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日本の道路事情にジャスト! 「GSX-S750」 試乗レポ/スズキ

MotorFan / 2018年5月15日 17時35分

日本の道路事情にジャスト! 「GSX-S750」 試乗レポ/スズキ

スズキが誇る主力スーパースポーツのGSX-“R” に対して“S”の名を冠したスーパーネイキッド。もちろんイメージリーダーたる頂点の1000に次ぐのがミドルサイズの750 だ。R直系のDNA を受け継ぐSの乗り味は如何なものだろうか。 REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

スズキGSX-S750 ABS ……969,840円







 さっそくGSX-S750に跨がると実にフレンドリーなサイズ感。古い感覚を持つ筆者にとってナナハンと言えば、ついつい重量級の立派な車格をイメージしてしまうのだが、いわゆるミドルサイズ(600前後の中間排気量) を直感させられた程親しみやすい。
決して大きすぎない。そして重すぎない。ごく自然とフィットするちょうど良いコンパクトな感触がとても新鮮かつ好印象だった。ひとことで言えば軽快そのもの。しかもそれはエンジンのキャラクターにも巧みに表現されている。軽々とスムーズにそして俊敏に噴き上がる気持ちの良い出力特性は、頭(感覚)の古い筆者にとっては、驚きに値した。

 誰にも負けないレベルの高性能を期待しつつも日本の交通環境下で使う事を考慮すると、まさにベストフィットする程良くも十二分なパフォーマンスがそこにある。兄貴分の1000が誇るポテンシャルの優秀性と凄味は十分に承知した上で、日本で使うならナナハンの方が良い!と思えたのが正直な第一印象だ。

そしてもうひとつ。走り始めた瞬間、とてもフレッシュな記憶が蘇った。速度にすれば40~50km/h。それでもライダーの全身で浴びる沢山の風がとても心地よい。寒くは無くなった季節がそう思わせたこともあるが、胸に当たる風がまさにネイキッドならでは。イコールそれはバイクに乗り始めた時に体験した懐かしい快感でもあったのだ。
 元来バイクで走ればライダーは風を浴びる。それがまた心地よく、バイクという乗り物の新鮮なインパクトとして記憶に残っているわけだが、“風と友になれる”感覚が、蘇ってきたと言うわけ。ウインドプロテクションを持たないネイキッドならではの乗り味がそこにあった。
もちろん相反する要素として、高速走行では風圧の負担が増す。長時間クルーズでは疲労度も嵩むわけだ。しかし肌に心地の良い季節の移ろいや高原や海辺の香りを身体一杯に浴びる気持ちよさを楽しみたいのなら、GSX-S750のネイキッドスタイルがお勧めというわけだ。

 エンジンフィールは前述の通りだが、小気味のよいスロットルレスポンスが発揮され、どんな場面でもスイスイーッと俊敏に走れ、その扱い易い乗り味は誰にでも良い印象を与えることは間違いない。操縦性についても同様で、とても素直にかつ軽快に走れるので、市街地でも峠でも思いのままに楽しく走れてしまうのだ。昔流の表現をすれば、ナナハンの高性能を400 並の気軽さで扱えてしまう、といった感じ。強力な前後ブレーキも操作性が良いしサスペンションの動きも良い。

 今や珍しくはないが、セルボタンをワンプッシュするだけで、自動的にセルモーターを回し始動状況を判断してモーターを止めるイージースタートシステムを装備。アイドルはメーター読みで1000rpmだったが、デジタル表示の回転計にある1250rpmを示すワンブロックが瞬くことがあったので、1100rpm当たりだろうか。ギヤを入れてクラッチをミートしようとすると、回転計は明確に1250rpmへと上昇しエンストの失敗を防ぐように自動アシストしてくれ、難なく発進でき、微速Uターン等でも扱いやすい。

 総合的な扱いやすさと扱う楽しさからは、足代わりとしてはもちろんツーリングやスポーツライディングまで、まさに万能の魅力が感じられた。

ディテール解説

ペタルタイプのディスクがダブルでフローティングマウントされたフロントブレーキにはNISSIN製の4 ポット対向ピストンキャリパーをマッチ。ラジアルマウントされている。

ダイヤモンドタイプのフレーム、フロントフォークには倒立式をマッチ。減衰力とスプリングセット荷重の調節ができる。若干アップしたコンチハンを装備。ステアリングの切れ角は33度。

リジッドマウントされたエンジン。エンジンブロックも車体剛性メンバーになる。ストリート用にチューニングされたGSX-R 直系の水冷DOHC16バルブ4 気筒。スズキ・デュアル・スロットル・バルブを備えインジェクターはロングノーズの10孔式を採用。6速ギヤはハイギヤードをキープするも全体のレシオをローギヤード化して俊敏な動力性能を発揮する。

右サイド後方にハネ挙げられてフィニッシュするマフラー。おむすびの様な断面形状のデザインには、バンク角を妨げない配慮が感じられる。

ボトムリンク式のモノショックをマッチしたスイングアーム式のリヤサスペンション。

軽くアップしたバーハンドル。幅は広すぎず、アップライトな姿勢となるライディングポジションはネイキッドの標準型と言えるフィーリングだ。

モノクロ液晶表示式の1パネルディスプレー。デジタル表示の速度計を中心に、上は右側に棒グラフが伸びていく回転計、右に水温計やトラクションコントロールの表示とギヤボジションインジケーター。左に時計、下はオドやトリップと燃費等、そして燃料計。

ハンドル左側のスイッチ類。グレーのモード切り替えスイッチで、3モードトラクション・コントロール・システムが操作できる。メーター内の表示で1はスポーツライディング。2は一般的な街中走行向け。3は降雨時等、グリップの悪い路面向け。もちろんシステムをOFF することもできる。

ハンドル右側のスイッチ。赤はキルスイッチ、下が始動用スイッチ。操作はワンプッシュするだけで良い。中間はハザードスイッチだ。 ・両脇にサブランプを従えた異形ヘッドランプが前方への睨みを利かせている。ウインカーレンズも透明系だが、中の光はオレンジ色。メーターと一体化されたカウルの造形が斬新。

両脇にサブランプを従えた異形ヘッドランプが前方への睨みを利かせている。ウインカーレンズも透明系だが、中の光はオレンジ色。メーターと一体化されたカウルの造形が斬新。

大胆に撥ね上げられてフィニッシュするシートレールと、その下方中央から後方へおりてくるステーにウインカーとナンバーが組つけられている。

覧の通り若干両足の踵が地面から離れるが足付き性は悪くない。シート高は820mm 。ステップがふくらはぎに当たるがそれほど気にはならなかった。


主要諸元

型式 2BL-C533F
全長 / 全幅 / 全高 2,125mm / 785mm / 1,055mm
軸間距離 / 最低地上高 1,455mm / 135mm
シート高  820mm
装備重量 212kg
燃料消費率 国土交通省届出値:定地燃費値 ※3 29.3km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 20.1km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時
最小回転半径 3.0m
エンジン型式 / 弁方式 R749・水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ
総排気量  749cm3
内径×行程 / 圧縮比 72.0mm × 46.0mm / 12.3
最高出力 83kW〈112PS〉 / 10,500rpm
最大トルク 80N・m〈8.2kgf・m〉 / 9,000rpm
燃料供給装置  フューエルインジェクションシステム
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑方式 ウェットサンプ式
潤滑油容量 3.9L
燃料タンク容量 16L
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.785
2速 2.052
3速 1.681
4速 1.450
5速 1.304
6速 1.148
減速比(1次 / 2次) 1.857 / 2.529
フレーム形式 ダイヤモンドフレーム
キャスター / トレール 25°/ 100mm
ブレーキ形式(前 / 後) 油圧式ダブルディスク(ABS) / 油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ(前 / 後) 120/70ZR17M/C(58W) / 180/55ZR17M/C(73W)
舵取り角 左右 33°
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成28年国内排出ガス規制に対応

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