三菱エクリプスクロスの使い勝手を徹底チェック!
MotorFan / 2018年6月7日 7時10分
クーペ風のスタイルだけに注目すると、このクルマの本質を見失うかもしれない。広い空間を用意した後席、使い勝手を考えたラゲッジルーム。さらにはこだわりの視界に乗降性への配慮。きわめて高い実用性もエクリプスクロスで目すべきポイントである。
スタイル最優先でも実用性は犠牲にしない
手元でオーディオ機能付きディスプレイを操れるコントローラーを三菱車初採用。ダッシュボード上部のディスプレイを見ながら各種操作ができる初めての三菱車なのだ。パッド下にはメニューを呼び出す物理スイッチも用意している。
下側のサブウインドウや下げると視界を邪魔しない後席ヘッドレストなど、後方視界確保に徹底的にこだわっている。サブウインドウはコストも掛かるし、なくても法規などは問題ないが、開発責任者のこだわりで組み込んだそうだ。
HUD(ヘッドアップディスプレイ)も三菱車では初めての採用。メーターフード上部にエンジンのオン/オフに連動して透明のボードが開閉し、そこに車速などの情報をカラーで表示する。前方との視線移動を最小限に情報が確認できるのだ。
運転席まわり 先進性と操作性を兼ね備えたレイアウト
大きなアナログメーターを並べたシンプルな意匠に加え、常時発光式でコントラストが強いのも見やすさにつながっている。中央のディスプレイはフルカラー。従来の三菱車より表示を一部変更して見栄えを良くしている。
シフトレバーは高級感を醸すブーツ付き。前進のレンジは「D」だけで、左側へ倒すと前後の動きでシフトアップ/ダウンするマニュアルモードに入る
「M」のパーキングブレーキはレバータイプ
「G Plus Package」以外はダッシュボード上部にナビ装着スペースを用意。そして「M 」ではパーキングブレーキがレバー式となる。なんとあのランエボと同様に、サイドブレーキをきっかけにしたターンができるように、レバーを引くとセンターデフがフリーになる。
ナビ・AV・空調 スマートフォンとの連携を前提にしたシステム
ディスプレイは7インチ。タッチパネル操作が行なえるほか、スマホを接続するとステアリングスイッチで音声入力を起動してスマホの音声入力機能が使えるようになる。またホーム画面の呼び出しやアプリ立ち上げの選択、そしてオーディオメニューは左に配置されたスイッチに触れると画面が切り替わる。
「G Plus Package」には車両周囲360度を見渡せるマルチアラウンドモニターを標準装備。周囲の車両や駐車枠との位置関係が把握しやすく、駐車をサポートするだけでなく、助手席側側面や車両前後など直近の死角まで確認できる安全ツールとしてのメリットも大きい。
エアコンは全車とも左右独立温度設定式のフルオート。操作はすべてプッシュボタン式だ。ランプがついている「SYNC」のスイッチは、左右独立温度設定ではなく左右の温度を連動させるモード。
HUDの表示
ヘッドアップディスプレイには車速のほか、クルーズコントロール、ナビの簡易案内、ブレーキの警告などを表示。実際のところ視線を下げてメーターを見なくても、この部分を確認するだけで運転できる。
メーター中央のマルチインフォメーションディスプレイ
居住性&乗降性 スポーティなシートにSUVらしい乗降性を両立
前席(運転席)は座面を低く調整すると天井までの高さが十分確保され、頭を大きく下げることなくスムーズに乗り降り可能。
後席は足元が好印象。Bピラーから座面までの間隔が広くて足の出し入れをしやすいのだ。サイドシルは張り出しが少なく、前後とも閉じたドアが覆う形状だから、車体がどんなに汚れていても乗降時にスカートやズボンの裾を汚すことが少ないのがうれしい配慮だ。
室内の収納スペース スマートフォン対応のスペースと電源
ラゲッジルーム 4名乗車でも後席スライドで最大448ℓの容量を実現
握りやすいグリップが特徴のテールゲート。グリップの高さは地上1860㎜。開口部下端の地上高は780㎜と一般的である。後席スライドを最前に寄せたときには床面奥行が970㎜まで広がり、荷室容量は448ℓと広さに定評のあるヴェゼルの393ℓを45ℓも上回る。
テールゲートを寝かせたクーペスタイルだが実用性はしっかり備えているのが自慢。写真の後席スライド最後端時におけるVDA式測定の荷室容量は341ℓとC-HRの318ℓを凌ぐ。後席背もたれより低い部分で広さを稼いでいるのがポイントだ。ゴルフバッグ積載数は3個(ロックフォード装着車を除く)。
後席格納は左右6対4分割。背もたれを前に倒せば傾斜は残るが段差のないフロアとなる。床面からトノカバー(ディーラーオプションで用意)までの高さは、最も高い位置で約450㎜。
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