スズキ 新型スイフトの価格は172万円〜! 燃費や内装、サイズ、グレードごとの違いなどを徹底解説
MōTA / 2023年11月10日 19時0分
スズキは軽自動車が主力のメーカーとされていますが、コンパクトカーにも力を入れています。この度、その中心的な存在とされるスイフトのフルモデルチェンジが実施されます。 正式な発表は2023年12月6日の予定ですが、販売店では11月上旬から価格を明らかにして予約受注を開始しました。 そこで今回は新型スイフトの価格、装備、燃費、推奨グレードなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。
新型スイフトの価格と燃費(2WD/販売店調べ)
新型スイフトのグレードと価格(2WD/販売店調べ)
エンジンタイプ |
グレード |
価格(税込) |
1.2Lノーマルエンジン |
XG |
172万7000円 |
1.2Lマイルドハイブリッド |
ハイブリッドMX |
192万2800円 |
ハイブリッドMZ |
216万7000円 |
WLTCモード燃費(2WD/販売店調べ)
ノーマルエンジン(XG) |
23.4km/L |
マイルドハイブリッド(ハイブリッドMX/MZ) |
24.5km/L |
新型スイフト グレード別主要装備
グレード | 主な装備 |
---|---|
XG |
衝突被害軽減ブレーキ |
ハイブリッドMX |
(XGの装備に加えて/価格アップは19万5800円) |
ハイブリッドMZ |
(MXの装備に加えて/価格アップは24万4200円) アダプティブハイビーム |
新型スイフトのレビュー・評価
外観 |
4.0 |
★★★★☆ |
内装・居住性 |
3.0 |
★★★☆☆ |
走行性能 |
3.0 |
★★★☆☆ |
運転のしやすさ |
4.0 |
★★★★☆ |
乗り心地 |
3.0 |
★★★☆☆ |
燃費 |
5.0 |
★★★★★ |
価格の割安度 |
4.0 |
★★★★☆ |
〇 新型スイフトの良い点
・マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は本格ハイブリッドに匹敵する24.5km/L
・安全装備のブラインドスポットモニターなどを全車に標準装着
・価格以上に内装が上質で運転席には適度な包まれ感がある
× 新型スイフトの気になる点
・後席の居住性は先代型と同程度で広々感はない
・従来型に用意された5速MTを選べるRSが廃止された
・スイフトスポーツも現時点では用意されていない
新型スイフトの外観(エクステリア)
まず新型スイフトの外観のデザインです。新型スイフトは従来の形状を踏襲していますが、中級のハイブリッドMXや上級のハイブリッドMZでは、フロントグリルにメッキの縁取りが入りました。5ナンバーサイズを守りながら、ボディサイドのボリューム感を強めています。
また、新型スイフトでは後席のサイドウィンドウも広がり、後方視界も向上しました。後席の外側のドアノブは、先代型では高い位置に装着されていましたが、新型スイフトでは一般的な配置になり、子供でも手が届きやすくなっています。
新型スイフトの運転席に座ると、ボンネットが良く見えるため、ボディの先端や車幅が分かりやすいです。新型スイフトの内装(インテリア)
新型スイフトの内装ではインパネが立体的な形状になって質感も高まりました。メーターの視認性も優れ、エアコンのスイッチは先代型と同じく高めの位置に装着されているため、操作しやすいです。新型スイフトのインパネ周りはドライバーの囲まれ感を重視してデザインされ、左端のスイッチにも手が届きやすくなっています。
開発者は「従来型はクルマ好きを狙ったデザインでしたが、新型はもう少しユーザーの幅を広げられるように配慮しました」と言います。
新型スイフトのシート
新型スイフトの前席は背もたれが腰を包む形状になりました。乗員の身体がシートにスッポリと収まる印象です。
背もたれを少し立て気味に調節して新型スイフトの運転席に座ると、ステアリングホイールとの位置関係を含めて、運転姿勢がピタリと決まります。
新型スイフトの後席の広さはコンパクトカーの平均水準です。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の頭上には握りコブシ1つ分、膝先には握りコブシ1つ半の余裕があります。 新型スイフトのライバル車にあたるホンダ 新型フィットの膝先空間は握りコブシ2つ半なので、これに比べるとスイフトは狭いですが、後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすいです。床と座面の間隔も十分に確保されているので、窮屈には感じません。新型スイフトのエンジン
新型スイフトに搭載されるエンジンは、新開発された直列3気筒1.2LのZ12E型です。実用回転域の駆動力を向上させ、燃費効率も優れています。無段変速ATのCVTも新開発され、効率が高まりました。新型スイフトのグレード設定
新型スイフトのグレードは3種類設定されています。XGのエンジンはノーマルタイプで、ハイブリッドMXとハイブリッドMZには、マイルドハイブリッドシステムが搭載されます。なお、スイフトのスポーティモデルであるスイフトスポーツは2024年以降に登場する見通しです。
新型スイフトに搭載されるマイルドハイブリッドは、モーター機能付き発電機が、減速時の充電、アイドリングストップ後のエンジン再始動、エンジン駆動の支援を行います。アイドリングストップの再始動音が静かなことも特徴です。
新型スイフトの燃費
新型スイフトの2WDのWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンのXGが23.4km/Lで、マイルドハイブリッドは24.5km/Lに達します。先代型はノーマルエンジンが20km/L、マイルドハイブリッドは21km/Lでしたので、新型に乗り替えるとガソリン代を14〜15%ほど節約できます。
ライバル車とも燃費を比較してみましょう。日産 新型ノートXのe-POWER(ハイブリッド)は、WLTCモード燃費が28.4km/L、新型フィットe:HEVの売れ筋グレードは27.1〜29km/Lです。
新型スイフトは、マイルドハイブリッドながら、ライバル車のフルハイブリッドに近い燃費を達成しました。新型スイフトの安全装備
新型スイフトは安全装備も進化しました。
衝突被害軽減ブレーキは、自車が交差点で右左折する時でも、直進してくる車両や横断歩道上の歩行者を検知して作動します。
また、全方位モニター付きメモリーナビ装着車には、ドライバーモニタリングシステムを採用しました。カーナビ画面の右上に装着されたカメラがドライバーの顔を認識して、居眠りや脇見などを検知すると警報を発します。
このほか先代型と同じく、後方の並走車両を検知するブラインドスポットモニターが全車に標準装着され、低速時の衝突被害軽減ブレーキも加わりました。安全装備の充実度は全般的に高いと言えます。
新型スイフトの運転支援機能は、車間距離を自動制御できるアダプティブクルーズコントロールが進化しました。カーブの曲がり具合を検知して減速を行い、車線変更時の補助機能なども追加されています。新型スイフトの買い得グレード
新型スイフトのグレードと装備の組み合わせは冒頭に記載した通りです。最も安価なノーマルエンジンのXG(172万7000円/2WD)でも、装備は充実しています。
先に挙げたブラインドスポットモニター、低速時の衝突被害軽減ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、LEDヘッドランプなどがすべて標準装着されました。
機能や装備と価格のバランスから、最も買い得なグレードは、中級のハイブリッドMX(192万2800円/2WD)です。
XGにマイルドハイブリッドシステム、エアロパーツ、アルミホイール、6スピーカーなど26万円相当の装備を加えています。価格の上乗せはXGに比べて19万5800円に抑えられました。
より上級装備が欲しいユーザーは、最上級のハイブリッドMZ(216万7000円)も検討しましょう。
ハイビームの状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるアダプティブハイビーム、クルーズコントロール作動時の停車を長時間にわたって続けられる電動パーキングブレーキなどを備えています。
なお販売店によると、XG、あるいはハイブリッドMXに、5速MT仕様も追加されるそうです。しかし、2023年11月中旬時点では、5速MT仕様の受注は行っていません。
新型スイフトのライバル比較
ライバル車との買い得度も比べてみましょう。ボディサイズが最も近い売れ筋のライバル車は、トヨタ 新型ヤリスです。直列3気筒1.5Lノーマルエンジンの新型ヤリス Zは、価格が200万8000円(CVT)。新型スイフト ハイブリッドMXよりも約8万円高いですが、ディスプレイオーディオが標準装着されています。
その代わり、新型ヤリス Zは、新型スイフト ハイブリッドMXと違って、ブラインドスポットモニターやアルミホイールはオプションになります。そしてWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンを搭載した新型ヤリス Zは21.6km/Lで、新型スイフト ハイブリッドMXは前述の24.5km/Lなので、新型スイフトではガソリン代を約12%節約できます。
以上のように新型スイフトは、ライバル車と比較しても、優れた競争力を発揮する実力派のコンパクトカーに仕上げられました。
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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳】
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