ZF:大型商用車向けトランスミッションTraXonにメンテナンス事前通知機能を追加
MotorFan / 2018年7月19日 18時20分
ZFは、商用車向け製品群に新しいデジタルソリューションを追加した。世界中で多くのトラックメーカーに採用されているモジュラー型トランスミッションのTraXonに、2019年よりメンテナンス事前通知機能がオプション設定される。これにより運送事業者は、クラウドを通じてトランスミッションオイルやクラッチディスクといったコンポーネントの状態を常時、把握できる。したがってメンテナンスを前もって計画することが可能で、故障によるトラブルの回避と車両故障によるダウンタイム短縮が可能。またこの新しいデジタルソリューションは、故障による予期せぬコストを削減すると同時にトランスミッションの寿命を延ばす効果ももたらす。
ZFはTraXonにこのメンテナンス事前通知機能を追加する事で、商用車分野においても進むデジタル化に対応していく。メンテナンス事前通知機能は2019年よりサービスを開始し、車両メーカー及び運送事業者は、クラウドソリューションを使用してメンテナンスを事前に計画する事ができるようになる。
同機能では車両メーカーの工場出荷時に車両に取り付けた送信モジュールが、トランスミッションの状態に関する情報を、車両メーカーのクラウドに転送する。車両メーカーのデータプラットフォームに接続しているZFクラウドは、供給されたデータから構成部品に関する詳細レポートを作成・提供する。その情報によって車両メーカーまたは運送事業者が、メンテナンス計画を立てる事が可能になる。
「メンテナンス事前通知機能により、TraXonをネットワークにつなぐ事で、ZFのトランスミッションおよびデジタル化に関するノウハウを使い、例えば診断レポートなど付加価値の高い情報を車両メーカーおよび運送事業者に提供します。このようにしてZFは、『インテリジェント・メカニカル・システム』を供給するサプライヤーをめざしています」とZFの商用車テクノロジー事業部でトラックおよびバン・ドライブラインテクノロジー部門を統括するヴィンフリート・グリュンドラーは述べている。
ZFはメンテナンス事前通知機能において、トランスミッションオイルやクラッチディスクといった重要コンポーネントおよび消耗部品に重点を置いている。データを常に評価し、適時に消耗部品の交換または修理をすることで費用のかさむ故障を回避できる。その結果として車両の保有コストの大幅な削減が可能だ。
メンテナンス事前通知機能は産業テクノロジー事業分野では風力発電機用のギヤに採用されている。TraXon機能の開発にあたっては、この経験を活用した。またZFは道路交通の未来にも目をむけている。商用車において将来的に自動運転が広まれば、メンテナンス事前通知機能は、長距離物流を支障なく運営するために必須になるとZFは考える。
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