あのカーボン製フレームが…… [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]
MotorFan / 2018年5月26日 18時10分
ドイツのムベアは2016年に創業100周年を迎えた自動車用軽量化部品のグローバルサプライヤー。シャシー・エンジン・ボディの領域で"革新的な軽量化技術"を用いた部品を全世界に供給している。 ●TEXT&PHOTO:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)
軽量化をキーテクノロジーとして大切にしているムベア。そんな同社(出展社はムベア・ジャパン)の展示品のなかで注目したのは「モーターサイクル用 軽量メインフレーム」だ。"究極の軽量化と高剛性を可能にするハイスペックメインフレーム"として紹介されていた。
ムベア・ジャパンは明らかにしていないが、その形状と、同社が発表したステイタスが"量産開始"であることから想像してみよう。これはBMWモトラッドが2016年秋に開催されたミラノショーで世界初公開され世界限定750台にて発売が開始された「HP4 RACE」のフレームだと思われる。
BMWモトラッドが公開している同車とフレームの公式写真とを掲載しておこう。「HP4 RACE」は、そのカーボン製メインフレームが話題を集めた市販のレース車両だ。当時のBMWモトラッドの発表によると、メインフレーム単体重量は7.8kg。今回ムベア・ジャパンが発表した8.0kg以下という数字とも符合する。
ここで展示されていたカーボン製メインフレームの何処が凄いのかと言えば、それが量産対応である点に尽きる。5,000個/年の製造が可能であるという。それを可能にするのは同社独自の構造。フォームコア材がアルミの子部品をサンドイッチしながら、中空構造とされている。それでいて部位ごとに異なる構造を持たせた1ピースフレームだ。その結果、8kg以下という軽量化を果たしながらも、充分な捻り剛性を確保している。
HP4 RACEの日本でのお値段は消費税込みで1,000万円。一般ライダーには容易には手が届かぬモーターサイクルではあるが、それに相応しく圧倒的に軽量かつ高剛性、そしてステイタスを併せ持ったフレームに違いない。"軽量化"に一家言を持つムベア。そのテクノロジーが余すところなく投入された逸品だ。
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