安全運転を「睡眠」で支援する「O:SLEEP」 2018年6月施行の「睡眠不足チェック義務化」に対応。
MotorFan / 2018年5月15日 17時20分
株式会社O: (オー) は、法人向けに従業員の睡眠状況の管理とそれらに起因するリスク管理・リスク回避の為のコーチングサービス「O:SLEEP」を展開しているが、6月より施行される『睡眠情報の記録の義務化』を支援するため、iPhoneのみで睡眠状況を自動取得・記録し「睡眠にリスクを抱えている運転手や管理者」を直接支援、安全運転を促す機能を追加した。
一部の運輸系企業では運転手の睡眠状況管理を口頭で行なっているが、現状では運転手が自身の睡眠時間を把握・記憶できていないことや虚偽報告が行われうる様子も散見される。口頭管理のみでは「睡眠不足に起因する事故防止」の根本的な対策になっていないと言えるが、「O:SLEEP」により「客観的な睡眠状態把握」が可能となる。
今後、公的な規制がかかると考えられる『睡眠情報の記録と管理』は目先の対策 (口頭) だけで終わらせることなく、具体的な対策までを早期から行い、現場に「睡眠の重要性」「睡眠と事故の関係」を啓発することで、事故予防につながる可能性が高まる。
「O:SLEEP」はiPhoneによって測定した従業員の睡眠状況を、個人を特定することなく集約・可視化・コーチングを受けることができるブラウザサービスであり、睡眠不足によるリスク (生産性) が可視化される。また、部署別や勤務形態別での睡眠状況も把握できる。
国土交通省による改正で2018年6月より施行される、睡眠不足に起因する事故の防止対策強化について
バス・タクシー・トラック事業について、運転者の睡眠不足による事故の防止を一層推進するため、睡眠不足の乗務員を乗務させてはならないこと等を明確化し、点呼簿の記録事項として睡眠不足の状況が追加される。居眠り運転に起因する事故を防止し、また、働き方改革を進める観点から、運転者の睡眠時間の確保についてバス・タクシー・トラック事業者の意識を高めるため、今般、旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則が改正される。
国土交通省 「旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正内容」について
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000341.html
従業員と睡眠の関係について
「不眠症は国民病 (※1)」と呼ばれていて、成人の5人に1人が不眠で悩んでいるというデータもあり、睡眠状態は従業員の「心の健康」や生活習慣病に強く関わっている。厚労省が提唱する「21世紀における国民健康づくり」では食事・運動と並んで睡眠の重要性が提唱され、「メンタルヘルスやストレスへの抵抗力」を保つためには特に睡眠が肝要だと言われている (※2) 。また、うつ病の初期症状として患者の約90%が「不眠」を経験していると言われ (※3) 、睡眠情報を記録することによってメンタルヘルスの不調をいち早く察知することができる為、予防としての活用も可能。
なお、睡眠問題は生産性低下の大きな要因のひとつでもある。企業の健康関連総コストの割合は、従業員の生産性低下 (プレゼンティズムロス) が約78% (1人あたり56.5万円/年の損失) となっており、睡眠やメンタルが特に強く影響を与えていることがわかっている (※4) 。 また、睡眠やメンタル不調による経済損失は約15兆円と言われている (参照元:英国ランド研究所発表)。
※1 厚労省eヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
※2 厚生労働省「健康日本21(休養・こころの健康)」参照
※3 プライマリケアのためのうつ病診断Q&A,北原出版,1997
※4 企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版) 経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課
「O:SLEEP」サービス紹介
職場のメンタルヘルス対策では、メンタルヘルス不調の発生後の個別的な対応だけでなく、不調の発生を予防し、働きやすい職場を目指す事前的・組織的な対策への関心が高まっている。しかし、産業医/保健師のリソースの問題もあり、個別対応が難しいのが現状だ。
そこでO:は精神科医・和田真孝氏 (日本睡眠学会) と開発した認知行動療法や睡眠衛生学を活用した「O:SLEEP」を企業向け展開を、三菱総合研究所との実証事件などを経て2018年3月よりスタートした。
http://www.mri.co.jp/news/press/public_office/022314.html
「O:SLEEP」はiOSアプリとブラウザサービスによる連携サービス。前者で従業員に睡眠コーチングを実施し、後者ではアプリから取得したデータを基に、生産性の低下度合・損失コストを可視化し、組織の問題点/改善点を抽出することで企業を支援する。
睡眠コーチング用iOSアプリ「O:SLEEP」について
1. 枕元にiPhoneを置いて寝ると、加速度センサーでユーザーの睡眠状態を取得する。
2. 取得した情報を基に、毎朝アプリを通じて睡眠のコーチングを実践する。
睡眠への不安払拭をサポートし、睡眠ログ解析を通じて各ユーザーに適した睡眠衛生教育を展開、正しい睡眠習慣の実践を支援する。本人の睡眠習慣をもとに適切な就寝時刻などを導き出す。睡眠習慣改善行動は運動や食事管理に比べて楽に取り組める点が特徴で、「日中の生産性低下の抑制・眠気の防止・メンタルヘルス不調や休息力・ストレスへの対応力向上」が期待できる。
アプリを立ち上げて、枕元にスマホを置いて寝る生活を1週間続けることで睡眠状況を分析する。そこから睡眠や生活習慣をサポートするため、ユーザーそれぞれに最適化された睡眠コーチングを毎日提供する。
睡眠でメンタルヘルス不調/生産性/組織状態を可視化する「O: SLEEP アナリティクス」
アプリで取得したデータを基に「年代/部署/勤務体系」ごとの睡眠状況を分析するブラウザサービスを提供。睡眠に問題を抱えたり、メンタルヘルスのリスクが高い群、生産性の低下具合、組織やルールの改善点を算出するので組織運営に活用できる。なお、個人の睡眠情報は特定しないので、従業員も安心して使用できる。
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