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過給機だけじゃない! 曲がる・止まるも優秀だった「Ninja H2 SX試乗レポ」/カワサキ

MotorFan / 2018年5月26日 16時0分

過給機だけじゃない! 曲がる・止まるも優秀だった「Ninja H2 SX試乗レポ」/カワサキ

今回のNinja H2 SXは、ほんの2時間程度のプチ試乗。のっけから言い訳してしまうと、あまり多くの情報を集めることはできなかった。……というよりも、あまりのポテンシャルの高さに、都心での試乗ではその実力の鱗片程度しか味わうことができない。正直、試乗車を奪い去ってこのまま2~3日どこか遠くまで突っ走りたい! 思わずそんな衝動に駆られるほどの逸材だった。 REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

カワサキ Ninja H2 SX……1,998,000円





 Ninja H2 SX は2018年3 月に新発売された最新バージョン。バイク歴の長い筆者にとって、H2と言えば古き2 ストローク3 気筒のナナハンを思い出してしまうが、それ以上に216 ㎏の車体に最大で326ps を発揮するエンジンで超弩級の高性能を披露したH2R の存在が見逃せない。クローズドコース専用モデルとして600 万円近いお値段も驚きだが、YouTube映像によると最高速度は400 km/hを超える。まさに世界最強最速のバイクなのだ。

 もちろん200万円を切るプライスが与えられたNinja H2 SXがそれとは別物であることは百も承知だが、それでも200psを発揮するスーパーチャージドエンジンを搭載し、実力的にはゆうに300 ㎞/hを超える超高性能マシンであることに変わりはない。まぎれもなくカワサキのフラッグシップモデルなのだ。

 世界にその名を轟かせたZ1を始めNinja 、そしてZZR と続いて来た同社の旗艦モデルに相応しい存在感。川崎重工業が誇るトップモデル開発に掛けられたスタッフの熱き想いの丈が実感できる乗り味に感銘を受けた。ルーツも含めてこれまで同社が辿ってきた道のりまで思い出されてしまうのだ。

激し過ぎず、フレンドリーさを感じる加給システム

 跨がるとドッシリとした重量感を覚える。ちなみに車重は256 ㎏。とは言え押し引きも含めてその手応えは1400ccまで拡大されたZZR よりは親しみやすい。車幅は775mm 。スリムに決まるハンドル幅はツアラーとして相応しいライディングポジションが与えられている。フロントのスクリーンは上級モデルのH2 SX SEよりは低くスポーティな印象。低い位置から前方を睨むフロントマスクのデザインは個性的でかつ迫力がある。

 トレリスフレームに搭載された注目のエンジンは水冷DOHC16バルブの直列4 気筒。バランス型スーパーチャージドエンジンである。基本構造こそH2R のそれと同じだが、過給器を始め吸排気系等、ほとんどを変更し専用チューニングされている。

 その乗り味に荒々しさは無い。凄まじいパワーを秘めていることは十分に伝わってくるがスロットル操作に対して常に大人のレスポンスを披露する。決して遅いわけではない。加速度の変化に対する調教具合が実にジェントル。クラッチを繋げた直後から、1万rpmを超える領域までそれはもう強烈な加速度を披露するのだが、そのなかにも常に落ち着いた雰囲気が伴っているのだ。つまり加速度の変化に対する調教具合が、乱暴ではなく常にシットリと穏やかであり、ライダーはそこに安心感を覚える。同時の過給音の高まりにはワクワクさせられてしまうだろう。


重い、だが自然に曲がれる

 しかもそのシットリと穏やかな安心感は、エンジンの出力特性だけでなく、S 字コーナーを右へ左へと切り返すクイックな身のこなしの中にも感じられ、急激なブレーキ操作でもまた同様。つまり、エンジン特性、操縦性、制動特性の全てにバランス良く一貫性のある落ち着いた乗り味が達成されているのだ。

 例えばタイトなコーナーへと倒し込んで行くとバイクの動きは決して軽快ではないのに素直に思い通りの旋回ができる。バイクが傾く時、そして元に戻る時はあくまでシットリと落ち着いた挙動に終始する。直進時はもちろんかなり深くバンクさせた旋回中でも車体の安定性は抜群のものがある。

 ブレーキも効力に大きなユトリが感じられ、それもガツンと効くのではなくシットリと優しい利き味の中で強力な制動力が発揮されてしまうのだ。日本の道路事情では許されない超高速でタンデムツーリングする様な世界でも常に安心して走れる快適性がそこにある。カワサキ旗艦モデルの開発ステージは、欧州のアウトバーンも含まれ、実際の交通環境の中で徹底的に走らせる。そこで追求される高性能がどうあるべきなのか、ジェントルな乗り味に帰結させるところにカワサキらしさとH2SXならではの魅力があるのだ。

 正直、欧州で突っ走りたい。歴史に残る逸材として開発ストーリーも含めてジックリと取材してみたいと思えたのが今回の感想だ。


ディテール解説

トレリスフレームにはフルアジャスタブルの前後サスペンションをマッチ。フロントブレーキはφ320mm のディスクローターをダブルで装備。ラジアルマウントされたキャリパーは対向4ピストン式。油圧マスターシリンダーもラジアルポンプ式だ。

クランク(ミッション)ケースの上に背負うようにセットされたスーパーチャージャーユニット。排気圧利用のターボとは異なり、機械で過給ポンプを駆動。リニアな過給圧コントロールが可能となり、優しくも凄まじい出力特性の達成に貢献している。

メタリックカーボングレーの車体色の中でひと際目立つライムグリーンは、KYB 製のリヤモノショックユニット。リザーバータンクを別体式にしたガス封入式で、伸び圧のダンピング調節の他、プリロードは工具を使わずにリモートコントロールできる。

エンジン背面にスイングアームマウンティングプレートを結合した後輪回り。スイングアームはアルミ鍛造の角断面形状を採用した片持ち方式。マフラーやパニアケース搭載も考慮してスマートにデザインされている。

なんとも戦闘的?!  SFアニメの世界から抜け出したようなイメージも受けたフロントマスク。コンパクトなプロジェクター式LED ヘッドランプの上にはリバーマークエンブレムを採用。KHI 製品である自信と誇りを象徴するようだ。

比較的コンパクトにまとめられたハンドル回り。スクーリーンやバックミラーも含めエアロダイナミクスの追求には抜かりが無い。高速ロングラン、それも荷物満載タンデムでの快適性を提供してくれる。

様々な電子制御デバイスをコントロールできる各種モード切り替えスイッチ。KCMF(カワサキ・コーナリング・マネージメント・ファンクション)が搭載されている。例えばトラクションコントロールやピッチング制御、旋回中のブレーキ制御など。機能の全部を理解設定するには少々手間取るだろうがフル、ミドル、ローの切り替えができるパワー制御は使いやすい。

ハンドル右側のスイッチはごく一般的なキルスイッチ。グレーのスイッチを下方にスライドさせると始動スイッチにもなる。プッシュ式のスイッチは、メーター表示の切り替えに活用するモードスイッチだ。

鞍型に近いデザインのフロントシートと硬めながらも厚みのあるクッションを採用したリヤシート。できれば段差の少ないデザインで仕上げて欲しいが、“スポーツツアラー”である所がここら辺の処理にも表れている。オプションでプレミアムシートも用意されている。

リヤシートの下にゴムバンド止めされているのは、カワサキ専用ケースに納められたETC ユニット。これは標準装備されている。

シート高は820mm 。決して低くはなく、ご覧の通り両足の踵は地面から離れている。ただ膝には少し余裕があり、足着きで不安に感じられることは少ないだろう。


■主要諸元■
※(カッコ内)はNinja H2 SX SE
全長x全幅x全高:2,135mm×775mm×1,205mm(1,260mm)
軸間距離:1,480mm
最低地上高:130mm
シート高:820mm
キャスター/トレール:24.7°/103mm
エンジン種類:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ
総排気量:998cc
内径x行程/圧縮比:76.0mm×55.0mm/11.2:1
最高出力:147kW(200PS)/11,000rpm
最大トルク:137N・m(14.0kgf・m)/9,500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:4.7L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
一次減速比 / 二次減速比:1.480(74/50)/2.444(44/18)
フレーム形式:トレリス
懸架方式:前 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 43mm) 後 スイングアーム(ニューユニトラック)
ホイールトラベル:前 120mm 後 139mm
タイヤサイズ:前 120/70 ZR17M/C 58W 後 190/55 ZR17M/C 75W
ホイールサイズ:前 17M/C×MT3.50 後 17M/C×MT6.00
ブレーキ形式:前 デュアルディスク320mm(外径) 後 シングルディスク250mm(外径)
ステアリングアングル:(左/右) 30°/ 30°
車両重量:256kg(260kg)
燃料タンク容量:19L
乗車定員:2名
最小回転半径:3.1m
価格:1,998,000円(2,376,000円)

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