【2024年】トヨタ 新型プリウスの価格や燃費、内装、サイズ、買い得グレードなどを解説
MōTA / 2024年5月9日 19時0分
2022年11月に5代目となるトヨタ 新型プリウスが登場し、スタイリッシュでスポーティなプロポーションなどから人気が続いています。 当記事ではそんな新型プリウスの購入時に参考となる情報を網羅的にご紹介。新型プリウスの価格や燃費、内装、サイズ、グレードの比較、買い得グレードなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
トヨタ 新型プリウスとは?
2023年に発売された新型車の中で、注目度が最も高かった車種は5代目プリウスでしょう。日本を代表する自動車の賞「日本カー・オブ・ザ・イヤー」でも大賞に選ばれています。
そんな新型プリウスですが、最近はさまざまな車種にハイブリッドが用意され、先代型では売れ行きが下がってしまいました。
そこで新型プリウスは、ハイブリッドの経済性に加えて、モーター駆動による走りの良さなど、ハイブリッドの付加価値に目を向けて開発されました。そして新たに、外部充電が可能なPHEV(プラグインハイブリッド)も選べるようになりました。このフルモデルチェンジにあわせ新型プリウスではグレード構成が変わっています。記事の後半ではグレードの比較をおこないつつ、買い得グレードについて解説をしています。
まずは外観や内装、ボディサイズ、価格、燃費など購入時に参考となる基本的な情報から紹介していきます。
新型プリウスの外観
新型プリウスは、歴代モデルのアイコンである「モノフォルムシルエット」を継承しながら、「一目惚れするデザイン」をコンセプトとし、より低重心でスタイリッシュなプロポーションへと進化しました。シンプルでありながら力強い造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」が表現されています。新型プリウスのデザインは、上質な美しさと言えるでしょう。
新型プリウスの内装
新型プリウスの内装は、「アイランドアーキテクチャー」コンセプトに基づいて設計されています。このコンセプトは、開放感と利便性を兼ね備えた空間づくりを目指したものです。
インパネやセンターコンソールを低く配置することで、圧迫感のない広々とした室内空間です。またスイッチ類をシンプルにまとめ、使いやすいレイアウトにすることで、直感的な操作がしやすくなっています。
新型プリウスのボディサイズ
新型プリウスのボディサイズは全長4,600mm、全幅1,780mm、全高1,430mm、ホイールベース2,750mmです。全高も先代型に比べて40mm低く抑えられ、スタイリッシュな5ドアクーペとなっています。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|
4,600mm |
1,780mm |
1,430mm(※) |
2,750mm |
新型プリウスの価格、グレード展開、グレード別の価格
価格
新型プリウスの車両価格(税込)は320万円~460万円です(ビジネスグレードのX、KINTO専用グレードのUを除く)。
グレード展開
パワートレイン | グレード |
---|---|
PHEV(プラグインハイブリッド) |
Z |
ハイブリッド(2.0Lエンジン) |
Z、G |
ハイブリッド(1.8Lエンジン) |
U、X |
新型プリウスのグレードはPHEVの「Z」、ハイブリッドの「Z」「G」「U」「X」の5種類です。
パワートレインは直列4気筒1.8Lエンジンのハイブリッド、直列4気筒2.0Lエンジンのハイブリッドが用意されています。
XグレードとUグレードは1.8Lエンジン、GグレードとZグレード、PHEV Zグレードには2.0Lエンジンが装備されています。
駆動方式は、前輪駆動の2WDと、後輪を前輪とは別のモーターで駆動する4WDのE-Fourが選択できます(PHEV Zグレードは2WDのみ)。
グレード別の価格
パワートレイン・グレード・駆動方式 | 価格(税込) |
---|---|
PHEV Z(2WD) |
460万円 |
ハイブリッド Z(2WD) |
370万円 |
ハイブリッド Z(E-Four) |
392万円 |
ハイブリッド G(2WD) |
320万円 |
ハイブリッド G(E-Four) |
342万円 |
ハイブリッド U(2WD) |
299万円 |
ハイブリッド U(E-Four) |
321万円 |
ハイブリッド X(2WD) |
275万円 |
ハイブリッド X(E-Four) |
297万円 |
5グレードのうち、1.8LのUグレードは定額制カーリースのKINTO(キント)専用車です。KINTOでは車両を必ず返却しなくてはならないため、購入はできません。
またUグレードの価格は2WDが299万円、E-Fourが321万円と設定されていますが、あくまでもリース料金を算出するための基準額です。
新型プリウスの燃費
パワートレイン・グレード/駆動方式 | 燃費(WLTC) |
---|---|
PHEV Z(2WD) |
26.0km/L |
ハイブリッド Z(2WD) |
28.6km/L |
ハイブリッド Z(E-Four) |
26.7km/L |
ハイブリッド G(2WD) |
28.6km/L |
ハイブリッド G(E-Four) |
26.7km/L |
ハイブリッド U(2WD) |
32.6km/L |
ハイブリッド U(E-Four) |
30.7km/L |
ハイブリッド X(1.8L 2WD) |
32.6km/L |
ハイブリッド X(1.8L E-Four) |
30.7km/L |
新型プリウスの燃費は26.0km/L~32.6km/Lです。パワートレインで分けると、PHEVが26.0km/L、ハイブリッドは26.7km/L~32.6km/Lです。
PHEVのEV走行時のスペック
充電電力使用時走行距離 |
87km |
---|---|
交流電力量消費率(電費) |
134Wh/km |
新型プリウス PHEVはBEV(バッテリー式電気自動車)のように外部から充電した電気のみを動力源としてモーター走行が可能です。
外部充電電力がなくなるまでに走行可能な距離である「充電電力使用時走行距離」は87kmです。ガソリン車でいう燃費にあたる「交流電力量消費率(電費)」は134Wh/kmです。
近所への買い物や駅までの送り迎えなど日常シーンの利用であれば、外部充電だけでも十分に対応可能です。
新型プリウス グレード比較|買い得グレードはどれ?
ここからは当記事のメインコンテンツである買い得グレードについて解説していきます。ハイブリッドはG・Zグレードがおすすめ! その理由とは?
UグレードがKINTO専用車であることを考えると、1.8Lで購入可能なのはXグレードのみで、価格は275万円です。2.0LエンジンのGグレードは320万円ですから、Xグレードに比べて45万円高くなります。
この価格差から考えると、Xグレードが買い得に思えますが、そうともいえません。
追加装備を考慮すると、実質4万円で排気量は1.8Lから2.0Lになる
なぜなら2.0LのGグレードには、Xグレードにオプション設定される「総額41万円相当」の装備が加わるからです。
Gグレードの標準装備(Xではオプション装備)
・8インチディスプレイオーディオなどのセットオプション(22万7700円)
・19インチアルミホイール(11万2200円)
・上級ファブリックシート生地(7万2600円)など
GグレードとXグレードの価格差は前述の45万円ですが、このうちの41万円は装備の違いで埋まります。
そうなると1.8Lハイブリッドと2.0Lハイブリッドの正味価格差は、わずか4万円です。
200ccの排気量差だけではなく2.0L仕様は性能も上級
2.0Lのハイブリッドは、1.8Lに比べて排気量が200cc増えるだけでなく、エンジンのメカニズムも上級化します。
筒内噴射とポート噴射を併用するD-4S(排出ガスの低減や燃焼効率の向上が期待されるガソリン直噴エンジンの技術)が採用されています。
しかも2.0Lハイブリッドは、1.8Lに比べてモーターの動力性能も高いです。エンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は、1.8Lは140馬力ですが、2.0Lでは196馬力となります。停車状態から時速100kmに達するまでの加速タイムも、1.8Lは9.3秒ですが、2.0Lでは7.5秒に短縮されます。これだけの動力性能が実質4万円で得られるので、2.0Lが買い得です。
おすすめ排気量2.0LのG、Zグレードを比較|買い得はどっち?
2.0Lハイブリッドエンジンには、価格が320万円のGグレードと、上級に位置する370万円のZグレードがあります。ではどちらが買い得なのでしょうか。ZグレードにはGグレードでオプションとなる装備の「総額60万円相当分」が加わります。
Zグレードの標準装備例(Gグレードではオプション)
・緊急時操舵支援機能
・パーキングサポートブレーキ
・スマートフォンを使って車外から車庫入れの操作が行える「アドバンストパーク」
・リヤゲートの電動開閉機能
・スーパーUV&IRカットガラス
・自動防眩ミラー
・パノラミックビューモニター など
細かな装備が多いですが、Zグレードの価格はGグレードに比べて50万円の上乗せに抑えたので、Zグレードが10万円ほど割安です。
したがって、Zグレードに加わる装備に魅力を感じるユーザーであれば、GグレードよりもZグレードが買い得です。
PHEVとハイブリッドのグレード比較|買い得はどっち?
最上級に位置するPHEV Zグレードの価格は460万円なので、370万円のハイブリッドZグレードに比べて90万円高いです。さすがに90万円となれば大幅な価格アップとなるのでPHEV Zグレードが割高に思われますが、そうでもありません。
まずPHEV Zグレードには、ハイブリッドZグレードとは異なる装備が採用されます。ハイビーム状態でも対向車などの眩惑を抑えられるアダプティブハイビームシステム、上級タイプのディスプレイオーディオなどです。
これらの装備が合計15万円に相当するため、ハイブリッドZグレードとPHEV Zグレードの正味価格差は、90万円から15万円を差し引いた75万円です。
PHEVの補助金は55万円なので、実質価格差は20万円
PHEVでは、申請をすることで経済産業省による55万円の補助金を受け取れます。
この補助金額も差し引くと、PHEVとハイブリッドの最終的な実質価格差は、20万円に縮まります。
PHEVは動力性能の高さも魅力
新型プリウスのPHEVは、1回の充電により、WLTCモードで87kmをエンジンを始動させずに走行できます。
駆動用リチウムイオン電池の違いにより、ハイブリッドZグレードに比べて動力性能も高いです。
システム最高出力は、ハイブリッドZグレードは前述の196馬力ですが、PHEV Zグレードは223馬力まで強化され、停車状態から時速100kmに達するまでの加速タイムも6.7秒です。この加速性能は、トヨタ 新型GR86などのスポーツカーに迫ります。つまりPHEVは、1回の充電により87kmを電気自動車として走行でき、動力性能もスポーツカー並みに高められているにも関わらず、実質的な価格は20万円高です。
PHEVのZグレードがもっとも買い得
これまで触れてきた装備などが割安に加わるとなると、ハイブリッドZグレードよりもPHEV Zグレードが買い得でしょう。プリウスの機能や装備と価格のバランスは、1.8LのXグレードよりも2.0LのGグレード、さらにZグレード、PHEV Zグレードという具合に、上級グレードほど割安になるのです。
新型プリウス PHEVの注意点
新型プリウスにおいて買い得なPHEVですが、残念な点もあります。それは急速充電器が使用できないことです。先代プリウスPHVは急速充電器を使えたのですが、新型のPHEVでは廃止され、普通充電しか行えません。そのため、急速充電器のみが設置されたマンションなどに住むユーザーは購入しにくくなっています。
PHEVのメリットとして、通常は給油によってハイブリッドとして走り、充電設備のある場所で充電する融通が利くことも挙げられます。電気自動車と違って、集合住宅に住んでいても所有できますが、急速充電器が使えないと、このメリットも生かしにくいです。
日本では総世帯数の約40%が集合住宅に住んでいるので(総務省統計局・平成30年住宅・土地統計調査より引用)、急速充電器をオプション装備として復活させて欲しいところです。
そうなればPHEV Zグレードは、プリウスの完璧な買い得グレードになるでしょう。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/トヨタ自動車/MOTA編集部】
外部リンク
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