2018年度スピード取り締まりの傾向と対策! オービス編【交通取締情報】
MotorFan / 2018年3月19日 14時35分
2018年もすでに3月。警察もいよいよ4月から新年度予算に基づいた交通取締を本格稼働させる。注目はやはり、生活道路での交通取り締まりの強化だ。中でも脅威なのは、やはり、生活道路対応の固定式オービスと取り締まりの自由度を極端にアップさせることのできる可搬式移動オービス。そこで、今後の取り締まりの方向性を探ってみた。まずは固定式オービスの動向を予想する!
☆固定式オービス
現在、国内における固定式オービスの設置箇所は約580カ所。大きく分けて、以下の6種類が全国で稼働している。
1.センシスSSS(レーダー式)
生活道路のスピード取り締まり用に導入されたスウェ-デン製のレーダー式オービス。現在、埼玉県(国道17号北本市)と岐阜県(大垣市の市道)に1機ずつ設置され、試験運用されているが、この春あたりから全国各地に設定されている「ZONE30」(3000カ所以上)を始めとする生活道路で徐々に増殖する可能性が高まっている。
ただし、現状では、無人取締機による検挙は赤切符以上の違反(一般道は30km/hオーバー以上)に限るという判例に基づいて運用されているため、それをどうクリアし通常のネズミ捕りと同様の取り締まりを可能にするかが今後のカギとなる。
ちなみに、2月上旬、国道17号線に設置されているセンシスSSSが、何らかの理由によって損傷を受ける事件があり、埼玉県警のオービス担当からは「放火」という回答をもらっているが、3mのポール上という設置条件やその損傷具合を考えれば、どちらかというと内部バッテリーの発火によるものと考えた方がつじつまが合う。もし、そうだとしたら、明らかに製品の欠陥であり、今後の導入に多大なる影響を与える可能性は大だ。
真相は明らかではないが、今後、情報が入り次第、報告します。
2.LHシステム(ループコイル式)
全国の高速道路、幹線道路を中心に180カ所あまりに設置され、今や固定式オービスの主役となっているループコイル式オービス。文字通り、路面に埋め込まれたループコイルで速度を測定し、設定超過速度(制限速度ではない)を超えて通過する車両を撮影、後日、呼び出しにより検挙する。
デビューは1994年とすでに20年以上が経過しているが、その性能は日々、改良され進化していることは間違いない。今後も生活道路以外に適時新設されるはず。Nシステム(自動ナンバー読み取り装置)と似ているのでカタチをしっかり覚えるべし。
3.LSシステム(ループコイル式)
LHシステムを旧型ループコイル式オービスレベルの筐体に納めたのが、このLSシステム。首都高速を走ったことのある人じゃないと実際に見たことはないだろう。なぜなら首都高専用のオービスだからだ。
こいつの怖さは道路をまたぐアーチ上に設置されているLHに比べて格段に目立たないことにある。もちろん、ループコイル式だからレーダー探知機では関知できない。さらに内蔵された2つのCCDカメラによる2車線対応だ。現時点では最強の固定式オービスといっていいだろう。
現時点では首都高に8機設置されているのみ。今後は首都高のL型の代替えとして増える程度、か。
4.Hシステム(レーダー式)
続々と撤去されているHシステム。一時は日本中のオービスの半数を超える勢いで増殖したが、今では約190機(阪神高速に設置されている元祖Hシステム<写真右>は除く)と、ここ数年で100機以上が姿を消している。製造元である三菱電機が製造&販売を中止しているため、もちろん、今後は減数の一途をたどることになる。が、積雪地帯では路面変化の影響を受けやすいループコイル式に代えることが難しいため、特に76機(一般道のすべて)が設置されている北海道の動向に注目だ。
5.L型(ループコイル式)
オービスの元祖、USAのロッキード社が開発し、日本の東京航空計器がパテント生産し始めてからすでに40年以上が経つが、まだまだ現役、いまだに全国で100機以上が生息している。さらに、最近、導入されている進化版(写真右)は、銀塩式のカメラがデジタル式に、また、従来は持っていなかった中央装置との無線通信機能がきっちり導入されている。内蔵されるカメラの数こそ違うが、まさに性能はLSクラス(通信機能は有線)というわけだ。
今後、導入されるのは、当然、このデジタル版ということになる。初期型の欠点(フイルム切れ、要回収)がすべて解消されているので、目立たないという利点が思う存分、発揮されることは間違いない。初期型はすでにダミーと化しているケースが多いが、コイツは間違いなく生きている。なめると酷い目に遭います。
6.R型(レーダー式)
いまだに進化を遂げているL型に比べて、まさに絶滅危惧種と化しているのが、このR型レーダー式オービス。設置数も現時点で40機を切っている状況だ。中にはダミーと化している地点も数カ所ある。余談だが、最近のレーダー探知機はGPS機能を備えているので位置情報が優先され、例え、オービスのアンテナからレーダー波が出ていなくても警告されてしまう。つまり、実際に稼働しているかが逆にわからなくなっているというわけだ(Hシステムも同様)。
そこで、実際の稼働状況を知りたい人は、反対車線を走ってみよう。レーダー波は拡散するから、反対車線でもある程度捉えることができるのだ。もし、警告音が鳴ったら、稼働していることになる(撮影しているかどうかまではわからないが)。
今後の動向だが、もちろん、絶滅へ向かって進むことは間違いない。L型と同様、稼働させなくても速度を抑止する効果はあるが、道路上にアンテナを設置している関係上、経年変化による部品落下のリスクが伴うだけにメンテナンスが大変だ。
次回は、みんなが気になる非定置式スピード取り締まり編!
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