アイシングループは「FF1モーターハイブリッドトランスミッション」と「電気式4WD駆動ユニット(eAxle)」を参考出品 [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]
MotorFan / 2018年5月23日 17時40分
トランスミッションやブレーキをはじめとした自動車用部品大手のアイシングループが、5月23~25日の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」(主催:自動車技術会)に開発中の製品として公開したのは、「FF1モーターハイブリッドトランスミッション」と、「電気式4WD駆動ユニット(eAxle)」だ。
「FF1モーターハイブリッドトランスミッション」は、既存のFF車用8速AT「AWF8G30」のトルクコンバーターを、クラッチとモーター1基に置き換えたもの。
これにより、エンジントルクをクラッチで切り離すことで、モーターのトルクのみを遊星ギヤ、車輪に伝えたEV走行を可能とする。
8段の遊星ギヤの前にクラッチとモーターがあるという構造により、エンジンとモーター双方のトルクが8段のギヤで変速される。そのため、モーターの性能(現時点では非公表)にもよるが、これまでのハイブリッドシステムより幅広い速度域で大幅な加速性能のアップと燃費低減が期待できそうだ。
ミドルサイズ以上のSUVやミニバンのリヤアクスルに搭載し、PHV化することを想定した大容量タイプの電動4WD「eAxle」は、オンデマンドではなくフルタイムでモーターを使用する4WD走行、あるいはモーターで後輪のみ駆動するEV走行ができるよう、水冷式のモーターを採用し、2400Nmもの最大トルクを確保。
一方で最高出力は106kW(バッテリー電圧350V時)、最高回転数は15650rpmに絞ることで、低コストかつ大きな搭載スペースを必要としないコンパクトなサイズとしている。絶対的なパワーが求められる超高速域はそちらが得意なエンジンにお任せ、という設計思想だ。
同社説明員によれば、PHVユーザーの多くはエンジンが始動することを良しとせず、街乗りでは常時EV走行を望む傾向にあるという。また、WLTCの各モードにおいても燃費改善に寄与することを狙った結果、このような仕様となったとのこと。
「FF1モーターハイブリッドトランスミッション」と「電気式4WD駆動ユニット(eAxle)」、共通するのは既存のガソリンエンジンSUVをハイブリッド化・PHV化することを想定して開発されたドライブトレインということ。
世界中の自動車メーカーが大きな収益源としてニューモデルを積極的に投入しているミドルサイズ以上のSUVが今後、動力性能と燃費においても競争が激化する可能性は高い。
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