車のライトのつけ方とロービームやハイビームの違い、最新のライトの機能について紹介
MōTA / 2023年8月16日 17時0分
普段運転をしない方にとって、夜間の運転は難易度が高いはず。とくに最近の車はスイッチが多く「どうすればヘッドライトをつけられるのか」など、操作で戸惑うことがあるかもしれません。 今回はそんな方のために、車のヘッドライトのつけ方や、ロービームとハイビームをどのように使い分ければ良いのか、自動で点灯するオートライトやデイライトとはどんな機能なのかご紹介します。
車のライトの種類
車のライトの種類からご紹介しましょう。大きく5つに分けられます。
1)ヘッドライト(前照灯)
2)ポジションランプ(車幅灯)
3)フォグランプ(霧灯)
4)テールランプ(尾灯)
5)ブレーキランプ(制御灯)
一つずつ解説します。
1)ヘッドライト(前照灯)
ヘッドライトはその名の通り、車の前方を照らす役割を果たすライトです。前方約40m先まで照らす「ロービーム」と前方約100m先まで照らす「ハイビーム」を切り替えることができます。
ヘッドライトのスイッチの操作方法については後述します。
ポジションランプ(車幅灯)
ポジションランプは車の前方側端部(ヘッドライトの外側)に備わっており、車幅を知らせるライトです。スモールライトとも呼ばれます。ポジションランプのスイッチはヘッドライトと同じ位置にあります。ヘッドライトを点灯させるとポジションランプも連動して点灯するため、ヘッドライトの点灯方法とあわせて紹介します。
フォグランプ(霧灯)
フォグランプは霧や雨、雪などによって、ヘッドライトだけでは視界の確保ができない場合に用いられるライトです。ヘッドライトよりも低い位置に取り付けられます。後方(リア)にもフォグランプが備わっている車もあります。
フォグランプはポジションランプを点灯させた状態でフォグライトスイッチを操作することでつけられます。また、フォグランプがオンになっている状態でポジションランプをつけた場合も点灯します。フォグランプをつけたままでいると、次にライトをつけて走行する際にもフォグランプがついた状態となる場合があるので、使用後は忘れずに切るようにしましょう。
なお、フォグランプのスイッチの位置は車によって異なります。ウィンカーレバーに備わっていることや、ダッシュパネル上にスイッチがあることもあります。使用する前に取扱説明書で確認しておくようにしましょう。
テールランプ(尾灯)
テールランプは車両後方の側端部に備えられるライトです。赤色で後方に対して自車の位置や車幅を伝える役割があります。テールライトはヘッドライトやポジションランプと連動して点灯します。
ブレーキランプ(制御灯)
ブレーキランプは、自車が減速していることを後方へ向けて知らせるライトです。ブレーキランプと連動するハイマウントストップランプは、ブレーキランプよりも高い位置の車体中央についている補助制動灯です。
ヘッドライトのスイッチでできること|ライトスイッチの基本操作
ここからはヘッドライトやポジションランプなどライトスイッチでできる操作とその方法についてご紹介します。
国産車ではハンドルの右側、輸入車ではハンドルの左側にヘッドライトのスイッチが配置されています。ウインカーレバーの先端を回すことで操作できます。
ライトスイッチの基本操作は、次のとおりです。消灯
ポジションランプ(車幅灯)
ロービーム
ハイビーム
パッシング
一つずつ解説します。
1. 消灯
日中などは基本的にヘッドライトを消して走行します。ただし、雨天時など視界が悪くなっている際は自車の存在を示すためにもヘッドライトを点灯して走るようにします。駐車中にヘッドライトをつけっぱなしにしてしまうとバッテリー上がりの原因となるので、必ず消灯するようにしましょう。
ただし、最近ではオフで固定できる車は少なくなっています。詳しくは「自動でライトがつく、調整する機能3つ」でご紹介します。
2. ポジションランプ
車幅灯と呼ばれるもので、ヘッドライトの一番外側に位置するランプです。車の存在を周囲へ知らせる役割があります。3. ロービーム(すれ違い用前照灯)
ヘッドライトを点灯するシーンで一般的に用いられるのがロービームです。前方40m先まで照らすよう設計されており、対向車や自車の前後など、周囲に車がいる際には周囲のドライバーに配慮し、ロービームを使用します。トンネルの中を通過する際や雨天時、夕暮れの薄暗くなってきたころから(おおよそ17時〜19時ごろ。季節によって異なります)点灯するようにしましょう。
4. ハイビーム(走行用前照灯)
ハイビームとロービームの違いは、照射範囲です。ハイビームは前方100m先を照らすことができ、ロービームは前方40m先しか照らすことができません。そのため、夜間走行ではハイビームの方が視界が広くなり、安全に運転することができます。ロービームとハイビームは状況で使い分けます。対向車や先行車がいる場合は、ハイビームの光が相手の目をくらませる恐れがあるため、市街地などではロービームを使用します。一方で暗い郊外や山道など周囲に車がいない時にはハイビームを使用します。
最近の車はヘッドライトの光源が明るくなり、ドライバーには見えやすい半面、周囲の人は眩しいと感じさせてしまう恐れがあります。
そのため、対向車が多い場所でのハイビームの消し忘れや、市街時で常時ハイビームにするなどといった行為はトラブルの元となる可能性も。また、歩行者や自転車に乗る人まで眩惑させてしまう危険があるため、周囲の状況にあわせてハイビームを使用しましょう。
ハイビームの使い方をまとめると、以下の通りです。
・対向車や先行車がいる場合は、ロービームに切り替える
・暗い郊外や山道など周囲に車がいない場合にはハイビームを使用する
・ハイビームを使用する場合でも、対向車や先行車がいないことを必ず確認してから使用する
・市街地に入った際には、ハイビームの消し忘れがないように注意する
5. パッシング
パッシングとは、ヘッドライト(ハイビーム)を素早く点灯させることで、対向車や先行者へ合図を送る行為です。やり方は、ヘッドライトスイッチのレバーを手前に引いてヘッドライトを点灯させ、すぐにレバーを離します。この操作を1回か2回行います。何回も繰り返し行うと相手のドライバーが不快に感じ、結果的にトラブルの原因にもなるので、執拗に行わないようにしましょう。パッシングにはさまざまな意味があるため、ここでは一例を紹介します。
1)対向車に道を譲る
自車のいる車線が詰まっている時や狭い道ですれ違う時などに、対向車に道を譲る際「お先にどうぞ」という意図でパッシングを使用することがあります。
2)感謝を伝える
逆に、対向車に道を譲ってもらった時にパッシングで感謝の気持ちを表すことがあります。
3)注意を促す
昼間にヘッドライトを消し忘れている場合や、対向車のヘッドライトがハイビームで眩しすぎる場合、夜間やトンネル内でライトをつけていない状態(無灯火運転)などを知らせるために、パッシングで警告することがあります。
また、交差点で横断歩道を渡ろうとしている人がいることを対向車に知らせる際にも使用します。遮蔽物があるなど、対向車側から見えにくい場所に歩行者がいる場合などに便利です。ほかにも、高速道路で追い越し車線などを走行中に後続車がパッシングをする場合「先に行きたい」という意思表示で使われることや、無理な割り込みや急な停車などをする車に対して、パッシングで抗議の意思を伝えることもあります。
ただし、抗議の意味で使用する際にもしつこくパッシングをし続けるとあおり運転と受け取られ、トラブルの原因となることがあります。パッシングを受けた人も抵抗して追い越し車線を走り続けるのではなく、安全な場所で譲るようにしましょう。お互いにムキにならない方がトラブルを回避できます。 このように、パッシングはさまざまな意図で用いられるため、正しく意味を伝えられないとトラブルや事故の原因となることがあります。また、パッシングの意味は地域によって受け止め方が違うことがあります。実際に走行していて感じたことがある人もいるかもしれませんが、関東では対向車へのパッシングは「お先にどうぞ」と道を譲る場合が多く、関西では「自分が先に進む」という合図であることが多いです。
パッシングを受けたからといって瞬時に意味を判断するのではなく、相手側のドライバーの表情や車の動きなどを確認して行動するようにしましょう。
ヘッドライトの切り替えスイッチの使い方
一般的なヘッドライトスイッチの使い方について紹介します。
国産車の場合はハンドルの右側、輸入車の場合はハンドルの左側に設置されているので、間違えないように気をつけましょう。
スイッチは先端を車両後方側(手前)にひねるとオン、車両前方(奥)に戻すとオフになります。
スイッチの順番としては、一般的にOFF(消灯)、ポジションランプ(車幅灯・スモールランプ)、ロービームです。段階的にひねることで切り替わります。車種によって操作が異なる可能性もあるため、操作の前に表示を確認してください
ハイビームはヘッドランプが点灯しているときにライトスイッチ自体を車両前方に押すと切り替わります。 ロービームに戻したいときは、ライトスイッチ自体を車両後方に引きます。ライトがついているかどうかを確認したいときは、メーターパネルを確認しましょう。車種によって場所は異なりますが、点灯すると下記画像のようなライトのマークがつきます。ハイビームに切り替えているときは、ヘッドランプ上向き表示灯(青いマーク)が点灯します。
自宅の駐車場など安全が確認できるところで、ライトスイッチを操作してから車外に出てどこが点灯しているか確認すると分かりやすいです。
運転する前には球切れ(ライトのスイッチをひねって点灯させているにも関わらず、ライトがつかない状態)になっていないか確認することはドライバーの義務です。車に乗る前にチェックするようにしましょう。自動でライトがつく、調整する機能3つ|2020年以降に販売された新車ならライトスイッチを触らなくても勝手にライトが点灯!
ライト類には最近大きく変更された点があります。2016年からデイライトの搭載が始まり、2020年からオートライトが義務化されました。こうした機能は自動で点灯してくれるものなのでライトのスイッチを触ることが少なくなっています。ここでは、これらの便利機能についてご紹介します。
オートライトとは?
2020年4月から販売される新型車に「オートライト機能」の搭載が義務付けられています。オートライトとは、走行中の車が周囲の明るさを検知して、自動的にヘッドライトを点灯/消灯する機能のことです。この機能が特に効果を発揮するのは、周囲の車を認識しづらい夕暮れ時です。この時間帯はついヘッドライトの点灯を忘れがちですが、年間を通じて事故の多い時間帯とも言われています。
オートライト機能があれば暗くなるのを検知して自動で点灯するため、ライトのつけ忘れ、消し忘れがありません。
もちろん、雨天時など悪天候で暗い場合、トンネルや高架下など、周囲が暗くなる場所でも自動でライトがつきます。
ライトのスイッチは最初から「AUTO(オート)」に設定されており、夜間などは停車中でなければ消すことができません。一度消灯していても、車が動き出すと自動的にライトが点灯します。
レンタカーなど初めて乗る車や中古車の購入時などで、オートライト機能がついているのか分からない場合は、担当者に確認してみると良いでしょう。現在購入できる新車であれば必ずついています。
デイライトとは?
オートライトより少し早く、2016年から基準が定められたデイライト(昼間走行灯)についてご紹介します。デイライトの正式名称は「デイタイム・ランニング・ランプ」で、LED(発光ダイオード)を使用した昼間点灯用ライトのことです。
先ほどご紹介した、自動点灯の機能をもつオートライトは夕暮れ時など暗くなるまでは点灯しませんが、デイライトの場合は日中であっても点灯するのが特徴です。
デイライトの目的は、対向車や歩行者などに、自車の接近や存在を知らせることです。
特に、見通しの悪い交差点や曲がり角、歩行者も通る狭い道などでは、交通事故を防ぐ効果が期待できます。
デイライトはイグニッション(エンジンの始動や各種電気系統の制御を行うための装置)に連動しているので、特にスイッチを操作することはありません。エンジンをかけていれば、常時点灯し、パーキングブレーキをONにすると消灯します。
デイライトもオートライトと同様につけ忘れ、消し忘れの心配はありません。
オートハイビーム(自動切替型前照灯)とは?
オートハイビームとは、前方の状況に応じて自動的にハイビームとロービームを切り替える機能のことです。メーカーによって名称は異なりますが、この記事では総称してオートハイビームとします。対向車や先行車がいない場合、ハイビームで走行できると判断するとハイビームでの走行となります。走行中、先行車や対向車のライトを認識すると自動的にロービームに切り替わります。そのため、ハイビームの消し忘れを防ぐことができます。
まとめ
今回は車のライトの種類、ヘッドライトの機能やつけ方と、自動点灯するオートライト、デイライト、オートハイビームについてご紹介しました。
車についているスイッチはたくさんあって分かりにくいかもしれませんが、安全のためにも運転する前に必ず確認するようにしましょう。
周りの交通への配慮を十分にしながら、ヘッドライトを正しく使用してくださいね。
【筆者:MOTA編集部 カメラマン:日産自動車/小林 岳夫/茂呂 幸正/MOTA編集部】
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