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Z900RSカフェ、走り込んで分かったZ900RSとの大きな違い。

MotorFan / 2018年4月9日 18時40分

Z900RSカフェ、走り込んで分かったZ900RSとの大きな違い。

発売から間もないにも関わらず、入手困難なほど品薄となっているZ900RS。その話題のモデルをベースに、カフェレーサー風に仕上げた「Z900RSカフェ」を駆り、走り込んでみたところ、単にビキニカウルを付けただけではない、カフェモデルならではの魅力に気付かされた。(REPORT:近田茂 PHOTO:山田俊輔)

カワサキ Z900RSカフェ

メーカー希望小売価格:1,350,000円








都内の桜が散り始めた先週の事、試乗用に拝借していたZ900RSカフェの返却に自宅を後にした。本来ならば30分も走ればひと仕事完了……のはずだったのだが、ふとひとっ走りしたい衝動に駈られた。春風の心地よさを満喫しながら峠道を流してみたい気分にかられたのが本音である。

特に当ての無いまま中央高速道に乗って下り方向へ。するとふと高校時代、半世紀も昔の記憶が蘇って来た。始業の2時間半前に家を出て田舎方向へ走り、ちょうど1時間で引き返して学校へ向かう通学前のミニツーリング。寒さの薄らいだ春先の空気感の中を駆け抜ける心地よさは格別の物があった。
今回そんな気分にさせてくれたのは、Z900RSカフェならではの、若干攻撃的なライディングポジションのせいだったのかもしれない。

記者の記憶が正しければカフェレーサーのブームは70年代の中頃にイギリスで流行りはじめ、その話題は日本にも渡来。過激なレーサーレプリカすら存在しなかった時代において、それは最もスポーティでエキサイティングなバイクだったのである。カフェレーサースタイルにおいて必須となるポイントはハンドルだ。普通のロードスポーツが採用しているアップハンドルを幅が狭い一文字ハンドルに換装する。
グリップ位置が遠く低くになり幅もスリム。さらにはバックステップやシングルシートに換装してスポーティな前傾姿勢と深いバンク角を稼ぎ出すのがお決まりのパターンだ。とは言え、普通の街乗りでそこまではやり過ぎと思う人は、その中間的存在のスワローハンドルを取り付ける事が多かった。
Z900RSカフェはまさにそんな当時のカフェレーサーを再現。スワロー然としたローポジションハンドルとフロントカウルの装備。シートやマフラーの仕上げも専用となり、ベースとなったZ900RSと比較して2 万円高いだけという価格設定もソソられる。


遠出がとにかく楽なのはZ900RS、

一方のZ900RSカフェはちょっと攻めたい気分にさせてくれる

Z900RSカフェに跨がると若干の前傾姿勢となり、ヘルメットの中でやや上目づかいで前方を睨む感じとなる。これが峠道へと誘われた大きな要素となったことは間違いない。

タイトコーナーの連続する道志道を目指すと左、右への旋回と立ち上がりでのググッと背骨が詰まるような加速G を体感。シート高はZ900RSより20mm高く、少し腰を落としてのS 字切り返しなど、ライダーの動作がスポーティに決められる。腹筋と背筋とをバランスさせる操縦法が、峠道の走り方にイイ感じにシンクロしてくるから気分が良い。ニーグリップを利かせてやや背中を丸めながらのブレーキングから旋回そして加速までの一連の動作に夢中になれる感覚は、スポーツバイクを操縦する醍醐味のひとつなのだ。

沿道には満開の桜が出迎える中、アップダウンと屈曲路が続く峠道を軽く疾走する爽快感はバイクで旅する楽しみとはまた別の種類の走る楽しみを味わうことができる。マシンを扱いこなす楽しさ、気持ち良い汗をかける心地よさは格別。そこに魅力を感じるユーザーならZ900RSよりもこちらの“カフェ”がおすすめだ。


燃費は思いのほか良好の約20km /L

今回は撮影や市街地の足代わりも含めて郊外、高速と峠道と合わせて約220 ㎞を走行。メーターによる平均燃費はちょうど20㎞/Lを示していた。なお、満タン法計測による実燃費率は19.5㎞/Lだった。エコランを心がけたわけではなく、自由に楽しく走った割にはなかなかの好燃費率である。

モノブロックタイプの対向4ピストンキャリパーをラジアルマウント。φ300mm フローティング式ディスクローターをダブルで備えている。フロントフォークはφ41mmサイズの倒立式。ストロークは120mm 。伸び圧共にダンパー調節ができる。
水冷式ラジエターの下には4本のエキゾーストパイプが並び、クランクケース下で1本へ集合する。
ダイヤモンド式軽量トレリスフレームに搭載されたDOHC水冷直列16バルブの4 気筒エンジンは、水冷ながら空冷風のフィンを採用し、クラシカルな雰囲気に。ギヤ駆動の2次バランサーを採用。見た目は細長くなかなかコンパクトに仕上げられている。
4in1 集合の後に一体構造のプリチャンバーを経て右側の一本出しマフラーで排気される方式。エキゾーストパイプ集合部に触媒を搭載し排出ガス規制(Euro4) に対応。マフラーはヘアライン仕上げされている。
ホリゾンタルバックリンク式リヤサスペンション。ホイールトラベルは140mm 。白色スプリングの採用もカフェの特徴。伸び側ダンパーとプリロード調節ができる。
Z900RSカフェ専用デザインのダブルシート。ライダー用の前シート部だけがタックロールタイプになっている。やや固い感触だが、左右に腰を落とす動作もしやすかった。 ・オーソドックスなミニカウルデザイン。懐かしくもあり新鮮でもある。ウインドプロテクション機能も侮れない。
オーソドックスなビキニカウルデザイン。懐かしくもあり新鮮でもある。ウインドプロテクション機能も侮れない。
セパレート式ツインメーター。間の液晶ディスプレーには時計や燃料計、水温計、ギヤポジションインジケーター。そしてトリップや燃費率他様々な情報表示が可能。
左側のスイッチでメーターの表示切り替えができる他、KTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)のモード変更も可能。雨の路面で失敗しないように穏やかなパフォーマンス特性も選べる。機能オフも含めて3段切り替えが可能。
・右側はごく一般的なエンジンキルスイッチとスターターボタンのみ。ブレーキレバーには手の大きさに合わせられるよう6段階アジャスト付きが装備されていた。
シート高はZ900RSよりも20mm高い820mm 。ご覧の通り、記者の両かかとは浮いた状態になるが、足付き性はそれほど悪くない。扱いに不安を感じることもなかった。
170cmのライダーでは両かかとがうっすらと浮く状態。

■Z900RS CAFE 諸元■
・全長×全幅×全高:2,100mm×845mm×1,190mm
・軸間距離:1,470mm
・最低地上高:130mm
・シート高:820mm
・キャスター/トレール:25.0°/98mm
・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
・総排気量:948cc
・内径×行程/圧縮比:73.4mm×56.0mm/10.8:1
・最高出力:82kW(111PS)/8,500rpm
・最大トルク:98N・m(10.0kgf・m)/6,500rpm
・始動方式:セルフスターター
・点火方式:トランジスタ点火
・エンジンオイル容量:4.2L
・燃料供給方式:フューエルインジェクション
・トランスミッション形式:常噛6段リターン
・クラッチ形式:湿式多板
・フレーム形式:ダイヤモンド
・懸架方式:前テレスコピック(インナーチューブ径 41mm)/後スイングアーム
・タイヤサイズ:前120/70-17/後180/55-17
・ホイールサイズ:前17M/C×MT3.50/後17M/C×MT5.50
・ブレーキ形式:前デュアルディスク300mm(外径)/後シングルディスク250mm(外径)
・ステアリングアングル (左/右):35°/ 35°
・ 車両重量:217kg
・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
・燃料タンク容量:17L
・乗車定員:2名
・ 燃料消費率(km/L):28.5km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)/20.0㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)
・最小回転半径:2.9m
・メーカー希望小売価格:1,350,000円

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