【速報】発売目前の新型をた〜っぷり試乗! モンキー125で街に出た。
MotorFan / 2018年7月5日 17時15分
昨年の東京モーターショー以来、お待ちかねのホンダモンキー125。待望の新発売は7月12日(木)からである。モーターファンjpでは(おそらく)ストリート一番乗りの幸運に恵まれ、早速都内近郊のアチコチをじっくり試乗してみた。 REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
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ホンダ・モンキー125 ……399,600円
モンキー125<ABS>…… 432,000円
先ずは跨がって走り始めた瞬間の印象だが、「コイツはモンキーじゃない!」そしてもうひとつ「なかなかいい出来栄えじゃないか!!」。筆者の頭の中で同時にふたつの思いが交錯した。日常的な普段の足としてとても出来の良いバイクであることを直感し、何ともワクワクした気分。当日は真夏日だったが明らかに走る楽しさの方が勝っていた。
かつてのモンキーよりも2まわり大きくなったサイズ感
モンキーは小さくて可愛らしいバイク。ネーミングも含めてライバル無き存在として長年根強い人気を獲得してきた。5インチだった初代モデルは別として、その大きな特徴は前後8インチホイールの採用。1969年に2代目のZ50Z登場以来、昨年50周年スペシャルとして限定販売された最終モデルまでそれはずっと変わらなかった。
ホイールベースは僅か895mm。シート高は660mm。車重は68㎏に過ぎず、最小回転半径は1.4mだっただけに、モンキー125はふたまわり以上大きく感じられ、車体のボリューム感は同じホンダの125ccモデル、グロムに近い。つまり半世紀に渡って培われてきた“小さくて”のアイデンティティは継承されていないのだ。モンキー125 は前後に12インチホイールを履く。ホイールベースは1150mm、シート高775mm、車重は107㎏。最小回転半径も1.9mに拡大。その変化の大きさには、改めて驚かされてしまい、モンキーとは認めたくない思いが浮かんだわけだ。
しかしそのフォルムはモンキーそのもの。サイズは別としてデザインの可愛らしさは健在。むしろ立派なサイズ感は適度な落ち着きと安心感を覚える穏やかな乗り味に貢献し、普段の足に活用するのが楽しくなるのである。
一人乗り専用シートは長さが480mm、幅は200~310mmとたっぷりとした余裕の大きさ。クッションも厚みがあり、座り心地が抜群。タンクをニーグリップするとシート前方部と内腿がフィットして、上体を安定させるのにも好都合。体重の分散具合も巧みで快適だ。
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不安の一切ない、124cc+12インチの組み合わせ
ロングストロークのエンジンは全体にマイルドな雰囲気と絶妙のパフォーマンスを発揮。4速のギヤレシオも実に巧み。総合レシオが低過ぎず、穏やかな乗り味に終始する。しかもストレスなく噴き上がる出力特性は市街地のダッシュはもちろん、流れの速い郊外のバイパス路でも安心して走れるだけの侮れないポテンシャルを持つ。
ローギヤで引っ張ると難なく50㎞/hに到達する柔軟性は各速でも活かされる。一方発進後直ぐ10㎞/hに満たない速度でセカンドにアップしても十分な粘り強さを発揮。走行速度の遅い都市部なら3速だけでオートマチック感覚のイージーライドも許容してくれた。グロムより偏平の少ないタイヤとの相性は良く操縦性は癖のない素直さが光る。初めて乗るクラッチ付バイクとしてもおすすめできる親しみやすさと楽しさのある乗り味がとても魅力的だ。
贅沢をいうならば、二人乗りできないのが個人的にはチョット残念。じっくり乗り込む内にフト4輪のMINIを思い出した。小さくて可愛らしい存在のMINIは、大きなサイズに革新してから人気再燃で売れている。本音で出来の良いモンキー125もバイク人気再燃の一助に貢献できるのではないだろうか。大いに期待したい。
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ディテール解説
![ABSはフロントのみに装着されている。ブレーキは油圧式シングルディスクで、ローターはリジッドマウント式。キャリパーは2ピストンのピンスライド方式だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456952_201807051433170000001.jpg)
![赤くアルマイト処理された倒立式のフロントフォークを採用。ボトムチューブと共に可動する樹脂ガードのデザインもなかなかオシャレ。メッキ仕上げされた短いアップフェンダーもモンキーらしいデザインだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456953_201807051433190000001.jpg)
![基本的にはグロムやスーパーカブC125と共通するOHC空冷単気筒エンジン。排気量やミッションは共通ながら、吸排気系のチューニングが微妙に異なる他、クランクケースカバー等のデザインも差別化されている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456954_201807051433180000001.jpg)
![リヤサスペンションは赤いコイルスプリングとスイングアームを持つオーソドックスな2本ショックタイプ。クローム部分が短くデザインされたリヤフェンダーには黒い樹脂部分とナンバーステーが連結されて泥よけ機能が高められている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456955_201807051434350000001.jpg)
![モンキーらしいデザインのサイドカバーも健在。3箇所のゴムブッシュ止めだが、セキュリティ確保でキーロックも備えられていた](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456956_201807051435220000001.jpg)
![サイドカバーの中はご覧の通り、特に機能的な収納スペースがあるわけではない。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456957_201807051435230000001.jpg)
![カバーの内側には小さなボックスがセットされていた。プッシュロック式グロメットとゴムバンドで固定された箱を開けると、中には工具袋が納められていて、ヘキサゴンレンチ1本とヘルメットホルダー用のワイヤーを装備。箱は書類入れにも使えそうだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456958_201807051435240000001.jpg)
![スチール製モノバックボーンフレームも赤く綺麗に塗装されている。可愛らしくツートーンカラーでデザインされた5.6ℓ容量の燃料タンクに誇らしげなウィングマークはどこか懐かしい。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456959_201807051437530000001.jpg)
![大胆なパイプアップハンドルの採用で、ゆとりあるライディングポジションを提供してくれる。ハンドル幅はグリップ内側の実測値で475mm。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456960_201807051437540000001.jpg)
![最近ホンダで見慣れてきたスイッチデザイン。それぞれは大きく扱いやすいが、ウインカーが下にレイアウトされている。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456961_201807051437550000001.jpg)
![右側のスイッチはキルスイッチとセルボタンのみ。オーソドックスなデザインだ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456962_201807051440200000001.jpg)
![シルバー塗装されたステアリングのアッパーブラケットは鋳物の素材感が懐かしいイメージ。ハンドルバーに折り畳み機構はなく至ってシンプルな設計だ。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456963_201807051440210000001.jpg)
![反転液晶ディスプレーが採用された丸形シングルメーター。表示内容もシンプルで燃料計と速度計。各種ワーニング及びオドとABトリップのみ。イグニッションをONするとウインクでライダーを迎えるアニメーション演出がある。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456964_201807051440220000001.jpg)
![グロムの様に鍵部分を折り畳むことはできないがキーはウェーブタイプを採用。ここにもホンダのウィングマークがあしらわれていた。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456965_201807051500200000001.jpg)
足つきチェック
![足着き性は何の不安も無い。膝にユトリを持ちながらも両足はベッタリと地面を捉えることができる。自然に足を出すと両側のステップエンドが脛の内側に当たるが、特に気にはならなかった。](https://motor-fan.jp/images/articles/10004763/big_456967_201807051442430000001.jpg)
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主要諸元 【】内はABS仕様
通称名 モンキー125
車名・型式 ホンダ・2BJ-JB02
全長×全幅×全高 (mm) 1,710×755×1,030
軸距 (mm) 1,155
最低地上高 (mm) 160
シート高 (mm) 775
車両重量 (kg) 105【107】
乗車定員 (人) 1
最小回転半径 (m) 1.9
エンジン型式・種類 JB02E・空冷 4ストローク OHC 単気筒
総排気量 (cm3) 124
内径×行程 (mm) 52.4×57.9
圧縮比 9.3
最高出力 (kW[PS]/rpm) 6.9[9.4]/7,000
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 11[1.1]/5,250
燃料消費率 (km/L) 国土交通省届出値 定地燃費値(km/h) 71.0(60Km/h定地走行テスト値)<1名乗車時>
WMTCモード値(クラス) 67.1(クラス1)<1名乗車時>
燃料供給装置形式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量 (L) 5.6
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式4段リターン
変速比 1速 2.500
2速 1.550
3速 1.150
4速 0.923
減速比 1次/2次 3.350/2.266
キャスター角(度)/トレール量(mm) 25°00´/82
タイヤ 前 120/80-12 65J
後 130/80-12 69J
ブレーキ形式 前 油圧式ディスク
後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式(倒立サス)
後 スイングアーム式
フレーム形式 バックボーン
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