「第8回 YAMAHA World Technician GP 日本大会」 袖ケ浦ホンダ井口友臣さんが優勝し日本代表に!
MotorFan / 2018年7月19日 13時0分
ヤマハ発動機販売株式会社は、7月4日にヤマハ発動機本社内 YTA グローバルトレーニングセンターにて、「第8回 YAMAHA World Technician GP(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ) 日本大会」を開催。筆記・実技・接客の3競技で総合トップの成績を収めた袖ヶ浦ホンダ(千葉県袖ヶ浦市)の井口友臣さんが優勝した。
「ヤマハでは、“One to One Service(プロの整備技術でひとりひとりのお客さまとのより良い関係づくり)”を合い言葉に「世界中のヤマハディーラーで、どこでも均一かつ高品質なサービスが受けられることを理想に掲げ、お各さまの期待を超えるカスタマーサービスを実践しようと、「高い整備技術」「分かりやすい説明」「感動する対応」を具現化するため YTA(Yamaha Technical Academy)教育プログラムを全世界で展開。
すでに世界 24 拠点・3万4,000人がYTA認定整備士としての資格を有し、 各国地域で活躍している。その YTAの集大成として、日々磨き上げているサービス技術力を、お客さま視点で客観的に厳しく審査するのが、2002年より世界各地で実施している「YAMAHA World Technician GP」だ。そして2年に1度、各国の大会を勝ち上がった精鋭が一堂に会し、世界No.1 のヤマハメカニックを決定する世界大会を開催している。
「今回 8回目を迎えた日本大会では、電子化が進むニューモデルへの対応の一環として当社が活 用を推進しているサービスツール YDT(ヤマハ・ダイアグノスティック・ツール)のスムーズな取り扱いを始め、的確で迅速な診断にスピーディーな作業が求められる実技競技に、ヤマハ純正オイル「YAMALUBE」の特徴や定期点検の大切さを改めて分かりやすく説明することを課した接客競技と、従来以上により実際的でスピードを重視したサービス力を競い合った。
今回優勝した井口さんは、今年 10月17日に行われる世界大会に日本代表として参戦する。
YAMAHA World Technician GP 日本大会概要
「第8回 YAMAHA World Technician GP日本大会」開催にあたり、まず日本大会への予選として、筆記競技によるエリア選考会を5月に実施。今年は、腕に覚えがある総勢103名が挑んだ。
二輪車の構造・機能についてはもちろん、点検・修理・調整の方法やメンテナンス器具の使い方など、二級二輪自動車整備士の国家試験を中心に、二輪市場や交通環境について、またヤマハの整備士として必須のヤマハニューモデル関連の知識を問う問題など、社会・業界・製品・時事問題までと幅広い内容が出題された。
このエリア選考会を上位の成績で突破した16名が日本大会に出場。車両を修理・点検する実技(80分)と接客(10分)の競技をおこなった。
実技競技では、制限時間内での部品交換とトラブルシューティングが行われた。パソコンと接続し、車両状態を的確に診断することが可能なサービスツールYDTを使いこなすだけでなく、ツールに頼らず冷静に状況を判断し、経験やノウハウを活かして対応しなければならない問題も出題され、安全で正確な作業はもちろん、迅速かつ的確な故障診断に整備ミスのない素早い作業に加え、お客さまからお預かりした車両に対する気配りまでもが問われた。
一方、接客競技は、エンジンオイルを純正の液体パーツとしてとらえ、ヤマハ純正オイル「YAMALUBE」を推奨していることもあり、オイルの知識を始め、純正部品の必要性や定期点検の分かりやすい訴求に加えて、お客さまの立場に立った安全で楽しいバイクライフ提案までが審査された。
いずれも単なる技術力の高さや経験値、知識量だけでは勝ち抜けない。大勢のヤマハ社員が見守る特殊な環境の下で、お客さまにいかに納得して満足いただくか、サービスメカニックとしてヤマハブランドを高める総合力が問われる内容となった。
YAMAHA World Technician GP 日本大会上位入賞 コメント
優勝:袖ヶ浦ホンダ(千葉県袖ヶ浦市)・井口 友臣(いぐち ともしげ)さん
井口さんコメント
「YAMAHA World Technician GP 日本大会への挑戦は、実は2 回目です。前回は予選落ち。今回はその悔しさをバネに、店が終わった後に、秘密の努力を重ねて来た結果が実って嬉しいです。 YDT をとことん使いこなして来たので、今回の実技競技にも自信を持って臨めました。
バイクの整備が大好き。いじっているのが楽しくて、できれば修理作業全てを担当したいくらいなんです(笑)。でもメカニックという仕事は、表舞台に出てくるものではありません。修理の台数が増えたからといって評価されるわけでもない。だからその日々の修練を評価しようと、実力を発揮するこのような機会をメーカーが設けてくれるのは、がんばり甲斐があるというものです。
なにより“世界大会の時にヤマハ本社に連れて行けるよう、日本大会で優勝する”という、ヤマハのバイクが大好きな 5歳の息子との約束を果たせて本当に良かった。世界大会では、今回のように気負いすぎず、いつも通りにやるだけですね」
2位:YSP 神戸中央(兵庫県神戸市) 小河 孝拡(おがわ たかひろ)さん
小河さんコメント
「正直、結果を聞くまでは、表彰台すら危ういと思っていましたので、2位という結果にやった!と喜ぶ気持ちもありますが、もう一つ上を取りたかったという銀メダリストのくやしさを感じているところです。
実技競技では、一通り時間内に終えることができ、周りの状況を 鑑みるにそこそこの手ごたえを感じましたが、上には上がいるだろうと思っていました。接客競技では、いつも愛用しているマグライトを持ち 込み、普段通りにマグライトで車両をチェックしようと考えていたことが きちんとできて良かったですね。
このような大会は特殊な場面ではありますが、お客さまの車両への気遣いという心構えは普段の 整備に活かせます。次回リベンジを果たしたいところですが、自分ではなく若手を育成し、次世代を 優勝させることで、自分もともに成長できればと思っています」
3位:YSP 名古關西(愛知県名古闇育)丹羽 勝(にわ まさる)さん
丹羽さんコメント
「とにかく緊張しました。接客競技では手が震えていたくらいです。 普段やっていることがやり切れませんでした。実技競技では、日頃 のレース活動で培った経験が活かせた一方で、冷静に判断できずに力を発揮し切れない場面もありました。
3位という結果は悔しい。これまで自分がやってきたことで自信がついたところと、ダメな部分がはっきりしたので、自信が持てたところはよりいっそう磨き、不足部分は補って、次回は世界大会に行きたいです。
今回参加してみて、もっと多くのヤマハメカニックのみなさんに参加して欲しいと思いました。日本大会に出場したみなさんは、常日頃努力されている方だと思いますし、そのような方と競い合うことができて、とても勉強になりました。改めてもっと精進しようという気持ちです」
ヤマハ世界整備士コンテスト日本大会 会長/ヤマハ発動機販売株式会社 代表取締役社長 石井謙司さん
石井謙司さんコメント
「部品交換時には純正部品を使いたいなど、最近、質の高さを重視 されるお客さまが、スポーツバイクを中心に増えています。またお客さまの多様化が進み、ひとりひとりへの高い対応力が求められ、まさに YTAの目指す“One to One Service”の必要性を実感しています。
そんな中で、今回の競技を拝見するに、目指すところはお客さま の満足度向上という同じゴールでも、実技競技・接客競技ともにいろいろなやり方があり、みなさん丁寧で完成度の高い整備や接客をされていて、日々努力し勉強されていると、ただただ感心するばかりでした。
また、技術力の高さはもちろん、車両はもとより純正オイルや純正部品などの豊富な知識とそれを 分かりやすくお客さまに説明できるコミュニケーション力、お客さまの立場に立った安全で楽しいバイクライフ提案までと、販売活動に占めるサービスメカニックの貢献度の高さを痛感し、正当にもっと評価されるべきとも改めて思いました。たとえ一つ一つは小さくても、その小さな感動の積み重ねがお 客さまに大きな感動を与えることから、質を求めるお客さまの期待に応え、サービス力でもヤマハブランドが選ばれるよう、販売店さんと共に、サービス対応力強化に今後も努めていきます」
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