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吹き荒れる暴風のなかでも確実に火を飛ばす [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]

MotorFan / 2018年5月23日 20時20分

吹き荒れる暴風のなかでも確実に火を飛ばす [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]

1936年に日本初のスパークプラグを生産する挑戦から始まったのが、NGKこと日本特殊陶業。そんな同社ブースでは、ガソリンエンジンのトレンドである"ダウンサイジング高過給ターボ"に対応し、耐久性と着火性を向上させた「ターボエンジン用高着火スパークプラグ」が展示されていた。 ●TEXT&PHOTO:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)

 本製品が求められる背景として、一つには、留まることを知らない低燃費・低エミッション化への要求があげられる。その対応には、着火性の向上、ひいては消炎作用の抑制が求められる。もう一つの要求背景は、エンジンの高過給・高タンブル化。こちらに対応するには、当然のことながら、耐久性の向上が求められる。

 これら二つの要求に応えるため、二つのテクノロジーが投入された。まず着火性を向上させるため、消炎作業の抑制に優れるDFE(Double Fine Erectrode; 外側電極側にも針状のチップを溶接し、極限まで消炎作用を抑える)タイプを適用した。



 また耐久性を向上させるため、外側電極には新開発の貴金属チップを溶接。その外側電極径は従来品のΦ0.75mmからΦ1.0mmへと大径化された。合わせて中軸チップは高融点貴金属チップ(ルテニウム配合イリジウム合金)を採用している。本プラグの製品化にあたっては、外側電極の大径チップを確実に固着させることができる"ファイバーレーザ溶接"技術の確立が鍵となっている。


 高過給DIガソリンエンジンに適した本プラグは既に開発を終えており、完成車メーカーに採用されれば、即市場に投入できる段階にある。表舞台に登場することのないスパークプラグだが、着実に進化し、高性能化するエンジンを陰で支えているのだ。

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