日本発売は2019年春!! 新型トヨタRAV4「アドベンチャー」「リミテッド」「XSEハイブリッド」の3タイプを世界初公開
MotorFan / 2018年4月4日 17時50分
トヨタ自動車が3月28日より開催された2018年ニューヨーク国際自動車ショーで、ミドルサイズSUV「RAV4」の新型5代目・米国仕様を世界初公開。そのメインステージに現れたのは、昨年11月のロサンゼルスショーで発表された「FT-AC」そのままのアグレッシブなSUVらしい容姿を持つ「アドベンチャー」と、上質で洗練されたスタイルの「リミテッド」、スポーティな「XSEハイブリッド」の3タイプだった!
初代RAV4は1994年にクロスオーバーSUVのパイオニアとして誕生し一世を風靡したが、日本では2016年に販売終了した3代目を最後に市場から姿を消す。しかし欧米などでは2013年に4代目へスイッチし、アメリカで累計約318万台、グローバルで累計約812万台を記録。直近の2017年は80万台超のグローバル販売を達成する中、アメリカでの販売台数が過去最多の約41万台に達し、アメリカにおける最量販SUVかつ最量販トヨタ車に成長している。
そんな日本での凋落がウソのように、アメリカをはじめ日本以外の地域では世界的なSUVブームに乗って我が世の春を謳歌しているRAV4がフルモデルチェンジし2018年末頃に北米で発売(ハイブリッド車は2019年初頭)。2019年春頃に日本でも復活することが決定した。
新型カムリと同様にマルチリンク式リヤサスペンションを備えた「TNGA-Kプラットフォーム」を採用する新型5代目RAV4は、ボディ剛性を先代RAV4より57%向上させ、操縦安定性と乗り心地、静粛性をアップ。その一方で最低地上高を1/2インチ(12.7mm)以上高めながら、空力特性を改善したという。
なお、新型RAV4の全長×全幅×全高は4595×1855×1700mm、ホイールベースは2690mmで、それぞれ先代より5mm短く、10mm広く、5mm低く、30cm長い。相対的にホイールベースが伸び前後オーバーハングが減少しているため、室内空間の拡大とアプローチ・デパーチャーアングルの増加による悪路走破性の向上が期待できそうだ。
パワートレインもカムリと共通で、熱効率40%超を誇る2.5L直4「ダイナミックフォース」エンジンに、「ダイレクトシフト」8速ATまたは大幅進化型トヨタハイブリッドシステム2(THS2)の組み合わせを設定。
そして、8速ATを搭載するガソリン車の上級グレードには、プロペラシャフトの回転を止めるディスコネクト機構を搭載した新開発の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を、ハイブリッド車には後輪の最大トルクを従来型の1.3倍に増加させた「新型E-Four」を初めて採用する。
なお、ガソリン車のAWDモデルには、スノー、マッド、サンド、ロックの4モードから、走行モードをシフトノブの左側に装着されるダイヤルまたはボタンで切り替えられる「マルチテレインセレクト」が実装される。
市場ごとの詳細なグレード構成や装備内容は現時点では不明だが、少なくとも北米仕様には前述の通り大きく分けて「アドベンチャー」、「リミテッド」、「XSEハイブリッド」の3タイプが設定されることが明らかにされている。
先代4代目の2018年モデルから追加された「アドベンチャー」は、昨年11月のロサンゼルスショーで発表されたコンセプトカー「FT-AC」そのままのアグレッシブな専用フロントマスクに大型のオーバーフェンダーとルーフレールを持つ、最もSUVらしいモデル。
ボディカラーはRAV4初設定のミッドナイトブラックメタリックとブルーフレーム、新開発色となるルナロックの3色を設定。室内には黒またはモカのソフテックス生地を用いたシートを含め、随所にオレンジ色のアクセントが加えられる。
トップグレードの「リミテッド」は、19インチアルミホイールにクロームのアクセント、前列ムーンルーフを標準装備するのが外観上のポイント。
室内には運転席を2Way電動ランバーサポート付きの8Way電動調整式とするほか、7インチのマルチインフォメーションディスプレイ、北米向けトヨタ車では初のデジタルディスプレイリヤビューモニターを標準装備する。
さらにオプションで、フロントシートクーラーやリヤシートヒーター、パノラミックムーンルーフ、リヤバンパー下に足を出し入れするだけで開閉可能なハンズフリーパワーリフトゲートを装着可能とするなど、快適装備満載だ。
スポーティモデルに位置付けられる「XSEハイブリッド」は、ピアノブラックのアクセントをフロントバンパーやドアミラー、フェンダーアーチ、サイドシルに施し、プロジェクタービーム式LEDヘッドランプを装着。
さらにブリザードパール、シルバースカイメタリック、マグネティックグレーメタリック、ブループリントのボディカラーに、ブラックのルーフカラーを組み合わせる2トーン色を設定する。
また室内には、ブルーのアクセントが加えられたソフテックス生地のシートを採用。そして足元にはダンパーとスプリングを強化したスポーツチューンドサスペンションが装着され、新型RAV4の中で最もクイックなハンドリング特性が与えられている。
そのほか、第2世代の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備し、主に下記の機能を実装する。
●車両に加えて歩行者検知(昼間・夜間)・自転車検知(昼間)を行い衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」
●前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」
●レーダークルーズコントロール作動時に車線維持に必要な運転操作を支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」
●車線逸脱による事故予防に貢献するステアリング制御機能付きの「レーンディパーチャーアラート(LDA)」
●夜間の前方視界確保を支援する「オートマチックハイビーム(AHB)」
●カメラで認識した道路標識をマルチインフォメーションディスプレイに表示することで道路標識の見落としを減らし、安全運転を促す「ロードサインアシスト(RSA)」
新型RAV4の日本上陸は2019年春頃。その時にはすでに新型スバル・フォレスターやルノー・カジャー、同じく日本復活を果たすホンダCR-Vが発売されており、マツダCX-5やスズキ・エスクード、フォルクスワーゲン・ティグアン、プジョー3008、ジープ・コンパスは健在。日産エクストレイルと身内のトヨタ・ハリアーがモデル末期に差し掛かった状況になると予想される。
日本においても強豪揃いとなる2019年のCセグメントSUV市場で、新型トヨタRAV4に勝算はあるのか? 出し惜しみせず最初からフルラインアップで攻勢を掛ければ、その豊富なバリエーションと持ち前の販売力で、並みいるライバルを押し退ける可能性は充分にありうるだろう。
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