スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の価格は383万3500円〜! 発売日や燃費は?
MōTA / 2024年11月7日 19時0分
スバル クロストレックは悪路走破性が高いコンパクトなSUVです。これまでマイルドハイブリッドのみの設定でしたが、今回、ストロングハイブリッドが追加され、2024年12月上旬に発表される予定です。 今回は販売店での取材をもとに、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんがクロストレック(ストロングハイブリッド)の価格や発売日、装備などを解説します。
スバル クロストレックとは?
スバル クロストレックは、アウトドアやレジャー用途を意識したデザインと、悪路走行もこなせる走破性が特徴のコンパクトSUVです。 日本ではかつて「XV」という車名で販売されていましたが、2022年のモデルチェンジにより「クロストレック」に統一されています。 クロストレックは、シンメトリカルAWD(全輪駆動)や最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を200mmに拡大して悪路のデコボコを乗り越えやすくしていたりと、オフロードや雪道でも安定した走行が可能です。 また、スバル独自の「アイサイト」運転支援システムも搭載され、安全性も充実しています。 従来のクロストレックが搭載するパワーユニットは、水平対向4気筒2Lをベースにしたマイルドハイブリッドのe-BOXERです。最高出力が13.6馬力、最大トルクが6.6kg-mのモーターを搭載してエンジンの駆動力を支援することにより、燃費性能を向上させています。このクロストレックに、新たにストロングハイブリッドの「S:HEV」搭載車が加わります。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のボディサイズ
クロストレック(ストロングハイブリッド)のボディサイズは全長4480mm、全幅1800mm、全高1575mm、ホイールベース2670mmです。従来のマイルドハイブリッドモデルとサイズは変わりません。全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|
4480mm |
1800mm |
1575mm |
2670mm |
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の価格
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の価格は383万3500円〜405万3500円です。こちらはスバルの販売店に独自調査を行ったものです。
グレード別の価格は以下の通りです。
グレード(いずれも4WD) | 価格(税込) |
---|---|
クロストレック S:HEV |
383万3500円 |
クロストレック S:HEV・EX |
405万3500円 |
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の主要装備
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の主要装備は以下の通りです。
グレード | 主要装備 |
---|---|
S:HEV |
4.2インチマルチインフォメーションディスプレイ |
S:HEV EX |
(S:HEVの装備に加えて/価格アップは22万円) |
下記の「スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のグレード構成」で詳しく解説します。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の発売日や予約受注はいつ? 納期はどれくらい?
販売店にクロストレック(ストロングハイブリッド)の発売までのスケジュールと納期の予想を尋ねると、以下のように返答されました。
「クロストレック S:HEV(ストロングハイブリッド)の正式発表は12月上旬に行いますが、販売店では10月17日から予約受注を実施しています。納期は11月上旬に契約して約2か月です。ただし発表後の12月10日ごろに、販売店に試乗車が入ると、注文が増えて納期も延びるかもしれません」とのことです。
クロストレック(ストロングハイブリッド)の発表や納期
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の外観
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の外観は従来のマイルドハイブリッドモデルと変わりません。クロストレックのボディはコンパクトですが、SUVの外装パーツを装着したことで、存在感を強めました。大径サイズのタイヤもサイドビューに迫力をもたらします。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の内装
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の内装もマイルドハイブリッドモデルと大きく変わりません。 内装色はマイルドハイブリッドで採用されていたグレー系からブラック系に変更されました。またカーボン調の加飾が随所に加えられており、従来型よりも室内の質感が向上しています。 クロストレックのスイッチの配置やATレバーは、オーソドックスなデザインですが、操作性が優れています。スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の荷室
クロストレックの荷室はリヤゲートがコンパクトに開閉できるため、狭い場所でも荷物を出し入れできます。荷室容量にも余裕があり、後席をたたまずにゴルフバッグが3個入ります。
また、6:4分割可倒式リヤシートの採用で大きな荷物や長尺物を積みたい時などに、リヤシートを片側だけ倒して荷室を拡張することができます。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のパワーユニット
クロストレック(ストロングハイブリッド)に搭載される「S:HEV」はトヨタが開発したシステムで、トヨタ車に搭載されるストロングハイブリッドシステムの「THSII」と同じく、発電用と駆動用のモーターを別々に備えています。したがって発電とモーター駆動を同時に行う複雑な制御も可能です。
力強く滑らかな加速を重視し2.5Lエンジンを採用
クロストレック(ストロングハイブリッド)では、エンジンも注目されます。従来のe-BOXERに組み合わせたエンジンは、水平対向4気筒の2Lですが、ストロングハイブリッドのS:HEVでは2.5Lに拡大されます。ストロングハイブリッドを搭載する目的を燃費の向上とするなら、エンジン排気量は2Lや1.8Lに抑えるのが合理的です。
それを2.5Lに拡大したのはなぜなのか、開発者に理由を尋ねると「力強く滑らかな加速力を重視して2.5Lにしました。また今後は同じシステムを別の車種に搭載したり、北米でも販売するため、動力性能に余裕を持たせました」とのこと。
北米でも売るためには動力性能の余裕が重要となり、エンジン排気量は2.5Lに設定されたのでしょう。S:HEVは、おそらく今後登場する次期フォレスターなどにも搭載されるはずです。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の動力性能
クロストレック(ストロングハイブリッド)のプロトタイプ(試作車)を試乗すると、排気量が2Lのマイルドハイブリッドモデルに比べて、動力性能が力強く感じられます。排気量が2.5Lでモーターの駆動力もマイルドハイブリッドより向上したため、特に発進時の余裕が増しています。
ノーマルタイプのエンジンに置き換えると、発進時の動力性能は3.5Lくらいに感じます。
ハイブリッドのモーターが、ターボ(過給器)のようにエンジンを力強くアシストをしており、動力性能を高めています。モーター駆動が積極的に行われるため、エンジンノイズも小さいです。
クロストレック(ストロングハイブリッド)に搭載される水平対向4気筒2.5Lエンジンの動力性能は、最高出力が160馬力(5600回転)、最大トルクは21.3kg-m(4000〜4400回転)です。モーターは最高出力が119.6馬力、最大トルクは27.5kg-mになります。
エンジンとモーターの動力性能を単純に合計することはできませんが、コンパクトSUVとしては、パワフルなパワーユニットが組み合わされています。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の駆動方式
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の駆動方式は4WDのみで、2WDはありません。また、採用された4WDシステムもスバルらしさがあります。最近のハイブリッドには、後輪に前輪とは別のモーターを搭載する4WDも増えましたが、スバルはこの方式を採用していません。
4WDシステムにはマイルドハイブリッドのクロストレックと同じく、多板クラッチを使って後輪へ駆動力を分配するアクティブトルクスプリット式です。
その理由は、スバルは「プロペラシャフトを使って駆動力を後輪へ伝えるベーシックな4WDの方が、後輪の駆動力を高められ、走行安定性が十分に確保されて運転しやすい」と考えているからです。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の燃費
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のWLTCモード燃費は、18.9km/Lです。
従来のクロストレック(マイルドハイブリッド)のe-BOXERを搭載する2Lの4WDが15.8km/Lですから、クロストレック(ストロングハイブリッド)の燃費向上率は約20%です。
ちなみにトヨタ ハリアー(ハイブリッド)のWLTCモード燃費は、直列4気筒2.5Lエンジンを搭載する4WD仕様が21.6km/Lです。クロストレックのボディは、ハリアーよりも小さいですが、燃費数値では負けています。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の燃料タンク
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)は燃料タンク容量にも注目です。
従来のマイルドハイブリッドの燃料タンクは48Lですが、ストロングハイブリッドでは63Lに拡大しています。
燃費の計測は、燃料タンクを満タンにして行われることもあり、燃費性能を重視する車種やグレードは燃料タンク容量を小さくすることも多いです。
しかし、クロストレック(ストロングハイブリッド)は、逆に大きくしました。給油せずに1000kmを走れることを目指して、燃料タンクを63Lとしたのです。
以上のようにクロストレックは、燃費のみを追求したハイブリッドではありません。
動力性能を向上させ、1回の給油で走行できる距離も伸ばすなど、さまざまな性能を総合的に向上させています。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のグレード構成
クロストレック(ストロングハイブリッド)のグレード構成は、標準タイプのS:HEV(価格は383万3500円/4WD)と、上級のS:HEV EX(405万3500円/4WD)の2つです。
クロストレック(ストロングハイブリッド)の装備内容は、2Lのe-BOXERを搭載する従来のクロストレックに当てはめると、上級グレードのリミテッド(344万8500円/4WD)に準じます。クロストレック(ストロングハイブリッド)の価格は、このリミテッドに比べて38万5000円高いです。
グレード | 価格(4WD) | リミテッドとの価格差 |
---|---|---|
S:HEV |
383万3500円 |
+38万5000円 |
S:HEV EX |
405万3500円 |
+60万5000円 |
今のトヨタ車には、ストロングハイブリッドの価格をノーマルガソリンエンジンと比べて35万円の上乗せに抑えた車種が多いです。
そうなるとモーター駆動を備えたe-BOXER(マイルドハイブリッド)との価格差が38万5000円では、ストロングハイブリッドのS:HEVは割高に思えますが、エンジン排気量も500cc増えています。そこも考えると、e-BOXERとS:HEVの価格差は妥当な範囲に収まるでしょう。
上級グレードの「S:HEV EX」は買い得?
上級グレードのクロストレックS:HEV EXには、エントリーグレード「S:HEV」に装着されないアイサイトXテクノロジー、ナビゲーション機能、12.3インチフル液晶メーターなどが加わり、エントリーグレードに比べて22万円高く設定されています。
アイサイトXテクノロジーは、渋滞時にステアリングホイールから手を離しても運転支援を受けられる先進機能などが含まれ、長距離を移動する機会の多いユーザーには利用価値が高いです。
クロストレック(マイルドハイブリッド)のツーリングは、S:HEV EXと同様のナビゲーション機能を8万8000円でオプション設定しています。またアイサイトXテクノロジーは、価格に換算すると11万円に相当します。
これに12.3インチフル液晶メーターも加わり、S:HEV EXの価格アップが22万円に収まるなら、これらの機能が欲しいユーザーには買い得でしょう。
スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)のレビュー・評価
外観 |
4.0 |
★★★★☆ |
内装・居住性 |
4.0 |
★★★★☆ |
走行性能 |
4.0 |
★★★★☆ |
運転のしやすさ |
3.0 |
★★★☆☆ |
乗り心地 |
3.0 |
★★★☆☆ |
燃費 |
4.0 |
★★★★☆ |
価格の割安度 |
3.0 |
★★★☆☆ |
〇スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の良い点
・低回転域から動力性能が高くスポーティで運転しやすい
・4WDシステムとストロングハイブリッドの親和性が高く、走行安定性が良い
・燃料タンク容量が63Lに拡大され、走行できる距離も拡大
×スバル クロストレック(ストロングハイブリッド)の気になる点
・ストロングハイブリッドなのにWLTCモード燃費が18.9km/Lに留まる
・ストロングハイブリッドは4WDのみの設定で2WDは選択できない
・全長が4500mm以下のコンパクトSUVとしては価格が割高に感じられる
まとめ
クロストレック(ストロングハイブリッド)は、燃費を重視するユーザーには魅力がいま一つですが、動力性能や快適性をバランス良く高めたいなら選ぶ価値のある仕様だと思います。
今後はこのストロングハイブリッドシステムが次期フォレスターやレヴォーグレイバックなどにも搭載され、スバル車の魅力を高めていくでしょう。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:SUBARU/小林 岳夫/島村 栄二】
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