【2023年】三菱 新型デリカミニの値段や内装、燃費はいかに? SUV風軽自動車のダイハツ 新型タントファンクロス、スズキ 新型スペーシアギアと徹底比較
MōTA / 2023年4月30日 10時0分
軽自動車で特に人気なのは全高1700mm以上のスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプです。その中でも最近ではSUV風にカスタムされている車種が多く登場しています。今回は三菱 新型デリカミニをスズキ 新型スペーシアギア、ダイハツ 新型タントファンクロスと外観や内装、居住性、荷室、収納設備、安全装備、燃費、価格、納期など9項目で比較します。
2023年の軽自動車のトレンドは「SUV風」
今は軽自動車の人気が高く、2022年には、国内で売られた新車の39%を占めました。
軽自動車の中でも、特に販売の好調なタイプがスーパーハイトワゴンです。全高が1700mmを超えるボディで車内は広く、スライドドアの装着によって乗り降りもしやすいです。
その中でも今は三菱 新型デリカミニが注目されています。以前の三菱 eKクロススペースの改良版ですが、フロントマスクが大幅に変更され、売れ行きも大幅に増えました。
新型デリカミニは、デリカD:5や歴代デリカと同じく、スーパーハイトワゴンの広い車内に、SUVのデザインや機能を組み合わせています。
そこで新型デリカミニを人気の高いライバル車のダイハツ 新型タントファンクロス、スズキ 新型スペーシアギアと外観、内装、居住性、荷室、収納設備、安全装備、燃費、価格、納期など9項目で比べてみましょう。いずれも全高が1700mmを超えるスライドドアを備えたボディを備え、SUV風にアレンジされています。
外観/視界/運転のしやすさ比較
1位:新型スペーシアギア2位:新型タントファンクロス
3位:新型デリカミニ
比較評価の解説
視界は3車と互角ですが、新型スペーシアギアはインパネの上面を平らに仕上げられています。3車の中では前方視界がスッキリしていて、一番見やすいです。
売れ筋グレードの最小回転半径は、新型タントファンクロスと新型スペーシアギアは4.4mに収まり、新型デリカミニは4.5mで少し大回りです。
内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較
1位:新型デリカミニ2位:新型スペーシアギア
3位:新型タントファンクロス
比較評価の解説
インパネなどの質感は、各車ともに高いですが、新型デリカミニは特にていねいに造り込まれています。
新型タントファンクロスは、高い位置に薄型デジタルメーターを配置しており、ユーザーによっては視認性の評価が変わります。
新型スペーシアは質感は特に高くないですが、機能的に仕上げられています。
前後席の居住性比較
1位:新型タントファンクロス2位:新型デリカミニ
3位:新型スペーシアギア
比較評価の解説
前席の座り心地は3車ともに快適です。ベンチタイプでサイズに余裕があり、車種ごとの優劣の違いはほとんどありません。
後席の足元も広く、頭上の余裕を含めて3車とも同程度です。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ3つ半の空間があります。
後席の座り心地は車種によって異なり、新型タントファンクロスが最も快適です。新型デリカミニは座面が少し短く感じます。新型スペーシアギアは、もう少し座り心地にボリューム感が欲しいです。
乗降性比較
1位:新型タントファンクロス2位:新型デリカミニ
3位:新型スペーシアギア
比較評価の解説
乗降性が最も優れている車種は新型タントファンクロスです。左側のピラー(柱)をドアに内蔵させ、前後のドアを両方ともに開くと、開口幅が1490mmに拡大します。
さらに運転席のロングスライド機能が2万2000円でオプション設定され、これを装着すると、車内の移動もしやすいです。
運転席をあらかじめ後方にスライドさせておくと、ワイドに開くスライドドアからベビーカーを抱えて乗り込み、子供を後席のチャイルドシートに座らせ、そのまま降車せずに運転席へ移動できます。子育て世代に最適な機能です。
新型デリカミニは、ピラーを内蔵した構造ではありませんが、スライドドアの開口幅は650mmと比較的ワイドです。新型スペーシアギアは600mmです。
荷室&シートアレンジ比較
1位:新型スペーシアギア2位:新型デリカミニ
3位:新型タントファンクロス
比較評価の解説
いずれの車種も、後席を格納すると広い荷室に変更できます。新型デリカミニと新型スペーシアギアは、後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がります。荷室の床に少し傾斜ができますが、後席は小さく格納することができます。
新型タントファンクロスはマイナーチェンジでシートアレンジが単純化され、座面は下がりません。背もたれが前側へ倒れるだけです。
従って後席を格納した時は、荷室の床がライバル2車よりも80〜100mm高くなります。その代わり荷室後端のボードを持ち上げると、平らな空間になり、持ち上げたボードの下は収納設備として使えます。それでも実用性を確認しましょう。
路面からリヤゲート開口下端部までの高さは、新型スペーシアギアが510mmと低く、自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はありません。新型タントファンクロスは580mm、新型デリカミニは2WDが590mmで4WDは610mm前後です。
収納設備比較
1位:新型スペーシアギア2位:新型デリカミニ
3位:新型タントファンクロス
比較評価の解説
収納設備が最も充実しているのは新型スペーシアギアです。助手席の前側には、最上部にアッパーボックス、その下はボックスティッシュなどが収まる引き出し式の収納設備、一番下はグローブボックスになります。さらに助手席の座面を持ち上げると、大型シートアンダーボックスが内蔵され、ハンドルが付いているため車外へ持ち出せます。
新型デリカミニも助手席の前側にアッパートレイ、その下側に引き出し式のボックス、一番下にはグローブボックスを装着しました。
新型タントファンクロスは、メーターを高い位置に装着したので、ステアリングホイールの奥側に収納設備が備わっています。
安全装備比較
1位:新型デリカミニ2位:新型タントファンクロス
3位:新型スペーシアギア
比較評価の解説
安全装備は新型デリカミニが充実しています。衝突被害軽減ブレーキの前方衝突予測警報は、2台先を走る車両の動きも検知します。踏み間違い衝突防止アシストは、前後両方向ともにブレーキ制御があります。サイド/カーテン/ニーエアバッグも標準装着しています。
2位は新型タントファンクロスで、前後の誤発進抑制機能は、新型デリカミニと同じようにブレーキ制御を含みます。
燃費性能比較
1位:新型タントファンクロス2位:新型スペーシアギア
3位:新型デリカミニ
比較評価の解説
売れ筋になるノーマルエンジン搭載車(2WD)でWLTCモード燃費を比べると、新型タントファンクロスが21.9km/L、新型スペーシアギアはマイルドハイブリッドを搭載して21.2km/L、新型デリカミニは20.9km/Lです。いずれも僅差です。
買い得グレード/価格の割安度/納期比較
1位:新型スペーシアギア2位:新型デリカミニ
3位:新型タントファンクロス
比較評価の解説
今回取り上げた3車種は、すべてスーパーハイトワゴンをSUVに発展させたタイプで、バリエーションは少ないです。新型デリカミニは2グレード、新型タントファンクロスと新型スペーシアギアは基本的に1グレードで、エンジンはノーマルタイプとターボ、駆動方式は2WDと4WDがあります。
2グレードを用意する新型デリカミニは、上級のプレミアムが買い得です。Gプレミアム2WD(198万5500円)は、Gグレードに右側スライドドアの電動機能、車両の周囲を上空から見たような映像で表示するマルチアラウンドモニター、運転支援機能のマイパイロットなど31万円相当の装備を加えて、価格の上乗せを18万1500円に抑えました。
新型タントファンクロス2WD(168万8500円)は、運転支援機能や各種のモニターなどがオプション設定です。これらを加えると15万9500円の上乗せで、車両価格との合計は184万8000円です。
新型スペーシアハイブリッドXZ2WD(172万5900円)は、比較的装備はシンプルで価格を割安に抑えました。それでも装備の違いを含めると、買い得度の差は小さいです。
なお販売店に納期を尋ねると、新型デリカミニと新型タントファンクロスは約4か月で、新型スペーシアギアは約3か月と返答されました。小型/普通車では半年から1年を要する車種が増えているため、軽自動車は納期で有利になります。
総合評価と推奨ユーザー
新型デリカミニは、機能が全般的に優れています。特に内装が上質で安全面を中心に装備も充実しており、価格は少し高めですが、上級カテゴリーのような満足感を求めるユーザーに適しています。新型タントファンクロスは、左側のピラーをスライドドアに内蔵させたことが決め手です。乗降性が優れ、子育て世代のユーザー、あるいは高齢の家族がいる世帯にピッタリです。
新型スペーシアギアは荷室の床が低く、荷物の収納性が優れています。収納設備も豊富に用意したので、実用性を重視するユーザーに向いています。それぞれの車種には機能の特徴があるので、ご自分に最適な車種を選んでください。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部】
外部リンク
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