スペーシアギア/N-BOXジョイ/デリカミニのどれがおすすめ? シートや荷室、使い勝手などを比較
MōTA / 2024年9月20日 17時30分
軽自動車なのに車内が広く、シートアレンジで室内スペースを余すことなく有効活用できる軽スーパーハイトワゴン。いま子育て世代などに人気の同ジャンルですが、中でもSUV風のスタイルのスズキ スペーシアギア、ホンダ N-BOXジョイ、三菱 デリカミニが注目されます。 当記事では、この3車種を外観、前シート、後シート、乗降性、荷室、収納設備、価格の7項目で比較し、おすすめの使い方も合わせて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説します。
SUVタイプの軽自動車が出揃った
SUV風のスタイルのスズキ スペーシアギア、ホンダ N-BOXジョイ、三菱 デリカミニはすべて、軽自動車のスーパーハイトワゴンです。全高を1700mm以上に設定してスライドドアを装着した仕様で、日本では最も好調に売れているカテゴリーです。
しかもこの3車種は、外観や内装をSUV風にアレンジして、アウトドアなどでの使い勝手を向上させています。丸型ヘッドランプを装着することも共通する特徴です。
N-BOXジョイの発表は2024年9月19日、スペーシアギアは9月20日と新しいモデルです。
N-BOXジョイは8月下旬から、スペーシアギアは7月下旬から、販売店では価格を公表して予約受注を行っています。
外観(エクステリア)とボディサイズ、運転のしやすさ比較
車種 | ホイールベース(前輪と後輪の間隔) |
---|---|
N-BOXジョイ |
2520mm |
デリカミニ |
2495mm |
スペーシアギア |
2460mm |
この3車種はいずれも軽自動車規格で作られており、全長は3395mm、全幅は1475mmで共通です。全高も1800mm前後に達します。
異なる点はホイールベース(前輪と後輪の間隔)で、N-BOXジョイが2520mmで最も長く、デリカミニは2495mm、スペーシアギアは2460mmです。
ホイールベースが長いと広い車内空間が確保でき、走行安定性が高いです。一方、小回りが利きにくい点がデメリットになります。
外観のデザインに目を向けると、全車が丸型ヘッドランプを装着しています。スペーシアギアとデリカミニは外観のSUV感覚が強く、ルーフレールも備えています。
N-BOXジョイの外観は都会的ですが、存在感はライバル2車種に比べてSUVとしての味付けはマイルドです。
前席(フロントシート)の快適さ比較
「前席」比較評価の順位
この3車種はすべて前席の頭上スペースは十分で、窓の角度も立っているため開放感があります。
シートの座り心地には違いがあります。
N-BOXジョイの前席は少し硬めですが、腰をしっかり支えるので長時間の運転でも快適です。
スペーシアギアはシートが柔らかく、快適に座れます。
デリカミニのシートは柔らかいですが、腰のサポートが少し物足りなく感じる人がいるかもしれません。
また、いずれも撥水加工が施されていますが、シートの表面にも違いがあります。
N-BOXジョイはチェック柄のシートが使用されています。
スペーシアギアでは黒い生地にオレンジのステッチが入っており、おしゃれです。
デリカミニも黒いシートで、合成皮革と布を組み合わせています。いずれも好みで選ぶと良いでしょう。
後席(リアシート)の快適さ比較
「後席」比較評価の順位
身長170cmの大人4名が乗車した時、後席の膝先空間は、N-BOXジョイが握りコブシ4つ分、スペーシアギアとデリカミニは握りコブシ3つ分になります。
後席の座り心地は、僅差ですがスペーシアギアがもっとも快適でしょう。
スペーシアギアはベース車のスペーシアと同様に、乗員のふくらはぎを支えるオットマン風のマルチユースフラップが装着されました。これにより先代型に比べて快適性が向上しましたが、座面が部分的に硬く、違和感が生じる場合もあります。N-BOXジョイとデリカミニでは、シートの座面の長さが少し短いため、大腿部と座面の接する部分が短く感じられます。
乗り降りのしやすさ比較
「乗降性」比較評価の順位
車種 | 開口幅 |
---|---|
デリカミニ |
650mm |
N-BOXジョイ |
640mm |
スペーシアギア |
600mm |
この3車種ともに全高が1800mm前後に達するスーパーハイトワゴンであり、後席側にはスライドドアも装着されているので、乗降性はいずれも良好です。
スライドドアの開口幅は、デリカミニが650mmで最も広く、N-BOXジョイは640mm、スペーシアギアは600mmです。
スライドドアは狭い場所でも隣の車や壁に気を使うことなく、ドアを開けられる点が使いやすいです。
さらに開口部が広いと、乗り降りや積み降ろしがしやすくなります。
荷室とシートアレンジ比較
「荷室とシートアレンジ」比較評価の順位
この3車種とも後部座席を倒すと、荷物をたっぷり載せられるスペースが作れます。
スペーシアギアとデリカミニは、荷室が樹脂製なので汚れが落としやすく、泥や雪にまみれたアウトドア用品を積む際にも使いやすいです。
N-BOXジョイの荷室は、シートと同じチェック柄の生地で作られていて、リビングルームのような雰囲気があります。
おしゃれでありながら耐久性も高く、汚れた自転車などを載せても手入れが簡単です。また荷室の床も平らなので、後席を倒して車内でリラックスしたり、寝転がったりする時でも快適です。
収納設備の比較
「収納設備」比較評価の順位
収納スペースは各車で差があるポイントとなります。
収納スペースが最も多いのはスペーシアギアです。助手席の前には大きなトレイや引き出し式の収納があり、助手席の下には持ち運びできる収納ボックスも付いています。
デリカミニは、助手席前と中央に引き出し式の収納があり、ティッシュボックスが収まるスペースも用意されています。
N-BOXジョイは大きなグローブボックスがあり、ラゲッジの下に追加の収納スペースもありますが、スペーシアギアやデリカミニほど収納設備は多くありません。価格とお買い得感の比較
車種 | 価格 |
---|---|
デリカミニ |
183万7000円~210万7600円 |
N-BOXジョイ |
184万4700円〜217万8000円 |
スペーシアギア |
195万2500円〜215万7100円 |
全体的に、どの車も価格に見合った装備がついているため、お買い得度は互角です。
スペーシアギア、N-BOXジョイ、デリカミニのおすすめの使い方
スペーシアギア
スペーシアギアは、収納設備の豊富なベース車の特徴を生かして、アウトドアで便利に使えるツールに仕上げられました。子供と一緒に遊びに出かけ、汚れを落としやすい荷室に、アウトドアグッズを気兼ねなく積むような使い方に適します。実用性を大切にして開発されました。
N-BOXジョイ
N-BOXジョイは、ライバル2車とは車両の性格が違います。後席を格納して荷物を積むことも可能ですが、駐車時の後席を有効活用したリラックス空間として使うことを狙っています。
荷室をチェック柄にして、床の傾斜やデコボコも抑えることで、小部屋として快適に過ごすことができます。公園の駐車場などで、ランチを食べるような用途が想定されています。デリカミニ
デリカミニは4WDに特徴があります。そのため、アウトドアでの利用はもちろん、悪路や登坂路などを頻繁に走る方におすすめです。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を160mmに高めたことで、悪路のデコボコを乗り越えやすく、乗り心地も柔軟に仕上げられました。
4WDはボディが重く、エンジンはターボが欲しくなります。
そこでターボが装着される「Tプレミアム」4WDを選ぶと、価格も227万1500円と高いですが、高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」やデジタルルームミラーなどが搭載され、装備面も上質になります。
まとめ
以上のように、SUVタイプの軽自動車と一口に言っても、スペーシアギア、N-BOXジョイ、デリカミニはそれぞれ想定する使い方やターゲットユーザーが異なり、それに合わせた特徴があります。
この3車種を乗り比べると、各車の個性が明確になります。ご自身の使い方や好みに合わせて、車種選びを楽しんでみてください。
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