賢いボクサー! スバルが北京で発表した新型フォレスターのINTELLIGENT BOXERとはなにか?
MotorFan / 2018年5月1日 16時30分
北京モーターショーに出展されたスバルの新型フォレスターは、モーターアシスト使用の新型パワーユニット、『INTELLIGENT BOXER インテリジェント・ボクサー』。スバルにとって初めて中国市場に投入するモーターアシスト仕様車となる。
5代目となる新型フォレスターは、3月のニューヨーク国際モーターショーでワールドプレミアされた。北米仕様の新型フォレスターのパワートレーンは、2.5ℓ自然吸気の水平対向4気筒(FB25DI直噴仕様)+CVT(チェーン式CVT=リニアトロニック)である。日本仕様も同様で、2.5ℓFB25DI+リニアトロニックと予告されている。
さて、今回北京で発表された新型フォレスターが搭載するのは、スバルが『INTELLIGENT BOXER』と名付けたモーターアシスト仕様だ。ちなみに、このINTELLIGENT BOXERは中国仕様のユニット名ということだ。
現地取材でも技術的詳細は明らかにできなかったが、「新型パワーユニット搭載者は、モーターアシストによりAWDモデルとしてSUVカテゴリートップレベルの低燃費を実現する等、優れた環境性能を確保しながら、愉しい走りを実現している」とプレスリリースにあるように、このモデルは、「モーターアシスト」であっていわゆる「ハイブリッド(ストロングハイブリッド)」ではないということに気がつく。
スバルが公開している画像を見ると、アシスト用モーターは、リニアトロニックの後端に配置されていて、いわゆるP3=ギヤアウトプット式モーター/ジェネレーターであることがわかる。
上の写真は、先代スバルXVハイブリッドに採用されていたリニアトロニックHEV仕様だ。チェーン式CVTのリニアトロニックとモーターを一体化したもので、トルクコンバーターからセカンダリープーリーまではコンベンショナルなリニアトロニックを流用。モーターはプライマリープーリーと直結して後方に配置されている。セカンダリープーリーの下流には多板クラッチが設けられている。
XVハイブリッドの場合は、モーターは燃費改善デバイスというより、「電気ターボ」的な使われ方をしていた。
今回のINTELLIGENT BOXERも、基本的な構造は、このリニアトロニックHEV仕様と同じだろう。「モーターアシスト」と明言しているくらいだから、いわゆる「EV走行」はできないか、できたとしても発進時にエンジンが始動するまでくらいだと予想する。
トランクの下に搭載されるバッテリーは、先代XVハイブリッドと比べるとだいぶ大きい。特に高さ方向がだいぶ厚くなっているのが見てとれる。先代XVハイブリッドはニッケル水素電池を積んでいたが、新型のINTELLIGENT BOXERは、引き続きニッケル水素電池を積むのだろうか? トヨタとの協業のおかげでニッケル水素電池を低コストで載せられるのは予想できるが、車載用電池はニッケル水素電池からリチウムイオン電池へとすでに移行している。INTELLIGENT BOXERもリチウムイオン電池を積むのではないだろうか?
新型フォレスターにINTELLIGENT BOXERを積む場合は、SUVだからトランクの床下に余裕があるが、同時に発表されたXVに積む場合は、このバッテリーパックの大きさはラゲッジスペースに影響を及ぼしそうだ。となれば、より薄いバッテリーという仕様もあるかもしれない。
また、「AWDモデルとしてSUVカテゴリートップレベルの低燃費を実現する」ということになると、単なるモーターアシストだけで、それができるか、という疑問もある。
マツダCX-5のディーゼル(AWD)が18.0km/ℓ(JC08)、日産エクストレイル・ハイブリッドのAWDが20.0km/ℓといったところが燃費的にはライバルになろう。
現行フォレスターが16.0km/ℓだから、INTELLIGENT BOXERを積めば、JC08で20km/ℓ程度は達成できるということなのだろうか。それとも、(可能性は低いが)48Vシステムのマイルドハイブリッドシステムを採用するのだろうか?
「48V化するなら、リヤアクスルを直接駆動するeRAD(エレクトリック・リヤ・アクスル・ドライブ)を搭載する方が手っ取り早いじゃないか?」という疑問もあるが、スバルは機械的に4輪を駆動する方式にこだわりがある。現段階でeRADを採用するとは個人的には思えない。
そもそもINTELLIGENT BOXERのエンジンは、FB25DI(2.5ℓ水平対向4気筒自然吸気直噴)なのか、FB20DI(2.0ℓ水平対向4気筒自然吸気直噴)なのか? 将来的には過給エンジンとの組み合わせもあるのか? とさまざまな空想をしてしまう。
賢いボクサーが今後、リングでどんな戦い方をしてくれるのか、楽しみだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
スバル初の「本格ハイブリッド」に反響あり! 「燃料満タン1000km走れるのスゴい」「加速がスムーズ」の声も!? 他メーカーがマネしない“独自システム”どんなもの?
くるまのニュース / 2024年12月15日 19時10分
-
スバルから新型の「クロストレック」e-BOXER(ストロングハイブリッド)
マイナビニュース / 2024年12月5日 19時41分
-
「燃費がスゴくいいスバル」第一弾ついに発表 新型水平対向エンジン搭載 “Sハイブリッド”新型クロストレックから
乗りものニュース / 2024年12月5日 19時12分
-
スバル新型「クロストレック」発表! 初の本格ハイブリッド×2.5Lエンジン搭載で燃費「18.9km/L」達成! 四駆オンリーの「プレミアム仕様」383万円から
くるまのニュース / 2024年12月5日 11時0分
-
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
くるまのニュース / 2024年11月23日 19時10分
ランキング
-
1日本ユーザーからヒント「Google Pixel」の新機能 12月の「ソフトウェアアップデート」で追加
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 8時30分
-
2葬送業界に激震、中国資本傘下の火葬企業が「葬儀事業」参入 暗黙ルール破り「利益偏重」 「侵食」~火葬(下)
産経ニュース / 2024年12月23日 8時0分
-
3トイレへの行き方も、最愛の人の死も忘れてしまったが…治療のために脳の一部を切除した男性の数奇な人生
プレジデントオンライン / 2024年12月23日 9時15分
-
4お育ちのよい人はハンドバッグをどこに置くかご存じ?知らないと「地味に恥をかく」テーブルマナー
OTONA SALONE / 2024年12月22日 19時0分
-
5「声が出ない」のは致命的…声優・水島裕さん声帯ポリープ手術を振り返る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月23日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください