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トヨタ・アルファード&ヴェルファイアのメカニズムを徹底解説!

MotorFan / 2018年6月9日 6時45分

トヨタ・アルファード&ヴェルファイアのメカニズムを徹底解説!

LLサイズミニバンで圧倒的な人気を誇る同車がさらなる魅力を増すために 内外装はもとより、エンジン、シャシーと各部にクルマとしての完成度を高める 新たな知見とメカニズムが盛り込まれた。中でも新型V6エンジンの搭載と 先進安全機能のレベルアップはアルファードとヴェルファイアの商品性を高めることに貢献している。

灯火類はフルLEDでシーケンシャルターンランプも搭載

ヘッドライトはもとより、アクセサリーランプやクリアランスランプ、コーナリングランプなど、すべての光源が高輝度なLEDとされた。ウインカーは流れるように光るシーケンシャルタイプを設定し、視認性が高められている。

交差点進入時などに安全性を高める

グレードによりメーカーオプション設定されるコーナリングランプは、ウインカーやステアリング操作に連動して点灯。右左折の際にヘッドライトが届かない進行方向を照らし、歩行者や障害物の発見に寄与する。

全方位99%紫外線カットガラス

日焼けの原因となる紫外線(UV)を約99%カットするガラスをフロント、サイド、リヤと全方位に採用。さらに、各部に赤外線(IR)や遮音機能が与えられた高品位なものとなっている。

青:スーパーUVカット+IRカット機能+撥水機能付きガラス(遮音性ガラス)
緑:スーパーUVカット+IRカット機能付きプライバシーガラス(遮音性ガラス)
橙:スーパーUVカット機能付きプライバシーガラス

後方をクリアな視界で安全確認

車両後方に設置したカメラの映像をインナーミラー内のディスプレイに表示する。乗員や荷物の満載時でも後方の視界が遮られることがないので安全性が保たれる。切り替えレバーの操作で通常の鏡面インナーミラーとしても使用できる。

夜間の視界をサポートするアダプティブハイビームシステム

前方監視で把握した情報からヘッドライト内のLEDの点灯、消灯を細やかに制御し、先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光。ハイビームのまま走行できる頻度を高めて夜間の視認性を向上し、安全を確保している。

2列目席だけでなくすべてのシートに快適な装備を搭載

従来から高品位な素材の採用や多様な快適機能を持つ室内装備が、さらにグレードアップした。シート表皮やクッション構造の高機能化などで、パッセンジャーをさらに居心地よくもてなしてくれる。

夏場でも快適なベンチレーションシート

従来2列目シートのみに与視界で安全確認えられたシートベンチレーションが1列目にも装備された。背もたれと座面それぞれに内蔵されたブロワによる送風が、レザーシートではこもりがちになる熱気や湿気を除去して、快適に座り続けられる。

素早く乗り降りするために創意工夫されたマニュアルウォークイン機能

茶色で示すプレートと、ピンの付いたピンク色のレバーが、追加されたマニュアルロック機構。仕掛けそのものは目新しいものではないが、すでに電動機構がある狭いスペースで成立させるのに多くの苦労があった。

2GR-FKS 3.5ℓ V型6気筒エンジン

V6エンジン搭載車は、そのエンジンとミッションとも刷新された。V型エンジンの将来性が取り沙汰される現在、高級サルーンとしての走りを具現するために新設計された。滑らかに発生するパワー&トルクと、新採用の8速ATが大柄なボディをスムーズに加速させる。


2AR-FE 2.5ℓ 直列4気筒エンジン

前回のフルモデルチェンジで採用された2AR-FE型も継続採用。ハイブリッドの2AR-FXEと基本骨格を共有するものの、吸排気への可変バルブタイミング機構や吸気管長切り替え機構などの採用で高出力化が図られている。ハイブリッドには及ばないが、性能的にはまだまだ競争力のあるエンジンだ。


2AR-FXE 2.5ℓ 直列4気筒エンジン+モーター

ハイブリッド仕様のエンジンは、純エンジン車の2AR-FE型をアトキンソンサイクル化した2AR-FXE型。幾何学的な圧縮比を12.5まで高めて熱効率を向上させ、吸気弁閉じ時期を最大103度まで遅らせることで、吸入空気量をコントロール。スロットルバルブによって発生する絞り損失を低減し、高効率化したものだ。2AR系は11年にデビューした新世代エンジンだが、低燃費に対する要求がいよいよ厳しさを増す現在、新急速燃焼コンセプトを実現したA25A系への移行が、すでに始まっている。


技術トレンドを取り入れた2ARエンジン

バルブ挟み角は31.5度と、狭い設定の動弁系。10年ほど前までは、バルブ挟み角を小さくして吸気ポートを立てるのがトレンドだったが、近年はむしろ、広くして吸気ポートを直線化し、吸気を偏らせてタンブルを強化するのがトレンドとなっている。

ピストンサイドフォース低減と効率の良い燃焼圧力の伝達

ボアセンターとクランクセンターをズラして配置するオフセットクランクを採用。 パワーストローク側でコンロッドの偏角を小さくし、スラスト荷重を減らしてフリクションを低減するとともに、最大燃焼圧力をクランクシャフトに効率よく伝達する。

環境性能と走行性能を両立する熟成のハイブリッドシステム

ハイブリッドシステムにも変更はなし。プラネタリーギヤを使ってエンジン出力を発電機と出力軸に振り分け、分担率を無段階に調整できるようにしたTHSⅡを継続採用する。JC08モード燃費も従来と変わっていない。

バッテリー冷却システム

ハイブリッドシステムを安定的に稼働させるため重要なバッテリー冷却システムも従来通り。2個のブロワを搭載し、全席の下部から吸い込んだ吸気をバッテリーユニットへ送り込んで冷却を行なう。

構造用接着剤の使用範囲を拡大

これまで構造用接着剤は、青い線のリヤホイールハウスまわりとバックドア開口部コーナーに使用されてきたが、今回のマイナーチェンジで赤く示された各ピラーの前側にも塗布エリアを拡大。ボディのねじり変形を抑え、操舵フィールの向上を図った。

スポット溶接で十分に剛性が高められた

スポット溶接の打点数は増やしていないが、そもそも15年のフルモデルチェンジ時に、青い線で示したドア開口部コーナーやフロア骨格の接合部は、限界までピッチ詰めを行なっている。

ホットスタンプ材を含む高張力鋼材を使った軽く強いボディ


前回のフルモデルチェンジで採用された内容から変わりはないが、大柄な上に開口部が大きなボディを軽く、強く構築するために、各種の高張力鋼板を適材適所に使用している。アッパーボディで総重量の26%、アンダー部は約62%に高張力鋼板が使われている。

下面の空力性能も従来通り

床下の多くの部分に整流フィンを設置。ボディ下面の空気流れをスムーズにし、高速走行時の燃費性能を向上している。アッパーボディの各部にも小さな突起であるエアロスタビライザーで整流を行なっている。床下の多くの部分に整流フィンを設置。ボディ下面の空気流れをスムーズにし、高速走行時の燃費性能を向上している。アッパーボディの各部にも小さな突起であるエアロスタビライザーで整流を行なっている。

Aロワアブソーバー Bエアダム C整流フィン Dエンジンアンダーカバー Eフロアアンダー
カバー Fエアスパッツ(フロント) Gエアスパッツ(リヤ)
※リヤのエアスパッツは、寒冷地仕様では装着されない。

リヤまわりのフロア補強

ダブルウイッシュボーンサスペンションの性能を最大限に引き出すため、高剛性なリヤサスメンバーを設定。さらに取り付け部には操安ブレースを追加してボディの変形を抑制している。イラストは床裏下面視。

大柄なボディをしっかりと支えるサスペンション

サスペンション形式は従来と同様だが、新たな構造のピストンが採用されたダンパーのほか、フロントブレーキの大型化やエンジンマウントの変更などで操安と静粛性が向上されている。

ダンパーに新型バルブを採用してより良い乗り心地を実現


ダンパーの減衰力は、ピストンに設けたオリフィス (油路)によって発生させるが、オリフィスだけでは減衰力が二次曲線的に立ち上がる。そこで、ディスクバルブで蓋をしたポートを別に設け、高速域ではディスクバルブを撓ませて油を逃し、減衰力の立ち上がりを抑えるのが一般的な設計。新型では、ディスクバルブの付いたポートを2系統用意し、より低いピストン速度域から油を逃し、早いタイミングから減衰力の立ち上がりを抑えている。

低ピストン速度域から的確に減衰力を制御

操安性確保のためには、0.02m/s以下のピストン速度域では青い線の特性が欲しいが、従来構造では0.02m/s 以上の領域で赤の破線のように減衰力が立ち上がり、ゴツゴツ感が出てしまう。だからといって、乗り心地領域を優先したポート設定にすると、減衰力は赤の実線のようになり、操安領域で減衰力が不足する。そこで、赤破線のポート形状としながら、0.02m/s域から開くディスクバルブを設定。操安性と乗り心地が両立できる青実線の特性をつくりこんでいる。

ダイレクト感のあるステアリングフィールを獲得

ダンパーが動き出す領域から減衰力が立ち上がるようになったため、操舵時の荷重移動が早期に起こり、タイヤの縦荷重が増えてコーナリングパワーが増大。操舵トルクの低い領域からヨーレートが立ち上がるようになり、ステアフィールにダイレクト感が増している。

機能追加でより安全になったToyota Safety Sense


ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーと総合的な制御によって多彩な安全性能を持つトヨタセーフティセンスが、第二世代へと進化した。車線維持機能が追加されたLTAや、時に大きな事故へとつながる標識の見落としを抑制するRSAなども搭載され、先進安全の分野でもトップクラスの性能を持つこととなった。

先行車発車

安全というよりも“便利機能”だが、前方監視の技術を活用した先行車発進告知機能も装備。信号待ちや渋滞で先行車の発進に気付かずにいると、ブザー音とディスプレイの表示で知らせてくれる、最近のトレンド機能だ。

トヨタブランド初 高速クルージングを安全にサポートするレーントレーシングアシスト「LTA」


車線維持支援は道路の区画線だけでなく、先行車の軌跡を利用して作動する。また、車線逸脱警報及び抑制機能が、アスファルトや縁石などの境界線を認識できるようにレベルアップし、より統合的で高精度なレーントレーシングアシストとなった。

トヨタブランド初 自転車に加え夜間の歩行者も認識できるプリクラッシュセーフティ


歩行者(昼夜)と自転車運転者(昼)を認識し、警報とメーター表示で衝突の可能性を知らせ、ブレーキを踏んだ際には制動をアシスト。ブレーキが踏めなかった場合には自動でブレーキを掛け、衝突を回避または被害を軽減する。

トヨタブランド初 標識の見逃し防止をサポートするロードサインアシスト「RSA」



前方のカメラで認識した道路標識をマルチインフォーメーションディスプレイに表示する。速度規制を超過した場合や、はみ出し通行禁止を表示中に追い越し操作を検出した際には表示の点滅などで警告を与える。

大柄なボディでも安心な巻き込み防止機能


インテリジェントパーキングアシスト2に同時装着される。前後バンパーの側面に設置されたセンサーで車両の側方をスキャニングして障害物を検知。前後方向だけでなく、転舵時の車両側面への接触の危険性をブザー音とディスプレイの表示で知らせる。

車線変更時の後方確認を支援ブラインドスポットモニター「BSM」


隣接する車線の最大約60 m後方までをモニターし、後側方を走る車両や急接近してくる車両を検知してドアミラーのインジケーターを点灯。その際にウインカーを操作すると点滅に変わり注意を喚起する。

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