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フォルクスワーゲン:バッテリー研究開発に量子コンピュータを導入

MotorFan / 2018年6月11日 16時55分

フォルクスワーゲン:バッテリー研究開発に量子コンピュータを導入

フォルクスワーゲンが世界初となる、工業関連の分子の量子コンピュータ上でのシミュレーションに成功した。リチウム水素や炭素連鎖などの分子模型のモデル化に成功しており、これらは高性能電気自動車バッテリーの開発には欠かせない。現在、より複雑な分子構造のモデリングに挑戦しており、ゆくゆくは電気自動車のバッテリー内の化学構造を再現するのが狙いだ。フォルクスワーゲンはこれらの取り組みや成果を6月12日~15日にハノーバーで開かれる世界最大級のIT関連見本市「CEBIT (国際情報通信技術見本市) 2018」で発表する予定。

 フォルクスワーゲンのCIO(最高情報責任者)マーティン・ホフマン氏は「我々はグループ内のITシステムの現代化を進めている。ワークプロセスをデジタル化し、よりシンプルにし効率を高め、新たなビジネスモデルを積極的にサポートするのが目的だ。だからこそフォルクスワーゲンではIoTや人工知能、量子コンピューティングを積極的に取り入れている」と説明した。


「オーダーメイド」のバッテリーを目指す

 最新のアルゴリズムを取り入れ、フォルクスワーゲンの研究者たちは高性能電気自動車用バッテリーの化学構造のモデル化や最適化の基礎を確立した。ゆくゆくは重量やエネルギー効率などの具体的な要求項目に合わせて最適なバッテリー形状や化学構造などを提供できることが、この量子アルゴリズムからは期待されている。これは長らく時間やコストがかかっているバッテリーの研究開発プロセスを大幅に短縮できることになるだろう。

 サンフランシスコに位置するフォルクスワーゲンCODE研究所主席研究員Florian Neukart氏は「我々は量子コンピュータのポテンシャルを最大限に引き出せるよう日々研究を進めている。電気化学的物質のシミュレーションはこの点では重要であり、我々は今先駆的なプロジェクトを推進しているのだ。商業的利用可能な量子コンピュータの登場は今では考えられないような可能性を広げることになるだろう。そのためには多くの専門家のノウハウが必要だ」と言う。
 専門家によると、彼らはまだまだ開発の初期の段階だということだ。

フォルクスワーゲンにおける量子コンピューティングの取り組み

 データサイエンティスト、プログラマ、ソフトウェアエンジニア。様々な専門家がサンフランシスコやミュンヘンのIT研究所で日々研究を進めている。彼らは量子コンピュータ用のアルゴリズムのプログラミングを進めており、従来のコンピュータとは異なるため新たな方法でアプローチしている。フォルクスワーゲンはグーグルとD-Waveと技術提携を結び、自由に各社のシステムにアクセスできるようになっている。

量子アルゴリズムの研究を進めているサンフランシスコのフォルクスワーゲンCODE研究所

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