買えない日産 GT-Rの代わりとなる車種は？ 納期の早い輸入車4選

日産 GT-R（MY2025） 日産 GT-R（MY2025）

日産 GT-Rは、高い走行性能と技術を誇る日本を代表するスポーツカーで、世界中で人気があります。しかし、少ない生産台数と抽選販売の影響で生産国の日本でも手に入れにくい状況が続いています。新車価格も高騰し、購入の難易度は上がる一方です。 この記事では、そんなGT-Rの代わりとなる魅力的な輸入車4モデルをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが紹介します。

日産 GT-Rとは？

日産 GT-Rは、日産が誇る高性能スポーツカーで、その性能とデザインに魅了されるファンが多い車です。

しかし、その登録台数は非常に少なく、2024年1月から11月の月平均登録台数は約100台と、他の車種に比べて極めて限定的です。

例えば日産 セレナは月平均で約6000台が登録されているのに対し、GT-Rはそのわずか2％以下の売れ行きです。

この背景には、GT-Rの生産体制が小規模であることと、購入希望者が多いために抽選販売が行われていることがあります。

限られた数しか生産されず、人気が高いため、すべての購入希望者に行き渡ることが難しく、結果的に台数が少なくなっています。

日産 GT-Rの特徴

GT-Rは2007年に発売されて以来、フルモデルチェンジは受けていないものの、今も国産スポーツカーの中で最高峰の性能を誇ります。

ボディサイズは全長4710mm、全幅1895mm、全高1370mmで、空力性能を重視したワイドでローなデザインが特徴です。

搭載されている3.8L V8ツインターボエンジンは、現行型で570馬力、最大トルク65kg-mを発生し、ターボを使用しない自然吸気エンジンの6.0Lクラスに匹敵する性能を持ちます。

駆動方式は独自の4WDシステムが採用されており、優れた動力性能を路面に確実に伝えます。さらに、ボディ剛性、サスペンション、ブレーキの性能が高いため、高速走行時の安定性や危険回避能力も非常に優れています。

たとえば、雨天の高速道路で急ブレーキをかけながら障害物を避ける際も、GT-Rなら的確かつ素早く操作できます。

GT-Rには先進安全機能がついていない

一方で、GT-Rには衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能などの先進安全機能が搭載されていません。

これらの安全機能は事故防止に役立つため、今後のモデルに追加されるべき重要な課題となっています。

日産 GT-Rの納期・受注状況

GT-Rの納期や受注状況について販売店に尋ねると、「GT-Rの2025年モデルは、2024年3月に発表されました。その後に多くのお客様が購入を希望されたため抽選を実施し、2025年モデルの応募と抽選はすでに終わりました」と説明を受けました。

また、GT-Rの今後の発売スケジュールについて尋ねると、現時点では分からないという回答でした。

このように2024年12月時点でGT-Rは新車で購入ができません。そのため、中古車価格が高騰しています。

最も安価なピュアエディションの中古車は1500万〜1700万円で取引されており、プレミアム価格がつけられています。

また、GT-Rの新車価格は、2007年の発売時に777万円でしたが、現行型の2025年モデルでは最も安価なピュアエディションでも1444万3000円に達しています。改良が進むたびに価格は上昇し、現在では発売当初の約2倍の価格となっています。

もともとGT-Rは高性能車を比較的割安で購入できる魅力がありましたが、現在では新車価格の値上げと中古車価格の高騰により、購入が難しくなっています。

日産 GT-Rの代わりの輸入車4選

GT-Rの代わりとなる車種を選ぶ際、価格帯が1400～2000万円程度で、上質なスポーツカーとしての魅力を持っていることがポイントです。

現在、ホンダ NSXなど日本車の高性能スポーツカーは販売を終了しており、同等の性能やブランド力を持つ車種は日本車にはありません。

そのため、選択肢は輸入車に限られます。ここでは輸入車4モデルをご紹介します。

メルセデスAMG GT43クーペ

納期：2024年12月時点で即座に納車できる在庫あり。その後の入荷は未定

メルセデスAMG GT43クーペは、メルセデス・ベンツが展開する次世代スポーツカーの一つです。

GT43クーペのボディサイズは全長4730mm、全幅1930mm、全高1365mmで、高速道路での巡航に最適な直進安定性が特徴です。

車種	全長	全幅	全高	ホイールベース
GT-R	4710mm	1895mm	1370mm	2780mm
GT43クーペ	4730mm	1930mm	1365mm	2700mm

エンジンには2.0L 直4ターボを搭載し、小排気量ながらもターボの力で421馬力と51kg-mのトルクを発揮。自然吸気エンジンに換算すると4.5Lクラスの性能を持ち、優れた動力性能を提供します。これにより、高速域でも余裕ある走りを楽しむことができます。

BMW M4クーペ

納期：約6か月。在庫あり

BMW M4クーペは、BMWのハイパフォーマンスモデル「Mシリーズ」の中でも、手ごろな価格と実用性を兼ね備えた一台です。

Mシリーズの最上級モデルである「M8クーペ」が2500万円以上、GT-Rの最上級モデルの「GT-R NISMO」が3000万円以上と高額であるのに対し、M4クーペは1458万円に収まり、より現実的な選択肢となっています。

M4クーペは「4シリーズクーペ」をベースにした高性能車で、4名が乗車可能な実用性も魅力。後席の膝回りには握りコブシ2つ分の余裕があり、クーペとしては快適性を備えています。ただし、頭上の空間は狭めで、乗降性はやや制限されます。

走行性能は、3.0L 直6ターボエンジンが530馬力と66.3kg-mのトルクを発揮。4WDシステムが採用されており、峠道や高速道路でも優れた安定性を実現します。

実用性と走行性能のバランスが取れたM4クーペは、納期も短めで輸入車として購入しやすい点も特徴です。

車種	全長	全幅	全高	ホイールベース
GT-R	4710mm	1895mm	1370mm	2780mm
M4クーペ	4805mm	1885mm	1400mm	2855mm

シボレー コルベット 2LT

納期：約6か月。在庫あり

シボレー コルベット 2LTは、希少なアメリカ製スポーツカーとして注目されています。

現行モデルではエンジンを車体中央に配置するミッドシップ方式を採用し、カーブでの安定性が高いのが魅力。ボディサイズは全長4630mm、全幅1940mmとワイドで、全高1225mmの低い設計により、重心が抑えられ安定して走行できます。

車種	全長	全幅	全高	ホイールベース
GT-R	4710mm	1895mm	1370mm	2780mm
コルベット	4630mm	1940mm	1225mm	2725mm

搭載されている6.2L V8エンジンは、502馬力と65kg-mのトルクを発揮し、圧倒的な動力性能を提供。

さらに、エレガントでスポーティな外観も魅力的です。

1420万円という価格は、性能とデザインを考慮すると、GT-Rを凌ぐコストパフォーマンスを持ち、納期も比較的短く、購入しやすい一台です。

ポルシェ 911カレラ

納期：現在は受注停止中。1年から1年半後には再開の見込み

ポルシェ 911カレラは、GT-Rの代わりとして魅力的な選択肢です。

911カレラの価格は1694万円で、現在のGT-Rのピュアエディション（1444万3000円）やプレミアムエディションTスペック（2035万円）と競合する範囲に位置しています。

伝統的に911カレラは、ボディ後部にエンジンを搭載し、後輪を駆動する独自の方式が採用されています。搭載する3.0L 水平対向6気筒エンジンはターボ付きで、394馬力と45.9kg-mのトルクを発揮します。性能面ではGT-Rに一歩譲るものの、エンジンの回転感覚や操舵感に至るまで緻密に作り込まれており、GT-Rに劣らない満足感を提供してくれることでしょう。

ポルシェらしい精密な走行体験が魅力のモデルです。

まとめ

日産GT-Rは高性能なスポーツカーとして根強い人気を誇りますが、少ない生産台数と高騰する中古車価格が購入のハードルとなっています。

代わりとなる車としては、ポルシェ 911カレラやシボレー コルベットなどの輸入車が候補に挙げられ、いずれも優れた走行性能と魅力的な価格帯でGT-Rに匹敵する選択肢となります。

GT-Rの購入を希望するユーザーも、これらの輸入車であれば満足できることでしょう。

【筆者：渡辺 陽一郎　カメラマン：日産自動車／ポルシェジャパン／メルセデス・ベンツ／ビー・エム・ダブリュー／GMジャパン】