STマイクロエレクトロニクス:最大4mまで測定できる次世代ToF測距センサを発表
MotorFan / 2018年3月19日 12時15分
STマイクロエレクトロニクスは、FlightSense技術の測定距離を最大4mまで延ばした新しいToF(Time-of-Flight)センサ VL53L1Xを発表した。同製品により、高精度かつ低消費電力の測距および近接検知をこれまで以上に多様な用途で実現できる。
シンプルな赤外線(IR)技術を使用する従来の近接センサは、信号強度のみを測定するため対象物の反射率の影響を受けることがあるが、FlightSense技術は、投射した光子が対象物に反射して戻ってくるまでに要した時間から距離を直接測定するため、対象物の表面状態に関係なく正確に測距を行うことが可能。
低消費電力かつ高速で測距が可能なVL53L1Xは、小型ロボットの壁面検知 / 段差検知 / 衝突回避および、ドローンや無人航空機(UAV)のホバリング / ランディング補助機能などに最適だ。また、省電力の人体検出モードを有しているため、カメラのオートフォーカス・アシストやジェスチャ認識に加え、人の接近を検知してパソコンやIoT機器のスリープ状態を切り替える革新的な自動スリープ / ウェイクアップ機能を実現できる。さらに、洗面用品・設備の自動化(トイレ、水栓、ソープ・ディスペンサなど)や、自動販売機やスマート・シェルフの在庫管理を行う商品数の集計といった用途にも応用できる。
VL53L1Xは、高集積の小型パッケージ(4.9 x 2.5 x 1.56mm)で提供されるため、スペースに厳しい制限のあるアプリケーションでも使用可能。また、従来品のVL53L0Xとピン配置互換性があるため、既存製品からのアップグレードも簡単だ。この小型パッケージには、レーザ・ドライバとレーザ光源に加えて、STのFlightSenseセンサの高速・高信頼性を支える単一光子アバランシェ・ダイオード(SPAD)受光器が集積されている。不可視光線である940nmの光源を使用しており、外乱光の影響を抑えることができるほか、測定性能を損なうことなく、開口部をカバーガラスの裏側(筐体内部)に配置できる。
FlightSense技術は、世界中のさまざまな製品に使用されている。VL53L1Xは現在量産中。価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店へ問い合わせ。詳細は、www.st.com/VL53L1Xを参照。
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