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プリウスPHV、荒天の400kmドライブ。EVとしての性能と27.5km/ℓの実燃費

MotorFan / 2018年3月3日 15時55分

プリウスPHV、荒天の400kmドライブ。EVとしての性能と27.5km/ℓの実燃費

プリウスのプラグインハイブリッド版のプリウスPHV。北米では、PRIUS PRIMEという独立した名前を持つモデルだ。フル充電したら、モーターだけで68.2km走れる能力を持つプリウス。このプリウスPHVを400kmドライブした。 TEXT◎鈴木慎一(MotorFan)

前後重量配分:前860kg:後670kg


プリウスPHVに乗るのは初めてではない。が、長距離をドライブするのは今回が初。MotorFan.jpで連載中のKIROBO miniの「ちくわ」くんの生まれ故郷を訪ねる取材にプリウスPHVを選んだのは、現状、KIROBO miniと連携しているモデルがプリウスPHVだったからだ。

東京九段で広報車のプリウスPHVをピックアップしたとき、リチウムイオン電池は満充電だった。容量25Ah、総電力量8.8kWhと前型のプリウスPHVから倍増したバッテリー容量のおかげで、JC08値で68.2kmのEV走行が可能だ。実際、かり出した時点で「63.2km」のEV走行が可能だとインジケーターは示していた。

九段から東新宿の編集部まではEV走行モードを選べば、まったくエンジンはかからない。それどころか、東新宿から目黒区内の自宅、翌早朝、自宅から大田区内のカメラマン事務所へ迎えに行って、環七を北上、永福ICから首都高に乗り、中央高速に入るまで、ずっとEV走行だった。
これは快適。おそらく50kmほどはエンジンに頼らずに走行できた。

PHVに乗っていつも思うのは、EV走行距離が長ければ長いほど、「じゃあなぜ、重たいエンジンとトランスミッション、燃料タンクを積んでいないといけないのか?」という点である。満充電だと50km超EV走行できるこのプリウスPHVなら、日常はほぼエンジン無しで過ごせる。となると、じゃあエンジンは? という問いに戻る。じゃあ、EVでいいじゃないか、と。

これは、プリウスPHVに限らずPHEV(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)が抱える矛盾と言おうか。ちなみに、僕はPHEV懐疑派、である。


エンジン 形式:直列4気筒DOHC エンジン型式:2ZR-FXE 排気量:1797cc  最高出力:72kW(98ps)/5200rpm 最大トルク:142Nm/3600rpm モーター 型式1NM/1SM 最高出力:53kW(72ps)/23kW(31ps) 駆動用バッテリー 種類:リチウムイオン電池 電圧:3.7V 容量:25Ah 総電力量:8.8kWh

この朝は、激しい風雨が吹き荒れた荒天の日だった。
プリウスPHVの車内は、なかなか騒々しい。タイヤのドラミング音が気になる。首都高の路面の継ぎ目を乗り越えた時にクルマの収まりもいまいちだ。綺麗な路面の都内を走っているときは気にならなかったクルマの挙動が、悪条件の下で、表に出る。もう少ししっとりとした乗り味だったら、と。

ユーザーはわがままだ。クルマは軽くなくては燃費を改善できない。それで軽くすると、「ドアの開閉音がパシャって音で、もっとバスって閉まってほしい」と言ったりする(それ、僕です)。バッテリーによって狭められたトランクスペースは、「やっぱり高さ方向が足りないよね」なんて言ったりする。360万円の価格のクルマに乗り心地には達してないよね、なんて言う。それはそうだ。高価なバッテリーを搭載しているのだから、バッテリー無しの360万円とは意味が違うのだから。

中央高速を安曇野に向かって走る。上り坂では、エンジンもかなり元気に回る。こうなると、重いバッテリーを積むプリウスである。


11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステム。縦長のナビ画面は、とても使いやすい。ちなみに僕はノースアップ派だ。個人的には、ここまで大きくない方が見やすい気がした(わがままですみません)。

パーキングブレーキは足踏み式。どうしても、ペダルが邪魔な気がした。EPBのスイッチ式にしてほしいところだ。

この日は、荒天だった。
中央高速は、小淵沢から先がチェーン規制。乗っていたプリウスPHVのタイヤはノーマルタイヤだったので、やむなく高速を降りて、JR小淵沢駅へ。取材に送れるわけにはいかないので、小淵沢から特急スーパーあずさに飛び乗った。

無事に取材を終えて(取材先は、安曇野にあるVAIO本社工場。トヨタのKIROBO miniは、VAIOの工場で生産されている。KIROBO mini生産の現場レポートは、またいずれ)小淵沢駅に戻り、東京に帰る。

JR小淵沢駅ホームから、置いていくプリウスPHVを見る。

スーパーあずさに乗って安曇野に向かう。

途中のPAで急速充電器を発見。
せっかくなので、急速充電をしてみた。
もちろん、プリウスPHVは充電しなくても走れる。から、「急速充電をお急ぎのEVユーザーの方へ 約20分で充電完了します。充電ゆずれますので、声をかけてください」というタグが車内にあった。この日は、幸い誰も後にいなかったで、無事に充電完了。
急速充電:約20分で満充電の約80%
普通充電 200V/16Aで約2時間20分(満充電)
普通充電 100V/6Aで約14時間(満充電)

というのが、オフィシャルの数字。
PAでの急速充電の後は、またEV走行で数十km走行できた。EV走行での最高速度が135km/hというのは、ありがたい。
プリウスPHVが気持ちよく走れるのは、90-100km/hという速度域だと感じた。それを超えると(速度超過違反だが)、好印象が薄まっていく。


専用アプリを使うと、充電状態やエアコンのON/OFFなども行なえる。

そんなわけで、プリウスPHVで408.5km走って、モニター上の燃費は27.5km/ℓだった。
ガソリンスタンドでの給油で計算だと26.0km/ℓだった。

プリウスPHV。もし、僕がこのクルマを買ったら、取材で出かけるとき以外はほぼエンジンがかけないで過ごせるだろう。日々の通勤は完全にEV走行。モーター駆動の気持ち良さは満喫できるだろう。でも、やはり、「じゃあ、なんで1.8ℓのガソリンエンジンを積んでるんだろう?」と思ってしまう……のではないか。消費者はわがままだ。

下にバッテリーを収納しているから、ラゲッジスペースは高さ方向が足りない印象。

リヤゲートは、骨格にCFRPを使い、アルミ製と比較して40%の軽量化を実現している。CFRPは三菱ケミカルが供給している。

建設が進む新国立競技場の前でパチリ。

プリウスPHV
全長×全幅×全高:4645×1760×1470mm ホイールベース:2700mm 車重:1510kg エンジン 形式:直列4気筒DOHC エンジン型式:2ZR-FXE 排気量:1797cc 
最高出力:72kW(98ps)/5200rpm 最大トルク:142Nm/3600rpm モーター 型式1NM/1SM 最高出力:53kW(72ps)/23kW(31ps) 駆動用バッテリー 種類:リチウムイオン電池 電圧:3.7V 容量:25Ah 総電力量:8.8kWh

EV走行距離:68.2km(JC08モード) EV走行最高速度:135km/h ハイブリッド走行燃費:37.2km

試乗車は、プリウスPHV Sナビパッケージで車両価格は366万6600円。

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