RZの評価

総合評価 3.6 ★★★★☆

外装

4

★★★★☆

内装

4

★★★★☆

走行性能

5

★★★★★

運転のしやすさ

2

★★☆☆☆

乗り心地

4

★★★★☆

価格の割安度・燃費・維持費

3

★★★☆☆

新型RZの良い点

・動力性能に余裕があり、走行安定性も優れている

・居住性や積載性を含めて、実用性も満足できる

新型RZの気になる点

・ステアバイワイヤは違和感に注意したい

・価格は相応に高くなりそう

新型RZの基本情報

昨年2022年は、トヨタ bZ4X&スバル ソルテラ、日産 サクラ&三菱 eKクロスEVなど、複数の電気自動車(EV)が発売されました。電気自動車は、走行段階では二酸化炭素を含めた排出ガスを発生させません。環境性能の優れたパワーユニットとされています。

そして同年には、レクサス初の電気自動車専用モデルとなる新型RZも世界初公開されています。国内の発売に先立ち、新型RZのプロトタイプに試乗したので詳しく解説していきます。

新型RZの発売日

今後の販売スケジュールについて販売店では「今のところメーカーから、新型RZの発売に関して具体的な日程を聞いていません。グレードや価格も不明ですが、2023年4月に入ると、次第に明らかにされるでしょう」と述べています。

新型RZのボディサイズ・外観

レクサス 新型RZのボディサイズは、全長4805mm × 全幅1895mm × 1635mmです。プラットフォームは、トヨタ bZ4X&スバル ソルテラと共通で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の数値も2850mmで等しいですが、全長は115mm長いです。全幅も35mmワイド化されて1895mmです。

フロントマスクは、レクサス車に共通するスピンドルグリルを基本に、電気自動車としての先進性を表現しています。

新型RZの主要諸元

新型RZ 諸元表(日本仕様・プロトタイプ)

全長

4805mm

全幅

1895mm

全高

1635mm

ホイールベース

2850mm

トレッド前/後

1610mm/1620mm

タイヤサイズ

20インチ

重量

2110kg

航続距離

494km

電池容量

71.4kWh

時速0-100km加速

5.3秒

出力

230kW

新型RZの内装

新型RZの内装はレクサスらしく上質です。インパネの中央に装着されたディスプレイも、ドライバーの方を向いて操作性を向上させました。運転席の座り心地は少し硬めですが、腰をしっかりと支えます。

新型RZの標準ステアリングを装着した仕様の運転席に座ると、前方視界は良好です。ボンネットも手前が少し見えて、ボディの先端や車幅も分かりやすいです。その代わり後方視界は悪いです。サイドウィンドウの下端が高く、ボディ後端のピラー(柱)も太いため、斜め後方と真後ろが見にくいです。購入時には、車庫入れや縦列駐車を試しましょう。

床下にリチウムイオン電池を搭載するため、床は少し高いです。そのために後席は床と座面の間隔が不足しますが、足元空間は広いです。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、bZ4Xやソルテラと同じく握りコブシ3つ分の余裕があります。頭上の空間は握りコブシ1つ分ですが、後席も窮屈ではありません。荷室容量も十分に確保され、電気自動車でも実用的です。

新型RZのパワーユニット(動力源)

パワーユニットは、前後にモーターを搭載する4WDです。モーターの最高出力は、前輪が150kWで、後輪は80kWです。ちなみにbZ4Xとソルテラは、前輪駆動の2WDは150kWで、4WDは前後輪とも各80kW(合計160kW)です。

つまり新型RZの動力性能は、前輪はbZ4Xやソルテラの2WDと同じで、後輪にも80kWを組み合わせています。前後合計の出力は230kWに達します。リチウムイオン電池容量は71.4kWhで、1回の充電によりWLTCモードで494kmを走行できます。

このほかステアリングホイールとタイヤの間を電気信号で繋ぐステアバイワイヤも用意しました。低速域ではギヤ比がクイックになり、ステアリングホイールを持ち替える必要がないため、操舵量も減るから横長のデザインにしました。

新型RZの動力性能

運転を開始すると、モーター駆動の電気自動車なので加速は滑らかです。動力性能にも余裕があります。メーカーが公表する停車時から時速100kmまでの所要時間は5.3秒で、スポーツカーのトヨタ GR86が6.3秒ですので、相当に速いです。

ただしアクセルペダルを一気に踏んだ時の反応は、加速の立ち上がりが唐突にならないよう、制御されています。電気自動車によっては、蹴飛ばされたような加速を開始しますが、新型RZの挙動はマイルドです。

この点について開発者は「あえて強いトルクを感じさせる設定にはしていません。発進時やカーブを曲がる時の挙動変化が、滑らかに繋がるように配慮しました」と述べています。

新型RZの走行性能

走行安定性も良好です。リチウムイオン電池を低い位置に搭載するため、重心が下がって4輪が路面に踏ん張る印象です。加えて新型RZでは、同じプラットフォームを使うbZ4Xやソルテラに比べて、剛性を高めるなどボディも補強しました。

この効果で、ステアリングの操舵角に応じて正確に曲がります。SUVとあって全高は1635mmと高く、車両重量も2110kgと重いですが、カーブを曲がっている時に旋回軌跡を拡大させにくいです。また曲がっている最中に、危険回避を想定してアクセルペダルを戻しても、後輪の接地性が削がれにくく安心できます。

優れた走行安定性の背景には、ダイレクト4と呼ばれる制御もあります。カーブに進入する時は前輪の駆動力を高め、この後、アクセルを踏み増しながらハンドルを戻していく時は、後輪の駆動力を高めます。そのために操舵角に応じて正確に曲がります。

新型RZは前輪に別個のモーターを搭載しており、その特性として、エンジンよりも駆動力の増減を綿密に行えます。アクセルペダルを踏みながら曲がる時でも、必要に応じて内側のブレーキを作動させ、車両が外側へ滑るのを防ぎます。電気自動車には、走行安定性を高めるメリットもあるわけです。

タイヤサイズも興味深いです。試乗車は前後輪とも20インチでしたが、サイズは前輪が235/50R20、後輪は255/45R20です。モーターの最高出力は前輪が高いのに、タイヤは後輪が太いです。このような組み合わせは珍しいです。開発者は「セッティングを煮詰めた結果、後輪が太くなりました」と述べています。確かに後輪側の接地性が高いため、危険回避を想定した急速な車線変更を行っても安定しています。障害物を機敏に回避しながら、その後で不安定な状態に陥りにくく、常に安心して運転できました。挙動変化が滑らかに繋がります。

乗り心地も快適です。20インチタイヤとあって少し硬めですが、突き上げ感や粗さは生じません。ボディ剛性を高め、足まわりが正確に動くからです。以前は安定性と乗り心地が相反する時代もありましたが、今は足まわりの性能を高めると、両方の性能がバランス良く向上します。

ステアバイワイヤの操作は慣れないと違和感が非常に大きい

電気信号で操舵するステアバイワイヤも試乗しました。長方形のステアリングを操作します。街中の狭い道を想定したコースを走ると、ステアリングの操舵角がきわめて小さいです。通常ならステアリングホイールを1回転(360度)以上回す場所でも、ステアバイワイヤなら60度程度で済みます。

ただし慣れないと違和感が非常に大きいです。長方形のステアリングを少し回すだけで、車両の進路が大幅に変わって体が横方向に振られるため、最初は運転しながら軽いクルマ酔いになりました。

開発者は「慣れると腕の動きが圧倒的に減るからラク」と述べましたが、ユーザーによっては違和感が残るでしょう。開発者は「長方形のステアリングは、通常とは違う特別なクルマであることをドライバーに認識してもらう役割も担っています」と述べました。なおステアバイワイヤのギヤ比は、高速になると、次第に通常の比率に戻ります。時速100km程度で通常のギヤ比になるため、高速道路では違和感が薄れます。

ステアバイワイヤは一般的な乗用車より、ほかのカテゴリーで真価を発揮する機能

ステアバイワイヤの本当の目的は、もっと違うものでしょう。例えば本格的な衝突回避ステアリングを実現するには、ドライバーがステアリングホイールを握りしめていても、電子制御で前輪を大きく操舵する機能が必要です。さらに自動運転には、ステアバイワイヤが不可欠です。新型RZの機能は、そこに通じるひとつのステップになります。

また身障者用車では、ステアリングホイールに装着された丸いノブを握って回しますが、ステアバイワイヤがあると、操舵量が大幅に軽減されます。操舵量の大きなトラックや工事現場などで使う作業用の車両にも応用できそうです。一般的な乗用車より、ほかのカテゴリーで真価を発揮する機能だと思います。

新型RZの予想価格

以上のように新型RZは、モーターの動力性能が高く、走行安定性や操舵感も優れているため、走りの満足度が大きいです。先進装備も満載され、日本の電気自動車としては、日産 アリアと並ぶ上級車種です。

前述の通りリチウムイオン電池容量は71.4kWhで、WLTCモードにより494kmを走行できるため、東京電力の従量電灯Bで計算すると1km当たりの走行コストは2.9円です。これは国産電気自動車の平均的な金額です。

車両価格は未定ですが、コンパクトなレクサスUX300eバージョンLは635万円です。新型RZの価格は、上級SUVのRX450h+(871万円)、RX500h・Fスポーツパフォーマンス(900万円)を上まわり、950〜1000万円になると思われます。経済産業省による補助金交付額は、従来基準なら85〜92万円です。RZは電気自動車の最先端モデルとあって、補助金の交付を受けられても、実質価格は相応に高くなるでしょう。

[筆者:渡辺陽一郎 撮影:森山 良雄]

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