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初のハイパフォーマンス水素燃料電池レースカー「H2スピード」の誕生

MotorFan / 2018年3月11日 17時35分

初のハイパフォーマンス水素燃料電池レースカー「H2スピード」の誕生

ついにコンセプトが現実となる。「2016コンセプトカーオブザイヤー」及び2016年ジュネーブモーターショーにて「ベストコンセプトカー賞」を受賞したH2スピードがピニンファリーナによって限定モデルとして発売されることが決まった。「スピードやパフォーマンスを愛してやまない」「なおかつ環境への配慮がある」「ピニンファリーナ独特のデザインに魅せられたジェントルマン」へ送るこの特別なクルマはわずか12台しか作られない。H2スピードは世界で初のハイパフォーマンス水素燃料電池レースカーとなる予定だ。ピニンファリーナのパートナーであるGreenGT社との共同開発によって作られる。公道での走行に必要な形式認証はとらず、一台一台クライエントの要求に合わせた、完全サーキット使用のレースカーとなる。

2016年にピニンファリーナは「高いパフォーマンスを有した、レースグレードのシャシーを持った水素燃料GTカー」というコンセプトを発表した。ピニンファリーナとGreenGTにはそんな夢のようなコンセプトだけでなく、しっかりとしたベースを持ったプロジェクト体制を持っており、短い期間でこのコンセプトを実現することができた。




【エクステリア】
H2スピードは高いパフォーマンスを追及されるため生まれた。すべてのパーツが適切な重量配分のもと丁寧に設計され、水素燃料電池パワーユニット強力なパワーとトルクを伝えきれるように作られている。

今回の市販モデルのデザインはコンセプトのものとそれほど変わらない。効率重視の空力デザインを採用したH2は魅惑的なパフォーマンスと洗練されたラインでドライバーにピニンファリーナならではのドライビングフィーリングをもたらす。キャビンは空力的特性を考えたティアドロップ型。LMPから進化したカーボンベースのシャシーを活用し適切なウェイトバランスを保つため、今回の販売モデルはコンセプトに若干改良を加えている。ホイールベースが若干伸ばされ、ドライバーの視界とハンドル操作性を向上させるためHポイント(着座位置における胴部と大腿部の回転中心)を上にあげた。また、新しいレーシングタイヤのトラック幅に合わせるため車体の全幅が短くなった。GreenGTとMichelinタイヤのプロジェクト提携のもと、H2スピードはドライでPilot Sport GT 59M・ウェットでPilot Sport GT P2Lを履く。

デザイン的に一番革新的な部分は何といってもリアエンジンボンネットの側面インテークだ。開口部が垂直の仕切りがあり、電気モーターの冷却を主とする中央の空気流とリアブレーキの冷却を主とする側面の空気流が別になるように作られている。サイドパネルでも、コンプレッサの冷却のためインテークが伸ばされた。また、2016年のコンセプトと比べてフィンの形状が変更された。量産タイプではスポイラーとフィンの間のリンクで調節を可能にするためだ。フロントに配置された2つの大きなラジエータや、中央部のコンパートメントにはコンセプトからの大きな変更点はない。

ジュネーブモーターショー2018ではリバリーも公開された。赤と青の二色をまとったリバリーではこの車はまさにピニンファリーナからの一台だとわかる。


【グリーンなエンジンのパワフルさ】
サステナビリティや排出低減が謳われている中、ピニンファリーナは自動車のパフォーマンスに対する情熱を革新的かつエコロジカルな方法で表してきた。H2に搭載する水素燃料電池ユニットはパートナーであるGreenGTが約2年開発や試験を進めたもので、二酸化炭素排出量ゼロで水蒸気を発生するだけで最高速度300km/hを達成できる。最高653馬力で、0-100km/h加速は3.4秒。更に特筆すべき点はわずか3分で水素の重点が終わるという素早い燃料補給だ。

H2スピードのコンプレッサはエンジンに独特な音をもたらす。一般的なEV車とは違う、サイエンスフィクションを彷彿させるような音だ。


【インテリア】
レーシング用のステアリングホイールや生身のカーボンファイバーが張り巡らされた車内では、デザインに凝るのはダッシュボードのみになる。H2スピードのダッシュボードは3つに分けられており、中央部に各種データが表示される。中央ボードからは左右にそれぞれドアハンドルを兼ねた「耳」がドアパネルに出ている。シートはモータースポーツやロードスポーツカーに精通しているSabeltのものを使用。革新的なパッドクッションが入った2つの軽量モノコックシートにより、運転中でも常に最適なドライビングポジションの維持が可能になっている。ベルトもSabelt製のもので、F1チームへ供給しているものと同じ6点式ベルト。最新の8853-2016ホモロゲーションを取得済みだ。


【TECHNICAL SHEET】
Length 4730mm
Height 1113mm
Width 1956mm
Wheelbase 2968mm
Front overhang: 987mm
Rear overhang: 775mm
Wheels: front tyre 30/68/18_MICHELIN Pilot Sport GT, Radius = 326.5 mm (FRONT_RIM_12X18 )
Rear tyre 31-71-18 Michelin Pilot Sport GT, Radius = 356.0 mm (REAR_RIM_13X18 )
Full Power Hydrogen Powertrain
  - 4 race electric motors
  - 1 lightweight GeenGT H2 fuel cell – 250 kW constant
  - braking energy regeneration system – 2.4 kWh – 250 kW/20 sec.
Chassis
- LMP carbon based chassis + steel frame
- front and rear wishbone suspension and push rod
- carbon brakes
Engine
- 4 electric synchronous motors with permanent magnet
- Max power : 480 kW @ 13000 rpm (653 Horsepower)
Energy production
- GreenGT PEMFC Fuel cell 250 kW
- 4 stacks
Transmission
- Direct transmission to rear wheels (ratio : 1:6.3)
- No clutch / No differential / No gear shifting
- GreenGT torque vectoring system
Hydrogen storage
- tank capacity : 8.6 kg
- 700 bars storage technology
- autonomy : same as an internal combustion racing car
- time for refueling : 3 minutes
Braking energy recovering
- Battery 750 V nominal
- Capacity 2.4 kWh
Emissions
- Air and water at the exhaust
- No pollution
Weight
- 1420 kg with bodywork
- refueling weight modification : only 8.6 kg
- weight distribution: front 41% / rear 59%
Performances
- max speed 300 km/h
- 0 to 100 km/h : 3.4 seconds
- 0 to 400 m : 11 seconds

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