[CB250R緊急試乗]ライバルより20kg以上軽い!だから27psでもメチャ速い!
MotorFan / 2018年5月27日 17時55分
3月8日にCB125Rと共に発表され、5月22日に新発売されたばかり、話題のCB250Rにいち早く試乗。CB250R=単気筒、ヤマハMT-25(166kg)/カワサキZ250(170kg)=2気筒といったエンジンの違いはあるが、ネイキットスポーツと比べて20kg以上も軽量に作り上げられたボディは、他を圧倒する実力を見せつけた。 REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
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ホンダ・CB250R ABS……554,040円
CB-Rシリーズの入門クラスとして位置づけられるCB125RとCB250Rの車体関係は基本的に共通の仕上がりだ。フレームはハイテン鋼のパイプと鋼板を組み合わせた構造で新開発されたダイヤモンド式。主要部品のレイアウトも含めて剛性分布を追求しマスの集中化とクラス最軽量を実現。高い運動特性を誇ると言う。
搭載エンジンは水冷DOHC4バルブ単気筒。ボア・ストロークは76×55mmというショートストロークタイプで、最高出力は27ps/9000rpmを発揮。注目すべきは、ツインエンジンを搭載するCBR250RRと同じ最大トルクの2.3kg・mを、それより3000rpmも低い8000rpmで発揮していることだろう。しかも車重は21kgも軽い144kgしかない。これを聞いただけでもワクワクしてくるだろう。
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単気筒らしい分厚いトルク感
実際、走り始めるとエンジンの吹け上がりは実に歯切れが良い。いかにも内燃機関らしく燃焼室内で弾けるように活発なエネルギーがピストンを着実に押し下げる単気筒ならではの鼓動感を覚え、活き活きとした走りが小気味よい。エンジンとミッションは基本的に旧CBR250RやCB250Fと共通ながら、その走りっぷりはまるで別物であるかのよう。レッドゾーンは1万500rpmからだが、それをも超えて1万1000rpmの領域に難なく飛び込んでいく伸びの良さも痛快だ。
6 速ミッションは各ギヤの繋がりも良く、シフトタッチも含めてスムーズで快適なシフトワークが楽しめる。発進時から柔軟な出力特性が活き、渋滞路のノロノロ走行から郊外のワインディングロードや高速道路まで誰にでも扱いやすく、かつ楽しく走れた。そう言えばメーカーの資料にあった、「日常の移動をアソビに変える」というキャッチコピーを思い出し、あながち嘘ではないと思えたのが印象的。ちなみにローギヤで5000rpm回した時の速度はメーター読みで25㎞/h。トップギヤ100㎞/hクルージング時のエンジン回転数はおよそ6250rpmだった。
車体はカチッとシッカリ感があり、ややワイドに感じられるハンドルも相まって、操縦性はとても軽快。クィックにかつ素直に向きを変えて行ける扱いやすさも良い。ダンロップスポーツマックス(ラジアル)を履くタイヤのグリップ力にも安心感がある。筆者の体重が軽いせいもあるが、唯一前後サスペンション共に初期の作動具合が硬めに感じられたが自由自在に扱える感覚は魅力的だった。
スマートでコンパクトながらも、タンクやマフラーの造形など、各部の肉付きが良いデザインはなかなか格好が良く、跨がった時の印象も決して華奢ではない上質な仕上がり。バイクの楽しさを満喫する上で、素直におすすめできる1台と思えた。
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ディテール解説
![ラジエターシュラウドやタンクの造形、そして薄型LEDヘッドランプもデザインのモチーフはCB1000Rと共通化されていて、なかなか立派で上質な印象を受ける。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377086_201805271737160000001.jpg)
![NISSIN製の4ポットラジアルマウントキャリパーを採用したフロントブレーキ。フローティングマウントされたシングルディスクはウェーブ形状のφ296mmを採用。前後独立式のABS(ABS仕様)が装備されている。倒立式のSHOWA製フロントフォークはφ41mmサイズ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377087_201805271736210000001.jpg)
![スッキリとデザインされた高張力鋼管と鋼板製ピボットプレートを組み合わせたダイヤモンド式フレーム。ヘッド回りもプレス鋼板で強化。エンジンは吊り下げられる様にリジッドマウントされている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377088_201805271736220000001.jpg)
![タンクシートの下部には、前後に長いデザインのエアクリーナーを備え、後方より取り入れる吸気通路をストレート化することでスロットルボディに至る吸気抵抗が低減されている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377089_201805271736220000001.jpg)
![マスの集中化が徹底されていることを物語るレイアウト。リヤのモノショックはガスとオイル室を分けた分離加圧式。7段のプリロード調節が可能。専用設計の異形鋼板スイングアームがマッチされリアアクスルは中空タイプが奢られている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377090_201805271737160000001.jpg)
![クランクケース下から右後方にハネ上げられたショートマフラーはダブルチャンバー方式。見た目の造形もナカナカ迫力がある。NISSIN製のブレーキキャリパーはシングルピストンのピンスライド式。φ220mmのウェーブ形状ディスクがマッチされている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377091_201805271736230000001.jpg)
![スッキリとしたハンドル回り。若干アップされたパイプハンドルは、若干ワイドでハンドリングは実に軽快。ちなみにハンドルのパイプ径は中央クランプ部がφ28.6mm、グリップが付く直管部分はφ22.2mm。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377092_201805271739250000001.jpg)
![ワンパネルのフルデジタル液晶表示メーター。黒い外枠には各種ワーニングやパイロットランプが内蔵され、上の中央部にはシフトアップインジケーターもある。左側のスイッチはセレクト&セットスイッチで、オドやトリップ他平均燃費等の表示切り替えやリセットができる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377093_201805271739260000001.jpg)
![CB1000Rと同様の印象を与えるフロント回り。薄型のLEDヘッドライトには、円弧状に光るライトガイドを内蔵。このところ採用例が増えているLEDライトは、フロントマスクデザインを大きく進化させている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377094_201805271739270000001.jpg)
![フェンダーは短く、リヤカウルレスとしたスマートなリヤ回り。細く後方に伸びたステーにナンバーとウインカーがマウントされている。雨の日の泥ハネには注意が必要かも。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377095_201805271739270000001.jpg)
![クッションの感触は硬めながら、スポーツライディングからツーリングまで、なかなかの快適性をキープするシート。テールランプ下のキー操作でリヤシートは脱着できる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377096_201805271740060000001.jpg)
![収納スペースはほぼ無いが、ETC機器を収納するぐらいは活用できる。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377097_201805271740070000001.jpg)
![ステップの後方に足を着く。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377098_201805271740490000001.jpg)
![脛がステップに僅かに触れる感じだが特に問題は無い。地面を捉える両足は、微妙に踵が浮いている。ちなみにシート高は800mm。CB125Rより15mm低い。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004332/big_377099_201805271740500000001.jpg)
■主要諸元■《 》はABS仕様
車名・型式 ホンダ・2BK-MC52
全長(mm) 2,020
全幅(mm) 805
全高(mm) 1,050
軸距(mm) 1,355
最低地上高(mm) 151
シート高(mm) 800
車両重量(kg) 142《144》
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L) 国土交通省届出値: 定地燃費値(km/h) 44.5(60)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(クラス) 33.7(クラス 3-1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.3
エンジン型式 MC52E
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 76.0×55.0
圧縮比 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 20[27]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 23[2.3]/8,000
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 10
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比
1速 3.416
2速 2.250
3速 1.650
4速 1.350
5速 1.166
6速 1.038
減速比(1次/2次) 2.807/2.571
キャスター角(度) 24° 44′
トレール量(mm) 93
タイヤ 前 110/70R17M/C 54H 後 150/60R17M/C 66H
ブレーキ形式 前 油圧式ディスク 後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式(倒立サス) 後 スイングアーム式
フレーム形式 ダイヤモンド
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