京セラ:GLMとの協業で走行可能なコンセプトカーを製作 [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]
MotorFan / 2018年5月25日 7時25分
京セラ、GLMともに京都に本拠を構えることもあって、京セラからGLMに声を掛けることで実現したのが、GLMのEVスポーツカーであるトミーカイラZZをベースとしたコンセプトカーの製作だ。京セラ製の12デバイスを装着し、連動して制御すべく動作確認もされている。 ●TEXT&PHOTO:塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
京セラはカメラや通信モジュール、素材まで幅広く自動車関連部品を手がけている。さらなる認知度向上のために、GLMのプラットフォーム事業を活用し、コンセプトカーを手がけることに決めたという。GLMのプラットフォーム事業は、2017年に発表された旭化成とのコンセプトカー製作などのほか、中国を中心としたアジア、欧州、日本などの幅広い地域の自動車メーカーや部品メーカーから多くの引き合いがある。
京セラとGLMは、『人とくるまのテクノロジー展2018横浜』の前日、5月22日に、京セラの東京デザインラボで記者会見を開いた。両社の協業は今回が初で、京セラ側は同じ京都のGLMがプラットフォーム事業を手がけているというのはもちろん知っていて、先述したように、自動車関連事業の走る広告塔として、コンセプトカーの製作に踏み切ったという。
コンセプトカーには、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)への活用を想定した、高精細カメラや液晶ディスプレイをはじめ、京セラが得意とするセラミック技術を応用した超薄型スピーカー(ピエゾスピーカー)や、電流で冷却、加熱の温度制御が可能な半導体素子(ペルチェ素子)を使った温度調整装置(シート温調やエアコンに使用する)など、同社の12種類のデバイスやシステム、素材を採用した。
また、サイドミラー、ルームミラーに電子ミラーを採用し、ルームミラーとドアに設置されたモニターに、高感度カメラで撮影された後方の映像が映し出される。
前後左右4台のカメラ映像を使い、車体周辺の映像を合成し表示するサラウンドビューカメラや、高精細液晶ディスプレイに内蔵したカメラで運転者の視線の動きを認識し、よそ見運転などを警告する「DMS(ドライバーモニタリングシステム)」など、「先進運転支援システム(ADAS)」を見据えた計9台のカメラとそれと連動するシステムも実装する。
ほかにも、パネルを指でタッチすると、微細な振動で立体をクリックしたかのように伝える触覚伝達技術を採用したディスプレイや、セラミック技術を応用した高音質なピエゾ(圧電)スピーカー、装飾用に開発された人工オパールなどを搭載している。
なお、12のデバイスはすでに市販化もしくは、発表済みで、手持ちの部品を使うことで、12のデバイスが協調制御される走行可能なコンセプトカーになっている。コンセプトカーの製作では、ディスプレイのフィッティングはもちろん、カメラとモニターを実車に搭載すると、キャリブレーションの難しさやモニターにノイズが乗ってしまうなど、自ら手がけて分かることが多くあったという。
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